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September 14, 2004

『停電の夜に』byジュンパ・ラヒリ

停電の夜に
ジュンパ ラヒリ, Jhumpa Lahiri, 小川 高義

発売日 2003/02
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登場人物はインド系アメリカ人もしくはインド人がほとんどである。
しかし、それがアメリカ人や日本人であっても違和感なく読むことができる。
どれも日常によくありそうな話なのである。
だからといって凡庸なわけではない。
9つの短編はどれもみな、せつない。

あとがきに
「たいした大事件を起こすわけではなく、
また民族性を振りかざしてドラマを盛り上げることもしない。
それでいて何らかの意味でアメリカとインドの狭間に身を置いた人々の
いつもの暮らしの中に生じた悲劇や喜劇をじっくり味わわせてくれる」とある。

まさにその通りの作品であった。
その中のひとつ「セクシー」にこんなシーンがある。

目下、不倫中のミランダは7才の男の子を半日、預かる羽目になる。
その男の子ロヒンがクローゼットから銀色のカクテルドレスを見つけ、ミランダに着ろという。
実はそのドレスは不倫相手との食事のために買ったものなのだが、
理由あっていまだに着る機会にめぐまれない。
ミランダは渋々、ロヒンにいわれるままにその銀色のカクテルドレスを身につける。
そしてロヒンはこういう。
「セクシーだ」

実は「セクシーだ」といったロヒンもせつないし、そういわれたミランダもせつないのである。
何故かは読んでからのお楽しみ。

先月、このジュンパ・ラヒリによる長編『その名にちなんで』が出版された。
評判もいいようである。
近いうちに是非、読みたいと思う。

追記
〜『停電の夜に』を読み終えられた方へ〜
あなたはどの作品がお好きですか?

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Comments

三度目で最後の大陸

これを言っちゃほんとは失礼なんだろうけれども、しかし、良く考えると美しいものを美しいと褒めたたえて何が悪いのかって感じだし、それに、僕は彼女の外見だけではなく、彼女の内面から溢れ出てくるものをまず一番に愛しているわけで… ほんとに美人ですよね、しかし。全身像どこかにないかな…

その名にちなんでは生涯ベストテン入りです。滂沱必至。

Posted by: hasyos | September 14, 2004 at 16:31

「本物の門番」と「ビビ・ハルダーの治療」が好きだった。そして「病気の通訳」がいちばん嫌いだった。この作家については、わたしも、LIN姐に負けず劣らずいい女であるなあと思います。……発汗必死。

Posted by: Rym | September 14, 2004 at 16:58

「三度目で最後の大陸」です。

Googleイメージ検索すると、全身画像ありますよ。
もうちょっとスリムでスタイリッシュな人を想像してました。

Posted by: mort_a_credit | September 14, 2004 at 17:21

『三度目で最後の大陸』と『ピルサダさんが食事に来たころ』の2作ですね、甲乙付けがたし。
でも、最高はやはり長編『その名にちなんで』でした。
3作目は何時でしょうね?寡作のようだし数年後になるでしょうか。

Posted by: multivac | September 14, 2004 at 18:02

>hasyosさん
私がよく行くジャズバーのマスター(57才)もジュンパ・ラヒリを評して
「これからの作家は美人じゃなくちゃね」といっていました(笑)
「美人はバカ」「巨乳はバカ」の方が差別だと思いますよー。

>その名にちなんでは生涯ベストテン入りです。
読むのが楽しみです。
ただ、ジュンパ・ラヒリを絶賛しているくだんのマスターに『その名にちなんで』はどうだったかと聞いたら
何故か曖昧な笑みを浮かべていたのです。
あれはどういう意味だったのでしょう・・・

Posted by: LIN | September 14, 2004 at 20:16

>Rymさん
発汗必死ってどうして汗をかくわけ?(笑)

>「本物の門番」と「ビビ・ハルダーの治療」が好きだった。
結末が対照的ですが、境遇は似ていますね。
「本物の門番」は、かつての職場のおそうじのおばさんを思い出しました。
いつも「私はこう見えても昔、ここでお名前を申し上げられないほど身分の高い方と愛し合っていたんです。
でも、事情があって別れました。
今はこういう仕事をしていますがあの思い出が私を幸福にしてくれるんです」と
よくいってたんです。
他の人は「あんなのホラよ」と笑っていたけど、私はロマンチックだなあと
いつもうっとり聞いていました。

Posted by: LIN | September 14, 2004 at 20:39

>mort_a_creditさん
hasyosさんもこの作品をあげていらっしゃいますが、「三度目で最後の大陸」はじーんときますね。

>Googleイメージ検索すると、全身画像ありますよ。
あ、ホントだ!
Jhumpa Lahiriで検索するとたくさん画像がありますね。

>もうちょっとスリムでスタイリッシュな人を想像してました。
( ̄◇ ̄;)エッ、これでスリムじゃなかったら私なんか・・・_| ̄|○

Posted by: LIN | September 14, 2004 at 20:53

>multivacさん
「三度目で最後の大陸」は人気があるようですね(^^)
「ピルサダさんが食事に来たころ」は唯一、インドの歴史について深く触れた作品ですね。
日本が高度成長期に浮かれていた頃、アジアでは様々な争いがあったのだと
改めて考えさせられます。
パキスタンの内乱について詳しく知らないので、このテーマで書かれている他の作品があれば
読んでみたいと思います。
『その名にちなんで』は評判が高いようですね。
私もできるだけ早く読みたいと思っています。

