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June 16, 2004

『城』byフランツ・カフカ


フランツ・カフカ , 前田 敬作

発売日 1971/04
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カフカの『城』を読む。

1日目 「・・・・・」
2日目 「・・・・・」
3日目 「・・・・・」
4日目 「・・・・・」
5日目 「・・・・・」
6日目 「! み、未完?」

<あらすじ>
主人公Kは測量技師。
ある城に測量の仕事を依頼され、城のある村にたどり着く。
が、城は見えているのに、その城になかなかたどりつけない。
城のある村で右往左往するK。

カフカはチェコの都、プラハに生まれたユダヤ人である。
当時プラハはオーストリア=ハンガリー帝国に属していた。
チェコ人でもなくドイツ人でもなく、正統ユダヤ教徒でもなかったカフカ。
つまりどの世界にも完全には所属していない。
そのあたりが、村で異国人である測量技師Kと重なる。

結局、Kは城にたどりつけぬまま、未完でこの小説は終わる。
しかし、文庫本で500ページ、Kは絶望せず、ひたすら城への道を探る。
「よく凹まないもんだなあ」と感心していたら
先日、紹介した「お厚いのがお好き」にこんな文章が掲載されていた。


この小説の結末をカフカは友人に語っていた。
「相変わらず、城に辿りつけないある日、Kは城から知らせをもらうんだ。
そこには、こう書いてあった。
村に居住したいというKの要求は受け入れられないが、この先、村で生活し、働くことを許すって。
けどね、それを見たKはどうなると思う?
くたびれちゃうんだ。
ただ、もうくたびれ果てて、そして、死んじゃうのさ。」

つまらん!お前の話はつまらん!

<マジメな解説>
当時、カフカの周辺では反ユダヤの気運が高まっていた。
それが「働くことを許す」ということばとなって出たと思われる。
後のドイツによるホロコーストを考えると、「死んじゃう」というのも
予言めいている気さえしてくる。
城は、やはり当時のオーストリア=ハンガリー帝国を表現していると私は思う。

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Comments

こんにちは,mowです。お邪魔します。

「未、未完?」には笑っちゃいました。
いや~確かにそうですよね。長々と読んできた者にとってはタマリマセン。まあでもカフカの作品は「完結」してるからって別にスッキリするものでもないんですけど。LINさんの読書記を読んで、僕ももう一度『城』に挑戦したくなってきました。

Posted by: mow | June 16, 2004 at 20:40

LINさん、こんにちは〜♪

あらら、未完と知らずに読んでしまったんですね。それはさぞや呆然としたことでしょう(笑)。なんていうわたしは『城』は未読なんですけどね!(笑)

カフカは不条理不条理と言われますが、個人的には結構好きだったりします。
『審判』とか。同じ不条理モノでも『異邦人』はあんまり好きになれなかった
なー。もう内容も有名な出だし以外覚えてないんですけどね!(笑)<異邦人

違う記事ですが『お厚いのがお好き』面白そうですね〜。
わたしも本になったら買っちゃおうかな。いやでもきっと図書館に予約かも(笑)。
「お厚いの」とっても好きなんですよ〜〜。ぶ厚い2段組上下巻なんて、もう
身悶えしたくなります(笑)。

Posted by: ちょろいも | June 16, 2004 at 22:30

「地下室は閉じていない」、興味深く拝見しました。
続き物という事ですので楽しみにしております。
次回の「地下生活者の恋」気になる〜(笑)

それ比べて私のチャラい文章。
読んでいただき恐縮です。
『城』、お時間のある時に読んでみてください。
あの脱力感。無力感。
なかなか味わえるものじゃないです。

読む本は山積みなのですが、
mowさんが『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』について書かれるようですので、
急いで読もうかと・・・
これは飲んでる場合じゃない。

あれっ!
どうして左手にCHIVAS REGAL12yearsのロックがあr(略)

Posted by: LIN | June 16, 2004 at 22:30

ちょろいもさんもカフカ、お好きですか?
あ、私も『異邦人』苦手!
不条理というより無茶苦茶な感じがする。

『お厚いのがお好き』はもう発売されています。
ニーチェ好きの青年もこれを読んで納得したそうです。
是非、読んでみてください。

ちょろいもさんも厚い本、萌え〜ですか?
私も萌え〜なんです。
悩みは読むのに時間がかかって、記事が追いつかない事です。

ところで柳美里『魂』の感想、拝見しましたよ〜。
読もうかどうしようか迷っていたんです。
買わないでよかった。
ちょろいもさん、4部作、継続して読んでいるんですね。
つ、つらそうだ・・・(笑)

Posted by: LIN | June 16, 2004 at 22:54

「城」読んだなんて凄いですね。
私は、最初に解説を読む癖があるのですが、そこで「城」は未完と書いてあるのをやめて、ヤメタ…と。

「審判」「判決」、好きでした!!

