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January 13, 2005

『ダ・ヴィンチ・コードの真実』byダン・バーンスタイン

ダ・ヴィンチ・コードの「真実」

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『ダ・ヴィンチ・コード』に関する様々な文献やインタビューが掲載されている。
しかしあまりに多くの説があるため、ますます頭がこんがらかりましたヽ(´ ▽`)ノ
その中でも気になった記述をいくつかご紹介します。

<レオナルド・ダ・ヴィンチ>
レオナルド・ダ・ヴィンチはホモセクシャルでヨハネに傾倒していて教会に反発していた。
「最後の晩餐」は依頼された宗教画に異端のイメージを書きこんで楽しんでいたようでもあるが
イエスの隣がマグダラのマリアという事はありえない。
なぜなら、そうなるとヨハネはどこにいるのかという事になるので。
その一方で、「最後の晩餐」の保存状態は悪く、基本的構図以外は
原型をとどめていないという説もある。

<岩窟の聖母>
同じくレオナルド・ダ・ヴィンチの作品に「岩窟の聖母」がある。
ところが、これはルーブル美術館版とロンドンナショナルギャラリー版がある。

gankutu1

マリア(中央)が抱きかかえている幼子(左)がイエスであるはずだが、
この絵では右端の幼子ヨハネが祝福を与えている。
しかし祝福を与えているのはイエスであるべきなので、美術史家たちは
わけあってマリアとヨハネを一緒に描いたとしている。
しかし、これはやはりマリアといるのがイエスで、ダ・ヴィンチが
洗礼者ヨハネがイエスよりも上位にあることを示したといわれている。
他にもマリアの左手やウリエル(右から2番目)の指が何を意味しているのかも謎。
ロンドンナショナルギャラリー版↓ではこのような異端的要素はすべて除かれている。
gankutu2

<ナグ・ハマディ文書>
1945年、エジプトのナグ・ハマディ近郊で発見されたグノーシス主義福音書によって
初期キリスト教について様々な事が明らかになった。
教会や司祭の必要性をあまり感じていなかったグノーシス主義者は
「教会がすべて」と主張するローマ教会によって異端とされる。

<マグダラのマリア>
当時は生殖を自制するのは神への侮辱と考えられていたため
聖地の神官やラビは当然、結婚するものとされていた。
イエスがユダヤ人のラビなら、結婚していないのはきわめて異常なことだったはずである。
またイエスとマグダラのマリアは親しい関係であった。
それにもかかわらず、マグダラのマリアがイエスの妻であるという事を匂わせる文書が
まったく見つからないという事は
実はふたりが一般的な意味でのユダヤ人でなかったために
ユダヤ教会で式をあげられなかったという説が興味深かった。

様々な波紋をよんだ『ダ・ヴィンチ・コード』ではあるが、著者ダン・ブラウンの真の目的は
テロ以降、現政権が宗教右翼の支持を受けリベラルさを失っている事を憂い
ヨーロッパ史を見直すことによって、イエスの意思は男女平等主義であり
リベラリズムこそが本意であると主張する事にあるようだ。

ああ、くたびれた_| ̄|○

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Comments

 なんか文面から「面白くなかったビーム」が発せられてるんですが(笑)
 微妙な感じですね。
 死海文書の話は出てこなかったんですか?

Posted by: LSTY | January 13, 2005 at 14:55

>LSTYさん
「死海文書」の話は出てきてなかったです。
でも「死海文書」の事が気になってあれこれネットで調べていたら
エヴァンゲリオンとの関係について言及してあったり、
『クムラン』という本があったりおもしろそうです。
『クムラン』は読んでみようと思います。
調べるきっかけを与えてくださってありがとう。(^人^)

>「面白くなかったビーム」が発せられてるんですが
いやいや、そんな事ないですよ(笑)
ただ、一人の著者がずっと書いているわけじゃなくて
色々な人の論文がたくさん掲載されているという形なので
「で、結局、どうなの?」という謎が残るんです。
でも「最後の晩餐」のイエスの隣はマグダラのマリアであるという話は
違うみたい。
LSTYさんは『ダ・ヴィンチ・コード』読まれました?

