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May 06, 2005

『壁』by安部公房


安部 公房

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ひさしぶりの安部公房です。
昨年、『砂の女』『燃えつきた地図』『箱男』を読みましたが
この『壁』はさっぱり意味がわかりませんでした。
もう読むのが苦痛で苦痛で。
「安部公房コンプリートするぞ!」という決心も萎え気味です。

これといったストーリーはありません。
名前をなくした男の話『S・カルマ氏の犯罪』
影を盗まれてしまう詩人の話『バベルの塔の狸』
4つの短篇から成る『赤い繭』
の3部作です。

どの話からも、タイトルである「壁」は感じられませんでした。
あとがきでは、名前をなくした男ととゴーゴリ作『鼻』の鼻をなくした主人公が
似ていると書かれていますが、
もちろんゴーゴリの方が断然、よく書けています。

何かを主張したい気持ちはよくわかりますが、
読者に伝わらなければ意味がありません。
「わからない読者がバカなのだ」というのなら“作家などいなくなってしまえ!”です。

ちなみにこれは芥川賞受賞作品。
どうも私は芥川賞受賞作品は苦手だな…ぶつぶつ…

<関連記事>
『砂の女』by安部公房
『燃えつきた地図』by安部公房
『箱男』by安部公房

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Comments

>「わからない読者がバカなのだ」というのなら“作家などいなくなってしまえ!”です。

(笑)まさしく(笑)
LINさんに3000点。(え?ネタが古いって?)
エンターテイメントは観客が主人公だもんね。

んまぁ、絵画と同じように「印象派」のような手法もあるからなぁ……。いちがいに「ダメだ」とは言えませんけどね。それにヒトによって相性ってのもありますから。

ちなみに僕の場合は海外作品の日本語翻訳版がダメです。それもモロ「翻訳でしか使わない言葉」の羅列になっちゃって、マトモな日本になってない本とか見てしまうとジンマシンが出ちゃいます。

ちなみに最近読んだ古書がそれでした。
(´~`ヾ) あぁ、カユ。

Posted by: ろぷ | May 06, 2005 at 15:51

いやしかし、分かる人がいれば良いわけで、、、

それはともかく聞いてくださいよ。
安部公房って、K.Abeで「カベ」ですよね。

それが言いたかったんです。では。

Posted by: LSTY | May 06, 2005 at 16:22

この短編集で一番すきなのは『赤い繭』であります。最高です。
安部公房は個人的には面白いと思うものと、
ややとっつきにくいものとがあります。
『砂の女』や『友達』は面白いと感じますが、
『第四間氷期』『燃えつきた地図』などは
ちょっと苦手です。
ちなみに、主張とか作品の意図などは、私は
まったく考えません。
「ポーっと光る、空っぽの赤い繭」というだけで、私は大好きです。
『壁』や安部公房は、カフカやサルトルなどとの
対比がよく言われますが、そんなことは気にせずに、
自分なりに読めばいいんだと思います。
だから私も、「空洞の赤い繭、うおおー」で
十分なのであります。お粗末。

Posted by: 多摩のいずみ | May 06, 2005 at 18:33

それから、幸田露伴なら、すぐに思い浮かぶのはやはり、
岩波版『露伴全集』全41巻、付録1巻、別巻上下、ですね。
ちょっと大きな図書館に行けばありますし、神保町あたりでも
1冊500円くらいから入手できると思います。

Posted by: 多摩のいずみ | May 06, 2005 at 22:16

あべこーぼー。
『箱男』が好きです。
昨日も、偶然職場で「箱男」の話題になって、
あの箱の中はわりと快適だったろう、という意見で一致しました。
繭とか箱とか壁とか好きです。よねkこの人。
あと砂漠と楕円。

Posted by: ne_san | May 07, 2005 at 04:59

>ろぷさん
ご賛同、ありがとうございま~す(*^^*)
いや、わかる人にはわかるのかもしれないけど
私はさっぱりでした(^^;
でもって、作家に「さあ、オマエにわかるか?これが!」って
いわれてるみたいでカチンときた(笑)

>海外作品の日本語翻訳版がダメです。
ああ、わかる!
翻訳がおかしいと何いってるかさっぱりわかりませんものね。
でも翻訳のうまい人の本はするする読めちゃいますよ~。
池内紀のカフカはオススメです。

Posted by: LIN | May 07, 2005 at 09:33

>LSTYさん
>分かる人がいれば良いわけで、、、
ううむ…(^^;
本に「これはアンタレベルじゃわかんないよ」的な
マークがついているといいですよね。
本の裏の解説もいかにもな文じゃなく
「『砂の女』が楽しめた人でもこれはちょっと難解!?」と
もっと実用的な解説にするとか(笑)

>K.Abeで「カベ」ですよね。
おおっ!
安部さんは箱フェチかと思ってたんですが
壁フェチなのか!?