Posted by: ayaran | June 20, 2004 at 13:07

>未完と書いてあるのを見てヤメタ…と。
あなたの選択は正しいです。

「審判」「判決」未読なの。
コメントできなくてごめんなさい。

週刊アヤラ、はまっています。
映画占いは「ギルバート・グレイプ」のベッキーでした。
っていうか、それ、誰?

Posted by: LIN | June 20, 2004 at 13:56

こんにちは、先日初めてお邪魔したカルメラです。
カフカを推薦して下さりありがとうございました。
その時は「おお、カフカか!」と思い、その日一日「カフカ、カフカ、カフカ・・・」と呪文のように頭の中で反芻していました。
で、早速図書館でカフカの本を借りて読みました。
「城」を読んだ感想は・・・・・・何もありません。
というか、この小説を読んで何かを感じたり、考えたりすることのできる人がこの世に存在するということが驚きです・・・
あっ、感想ありました。
「バカになった気分」を味わえました。
うん、これは収穫だ。読んで良かったです。

今、過去の記事を少しずつ読んでいます。
LINさんの文章は頭と心、きちんと両方使って書かれている気がして読むのが楽しいです。
これからもコメントが増えるのを楽しみに待っています。では。


Posted by: カルメラ | August 26, 2005 at 19:26

>カルメラさん
『城』お読みになりましたか!
これは読んですぐ何かを感じるというよりは
じわじわと後からくるかもしれないです。
私は人生もなかなかたどりつけない“城”みたいなものだよなあとか
短編集の「中年のひとり者ブルーフェルト」を読んで
「これは何かに似ている。あ!『城』の…」なんて事を
思ったりしました。
『城』の何なのかは、いってしまうとつまらないと思うので
内緒にしておきますね♪
過去記事を読んでいただき、また「読むのが楽しい」と
いっていただきありがとうございます。
カルメラさんが「これだ!」と思うような本を見つける
手助けになれれば幸いです。

Posted by: LIN | August 27, 2005 at 10:20

そうか!うん、そうですね。無理に今すぐ何かを感じようとする必要なんてないですよね。
そう言われたらなんかまたカフカのものが読みたくなってきました。
今手元には図書館でカフカを返却するのと引き換えに借りたラテンアメリカ文学集があります。
昔、ガルシア・マルケスの短編が面白かったので、南米の作家って気になってたました。
これ読んだら、またカフカに挑戦しよーっと。
LINさんの読んでいる本はほとんど「これだ!」です。
昔、学生時代になんとなく本でも読んだ方がいいのかなあって感じで意思的に読書はしていたんですが、今は自然に本が読みたいって気持ちが湧いてきました。
なんか嬉しいです。

Posted by: カルメラ | August 27, 2005 at 11:10

>カルメラさん
おー、マルケス。
『予告された殺人の記録』読みました。
『百年の孤独』も読もうと思いつつ保留中です。
ラテンアメリカ文学集、いいですねえ。
おもしろい作家が見つかったら教えてください。
ボルヘスとバルガス=リョサは本棚に積んであります(^^;
>自然に本が読みたいって気持ちが湧いてきました。
それはすばらしい。
読みたい時が読む時なんだと思います。
私もつい2、3年前までは小説なんて何がおもしろいのか
さっぱりわかりませんでしたもの。
今後もいろいろ情報交換しましょうね。

Posted by: LIN | August 27, 2005 at 17:29

LINさんトラックバックさせてもらいました~
わーい、ブログ文化成功!!
変なコメントでごめんなさい

Posted by: kyokyom | August 29, 2005 at 00:26

>kyokyomさん
トラックバック成功ですよー。
やったね(^_-)---☆Wink
あとでブログにお邪魔しますね。

Posted by: LIN | August 29, 2005 at 09:52

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