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July 12, 2004

『闇の子供たち』by梁 石日

闇の子供たち
梁 石日

発売日 2004/04
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この作品の感想を安易に書くのはためらわれる。

「ひどい!」
「何とかならないのか」
といったところで、所詮、私は日本でぬくぬく暮らしている人間だ。
この事実に強い憤りを感じるが、現地に行ってNGOに参加する勇気もない。
せいぜいblogで記事を書くのが関の山である。

これはアジアにおける幼児売春と臓器売買をテーマに書いた作品である。
あまりのむごさにことばも出ない。
かなり過激な内容なので、お子さんのいる人は読まない方がいいかもしれない。

「豚や牛は捨てるところがないといいますが、人間も捨てるところがないですね」
臓器売買をしている現地マフィアのことばである。

主人公音羽恵子は、タイのNGOに参加している。
新聞記者である南部浩行と幼児売春の取材を重ねるうちに惹かれあう。
しかし、最後の最後に、二人の違いがはっきりと描かれる。
ここ(アジア)にいる音羽恵子と結局、向こう(日本)側の南部浩行。

そう、音羽恵子にいわせれば、私も向こう側の人間だ。
何もできない私だが、ユニセフでこんな記事を見つけたのでリンクしておく。

oneclick.gif

それにしても梁石日はすごい。
あとがきにも「これを書けるのは梁石日しかない」と書いてある。
私もまったく同意見だ。

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Comments

七生子です、こんにちは。
LINさんの感想を読んでるうちに、心臓がぎくり、痛くなってきました。

角川文庫の夏の100冊に『僕の心臓を盗まないで』を見つけてぎくり。
子を持つ親として読まなくちゃいけないなとチェックしてたんですが、
この作品もそう。
私の知らない世界で何が起こっているのか。
辛くとも読んで、現実を直視せねば!知らねば!と思いました。

さっそくワンクリック投票してきました。
LINさん、いろいろ教えていただき、感謝感謝です。
ではでは。

Posted by: 七生子 | July 12, 2004 at 14:12

『僕の心臓を盗まないで』という本は知らなかったです。
でもそういうテーマの本が角川文庫の夏の100冊にチョイスされたという事は
世間でもこの問題が認知されつつあるのかもしれません。

『闇の子供たち』では、アジアの子供が犠牲になった臓器とわかっていて、自分の子供に手術を受けさせる
日本人の母親が出てくるんです。
でも、その人だってみすみす自分の子供を死なせるくらいなら藁をもつかむ気持ちなのかもしれないし、
むずかしい問題です。

ワンクリック投票、ありがとうございました。

Posted by: LIN | July 12, 2004 at 14:54

こんばんは。お久しぶりです。
非常に関連性の薄い内容なのですが、
自分自身の中では密接に結びついた記事だったので
TBさせていただきました^^;。

Posted by: DIJ | July 13, 2004 at 23:36

>アキラさん
おひさしぶりです。
コメントありがとうございます。
みなさんに本を紹介したいという気持ちだけでこのblogを続けてきたのですが
本の記事のコメントが少ないのは私の力不足かと残念に思っています。
正直、ちょっとやめたくなってきました。

Posted by: LIN | July 14, 2004 at 01:13

トラックバックさせていただきました。
10歳の娘がいるもので、動揺したままブログを書いてしまいました。
LINさんの読書案内で、これ読んだことある!が多くてちょっと嬉しいです。

Posted by: さつき | October 14, 2004 at 23:30

>さつきさん
TBありがとうございます。
詳細は、さつきさんのブログにお返事させていただきました。
この作品は子供のいる方には相当、ショッキングな作品だと
思います。
私たちなりに何かできる事が見つかるといいのですが・・・

これをご縁に今後ともよろしくお願いします(*- -)(*_ _)ペコリ

Posted by: LIN | October 15, 2004 at 00:34

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