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January 19, 2005

『家族狩り』by天童荒太

幻世(まぼろよ)の祈り―家族狩り〈第1部〉
天童 荒太

新潮社 2004-01
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息子の家庭内暴力に悩んでいた家族が、全員、異様な死体姿で発見される。
いったい誰が、そしてなぜ・・・

家庭内暴力、引きこもり、介護・・・家族内における様々な問題を取り上げており、
またそれに付随する社会問題についても考えさせられる。
重いテーマなので読むのに時間がかかるだろうという予想に反し、
テンポよくあっという間に読み終えた。

最近、増えている特異な犯罪。
あまりに多すぎて、どれがどれだかわからなくなってしまうほどだ。
いったい、誰が悪いのだろう?
本人?家族?学校?社会?

この作品の中で息子に暴力をふるっていた父親がいう。
「或る民族が、長いあいだ迫害を受けて、大量虐殺って悲劇も経験した。
結果、その民族が慈悲深くなったと思うか?
違うね。別の民族を迫害するようになるんだ。それが現実さ。」

別の登場人物がこうもいう。
・・・それでも、たとえば傷ついている身近な誰かのために、
わが身や時間を削って何かしら行動することが、遠い人のためにも
つながってゆかないかと、夢想のように考える。

私もそんな幸福の連鎖があると信じている。
誰もが一日一度、誰かに優しくしたら、世界は幸福になるのではないかと思う私は
甘いだろうか・・・

<追記>
単行本でお読みになった方も、文庫本版はまた別のストーリーになっているようですので
楽しめると思います。

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Comments

初めまして。富田といいます。
私自身は、とある編集プロダクションで働いているのですが、
今度、出版社の友人が歴史や伝説に関する新しい雑誌を
出すそうなんです。
今、その雑誌に協力してくれるモニターを募集しているというメールが来ています。

こちらのホームページを見つけて、テーマに近いかもと思ってメールしました。
もし良かったら、モニターとかいかがですか・・?
特に細かい条件とかはないみたいです。メール頂ければ、
詳しいお話しをご連絡します。お待ちしてますー。

富田美咲
misaki@writeup-ec.jp

Posted by: 富田美咲 | January 19, 2005 at 14:36

 以前自分の所にも書いたのですが、生きていく上での大原則は「自己保存」と「子孫繁栄」で、問題なのは、どこまでを「自己(の仲間)」と捉えられるかですね。

 例えば、世界に二つの家族しかなければ、その二つの家族は憎み合うだろうし、二つの村しかなければ村どうし争いあう。二つの国しかなければ戦争するだろう。
 そのように私は思うのです。
 それは、自分の家族・村・国以外のものを「他者」と捉えてしまうから。

 だから、僕は「世界平和」なんてものは、「世界の外」から他者が接触してきた時、つまり宇宙人が現れた時にしか実現しないと思うのです。

Posted by: LSTY | January 19, 2005 at 15:39

「家族狩り」読み始めたんですね。
前にも書いたような気がするんですが、凄いとは思えるけれど、思い入れがないんですよね。
本も読みやすいし。
凄いという気持ちと好みって別なんだなぁって思わされた1冊でもあるかもと思いました。
5冊読み終わった感想が楽しみです。

Posted by: まき | January 19, 2005 at 21:49

バタン♪Ю―(^ω^ )オジャマシマース

お!LINさん1部読み終わったのね!
息子に暴力をふるっていた父親のセリフ、
なんだか学校のいじめの話にも通じる感じがするなぁ。

この感想文見たら、おいらも読みたくなっちゃった(ほら、間違えて2部だけ読んじゃったから。へへ)
今、予想以上に権造に手がかかってるので(メンテナンス必要らしい)、来月あたり全部揃えて読んでみようかしらん☆と、改めて思うおいらなのでした。

あ!そうそう。
おいらも「幸福の連鎖」思いっきり信じてるよ!!

Posted by: ponsuke | January 19, 2005 at 22:52

>富田美咲さん
お誘いありがとうございます。
確かに歴史に興味はあるのですが、モニターとかに興味がなくて・・・(^^;
すみません。

Posted by: LIN | January 20, 2005 at 07:53

>LSTYさん
子供を虐待する親は「子孫繁栄」より「自己保存」が
強いって事なんでしょうか。

世界平和については私なりにもっと考察していきたいと
思っています。

Posted by: LIN | January 20, 2005 at 08:36

>まきさん
>5冊読み終わった感想が楽しみです。
えーと、実は読み終わったの(^^;
まきさんがいっている事、ちょっとわかる気がします。
確かに読みやすいのだけれど、家庭内暴力への問題提起にはなってないし
現実にこの問題に対面している人が読んだらどう思うのかなあ
と、気になりました。
あまりにたくさんの家族が出すぎていて、個々の問題が
薄まっているような気もします。

Posted by: LIN | January 20, 2005 at 08:53

>ponちゃん
>LINさん1部読み終わったのね!
いや、実は全部、読み終わったの(^^;
読み出すと早いよ、この本。
ponちゃんも是非~。

>おいらも「幸福の連鎖」思いっきり信じてるよ!!
ぽ、ぽんちゃん♪ダキ♪(●´Д`人´Д`●)ギュッ♪
よしっ!権造とぴーこで平和の歌を奏でよう!
ギーコー、ギーコー(←権造の音)
ε=ε=ε=ε=┏(; ̄▽ ̄)┛ にげろ!

Posted by: LIN | January 20, 2005 at 09:03

遡ってコメントしちゃってすいません。
天童さんの作品ってすごくエグくて弱ってる時とっても心に痛いんだけど、それだけじゃなく何かしらに救われてたりするんだよね…
テーマが重いから周囲には敬遠されがちな作家さんなんだけど、いろんな人に読んで欲しい〜って思っちゃいますね。

Posted by: berangkat8 | August 22, 2005 at 02:21

>berangkat8さん
>遡ってコメントしちゃってすいません。
いえいえ、遡りコメント大歓迎です。
私、天童さんはこれしか読んでいないんです。
『永遠の仔』が積んであるんですがまだ未読で…(^^;
『家族狩り』は当時、すごくおもしろく読んだ記憶が
あるのですが、内容を忘れてるという…ぎゃっ!
おもしろい本と記憶に残る本はまた違うのかも
しれません。

Posted by: LIN | August 22, 2005 at 13:44

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