今後とも当ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

Posted by: LIN | September 14, 2004 at 21:10

はじめまして。
いつも楽しく、読んでいます。
私も「停電の夜に」は好きな本だったので、ちょっと、参戦。
「ピルサダさんが食事に来たころ」が好きです。
パキやインドの歴史に疎い私はなるほどぉとうなったり、悲しんだり。
良い勉強にもなった1編でした。

Posted by: まき | September 14, 2004 at 23:44

>まきさん
はじめまして
ご愛読ありがとうございます(^^)

「ピルザダさんが食事に来たころ」はあの淡々とした文章だからこそ
余計にピルザダさんの苦悩が伝わってくるような気がします。
父親がインドとパキスタンの分離を知らないリリアに「何を教わっているんだ?」と
尋ねるシーンがありますよね。
私自身、世界史の授業といえば、ひたすら黒板写しと年代覚えをした記憶しか
ありません。
リリアの父親ではありませんが、学校は一体、私たちに何を教えていたのだろうと
今さらながら疑問に感じます。

>良い勉強にもなった1編でした。
私も読書は歴史を勉強しなおすいい機会だと思っています。

これを機会に今後ともどうぞよろしくお願いします♪

Posted by: LIN | September 15, 2004 at 09:47

この本、今日購入してきました。
来週香港に行くので、連れて行きます。

「香港に行くなら、これもいいよん」
という本があれば、至急教えて下さい。
ただし、マニアックな希少本はやめてください。駅前の天一書房で買える本にしてね。

Posted by: きみ駒 | September 16, 2004 at 20:24

>きみ駒さん
▽・w・▽こんばんわんこ
げっ!香港にいくのっ?
いいな〜〜〜〜〜〜〜
来週の19日〜23日あたり、旅行に行く人、多いのね〜

>「香港に行くなら、これもいいよん」という本があれば、至急教えて下さい。
『日の名残り』byカズオ・イシグロ ハヤカワepi文庫
イギリスの執事の物語です。
今、読んでいる途中ですが、上品でとてもいいです。
香港はもともとイギリス領ですからピッタリかと!
天一書房にあるかどうかは不明(笑)

『アンジェラの灰』byF・マコート 新潮文庫
これは『停電の夜に』と同じ新潮クレストシリーズが文庫化されたもの。
アイルランドの作家です。
泣けます。
これは普通の書店なら必ずあります。

『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』by江國香織 集英社文庫
江國作品にしては読み応えあります。
9人の女性が出てきて、きっと誰かしらには共感できると思います。

『闇の子供たち』by梁 石日 幻冬舎文庫
アジアにおける幼児売春と臓器売買をテーマに書いた作品。
ちょっとグロテスクかも。
でも、先日、カンボジアに旅行した人が行く前にこれを読んでおいて
色々考えさせられたっていってました。

う〜ん、とりあえず、こんな感じでどうでしょうか?
天一書房に4冊ともなかったら(笑)もしくはきみ駒さんの好みじゃなかったら、
また考えますから遠慮なくいってください。

香港、気をつけていってらっしゃ〜い(* ̄▽ ̄)ノ~~

Posted by: LIN | September 16, 2004 at 21:06

うわ。ありがとうー。
仕事帰りに天一書房で見たら、4冊ともちゃんとありました。
天一書房、大きいんだってば。

で、とりあえず一番上の「日の名残り」を購入。
「停電の夜に」と共に、香港行き決定。

立ち読みしてきたんだけどね。
「アンジェラ」ううむ、なんかめっちゃ貧困。「ああもう、勘弁したって」って感じだった。泣くの?ほほう。
江國、この本ブックオフで売ってたなぁ。今度買いに行こ。(すんません)
「闇の子供たち」、つい「うわ」って何ページも読んでもた。酷い世界や。今度読みます。

Posted by: きみ駒 | September 17, 2004 at 22:20

>きみ駒さん
おおっ!お役に立てたみたいで嬉しいです。

>天一書房、大きいんだってば。
ごめ〜ん。
ネーミングからして街の小さな書店を想像してた^^;
うひゃっ!天一書房、HPまであるぢゃないかっ!
きみ駒さんが住んでいるあたりは有燐堂が結構、有名じゃない?

香港の写真、Blogにアップしてね〜
楽しみにしてます♪

Posted by: LIN | September 18, 2004 at 10:02

遅ればせながら読みました。
「セクシー」の中で描かれるマッパリウムの描写は
自分がそこに立っているような現実味ある美しさと
二人の甘い緊張感が伝わってきて
すごくいいなーと思いました。
腕前すごいと思った次第です。

Posted by: るちあ | June 19, 2005 at 01:52

>るちあさん
マッパリウム、行ってみたいですよねー。
愛・地球博あたりにありそうですが(^^;

ジュンパ・ラヒリは日常を淡々と描く中に
人生の切なさをそっと入れるのがうまいですよね。
ただ、ブックカバーの写真ほど美人じゃないという
噂も…(笑)
『その名にちなんで』も読もう読もうと思いつつ
まだ読んでないや。
るちあさん、読まれました?

Posted by: LIN | June 19, 2005 at 10:49

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