Posted by: LIN | January 14, 2005 at 09:03

読みましたよ。で、キリスト教史に興味が湧いてきて、こんなことをまとめてみたり。

http://blog.goo.ne.jp/lsty/e/1a2057dd4d654297ea6ca4c1acd633df

Posted by: LSTY | January 14, 2005 at 13:16

LINさん、解説ありがとう。
やっぱり、その本では、イエスの左はヨハネなのですか・・。むぅ・・
「岩窟の聖母」の絵も、ダ・ヴィンチコードの方では、マリアのカギ爪の事とか、恐ろしげに書いてありましたが・・・でも、結局の所はナンか煙にまかれた感じですね・・。
あっ、最近、映画化関連で、この本のローズライン上にあるとされたロスリン礼拝堂(でしたっけ?違ってるかも。)が、そんな事実はない!とこの本を訴えてました。なんかいろいろもめてるようですね。映画化されると世間に広まるし・・ね。

Posted by: ワルツ | January 14, 2005 at 21:36

>LSTYさん
おおっ!こうやって別にネタ帳を作るのって便利ですね。
私もやろうかなあ。
『クムラン』Amazonに注文しました。
読了したら感想アップしますねσ( ^ー゜)

Posted by: LIN | January 15, 2005 at 09:12

>ワルツさん
何かいろいろ書いてあったので、まとまりが悪くてすみません(^^;

>マリアのカギ爪の事とか・・・
あ、そうです、そうです。
この本でもマリアは左手でヨハネを威嚇していると書いてあります。
と同時に左手で見えない冠を頭に載せているしぐさであって
ウリエルの指はちょうどその首を横切っていて、幼子の一人が
首を斬られて死ぬという事を暗示しているんですって。
ヨハネって首を斬られて死んだんですか?
どちらにせよ、ダヴィンチはイエスよりヨハネを上に見ていたふしが
あるようです。

>ローズライン上にあるとされたロスリン礼拝堂
サンシュルピス教会ですね(*^^*)

>いろいろもめてるようですね。
ダン・ブラウンはしてやったりかもしれません。
彼は教皇庁に象徴される現在のキリスト教を批判することで
宗教右翼の支持を受けている現在のアメリカも批判しているようなので
より大きな騒ぎになって、みんながこの問題を考えてくれればいいと
思っているのじゃないかと、感じました。

Posted by: LIN | January 15, 2005 at 09:40

僕はキリストさんの教え自体は共感できるけどキリスト教的教え(あくまで「教的」)は大っキライだったんですよ。んで先日、ダヴィンチコードを読んでその気持が少しは納得できました。

なんちゅうか、中世の教会の方針でいろいろねじ曲げて解釈しちゃったのが原因らしいですね。現に関連書籍もこの点を多く指摘しています。そして不思議と境界擁護派の本って少ないですから、んまぁ真実なのかな。
本を材料に考えると、捏造は「あった」って感じですね。

もしそうなら、カミサマの記録をあとから改ざんするとは……それも聖職者が!「このバチあたり者めらがぁ~!」
って感じでしょうか。

ただ、キリスト教圏のヒトには凄いインパクトなんだろうけど、仏教圏に生きる僕にはまり強いインパクトは感じませんでしたけどね。

Posted by: ろぷ | March 19, 2005 at 04:44

>ろぷさん
私もキリスト教関連の本は読み続けているのですが
『キリスト教暗黒の裏面史』という本はおもしろかったです。
科学は異端ですからね。
女は魔女だし(笑)
異端審問の残虐さなどは、人間というのは本来、残虐なのかもしれないと
考えさせられます。

Posted by: LIN | March 19, 2005 at 10:15

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