Posted by: LIN | May 07, 2005 at 09:43

>多摩のいずみさん
私も『赤い繭』好きです♪
そしたら次の『洪水』がわからなくてきーっとなって(笑)
『魔法のチョーク』はよくわかったけど『事業』の鼠肉に
げっとなって(^^;

>空洞の赤い繭、うおおー
ああ、そういうことばとの出会いってありますよね。
わかります。

『露伴全集』のご紹介、ありがとうございます。
全41巻ですか!
ハードカバーだとそれを納める本棚が
ないです~(つД`)

Posted by: LIN | May 07, 2005 at 09:56

>ne_sanさん
私も『箱男』好き♪
機会があったらかぶりたいと思っているんですが
その大きさのダンボールがなかなか手に入らなくて(笑)

>あと砂漠と楕円。
この本の解説によれば『砂漠の思想』というエッセイが
あるらしいです。
そうか!
『砂の女』も砂漠ですものね。

『砂の女』『箱男』『燃えつきた地図』『壁』
自力か他力かの差はあれど、今までの自分を失う話ですよね。
失ってはじめて、自分の本質を見つけるって事なのかな。
うーむ(^^;

Posted by: LIN | May 07, 2005 at 10:05

>池内紀のカフカはオススメです。

↑w( ̄△ ̄;)wおおっ!びっくり。
そう、そうなんですよ!
いえね。僕も池内さんのカフカはむちゃくちゃ読みやすくて大好きなんです。読んだカフカ短編はほとんど池内さんで読んでおりますし。

それが。
なにを思ったか別の人に手を出しちゃったんですな。
それも『変身』。
もうぐっちゃんぐっちゃんでどういう場面を書いてるかすら読めなかったッスよ。
だって30年くらい前の本で古本屋で50円だったんだもんさ。思わず衝動買いしちゃったんですな。……んでもこれはさすがに失敗でした。

そういえばあべこーぼーさんもどこかカフカに通ずるものがあるような気がするッス。

Posted by: ろぷ | May 09, 2005 at 04:00

>ろぷさん
池内さんの『ファウスト』『神曲』もいいらしいですよ~
私も買ってはあるんですが積んだまま…(^^;

>それも『変身』。
私は高橋義孝さんという方の翻訳で読みましたが
特に違和感はなかったです。
翻訳に限らず、小説でも「なんじゃ、こりゃ」という日本語に
出会うことがあります。
でも、そういう本に限って評価が高かったりするので
私の日本語感覚がおかしいのかと最近、悩んでしまいます…

>カフカに通ずるものがあるような
この本の解説でも安部公房とカフカ、比較されてました。
解説者曰く「現実世界での存在権の喪失をさほど深刻には
悩んでいない」のが安部公房だそうです。
うーん、そうなんでしょうか?

Posted by: LIN | May 09, 2005 at 09:57

たしか、わたしたちが出会ったばかりのころの話ですが……うるわしきLivedoor時代……わたしがはじめてあなたに……

Posted by: この本を薦めたおぼえのあるひと | May 18, 2005 at 15:46

>この本を薦めたおぼえのあるひとさん
そう、あれは確か…夏…
『砂の女』へのコメントで6月8日ですよ。
この日をあなたと私の記念日にいたしましょう。

>うるわしきLivedoor時代
そういえばそんな名前の会社もありました。
あの頃はおもしろいブログがたくさんあったのに
最近「おおっ」というのがないですね。
そろそろブログも下火でしょうか。

Posted by: LIN | May 19, 2005 at 10:01

電波少年で箱男っていうコーナーが
ありましたが、元ネタは安部公房
だったのだろうなぁ、と箱男を読んで
そう思いました。

Posted by: ベル | May 19, 2005 at 20:15

>ベルさん
おお、電波少年、なつかし~。
といっても、そんなちゃんと見ていたわけじゃないけど。
いまやってる「黒バラ」は見てます。
ベルさんは見てますか?

>箱男
そんなコーナーあったかなと思ったけど
このサイト↓を見て「はいはい、あった、あった」と
思い出しました。
http://www.ntv.co.jp/denpa/hako/

そういえばチューヤン、香港に帰っちゃったんですよね。

Posted by: LIN | May 20, 2005 at 09:59

  こんばんは、おかかです。お邪魔いたします。
 安部公房の本だーと思って、思わずコメントさせて頂いております。

 安部公房って、作品によって好き嫌いがあったりしますよね。『壁』とか『箱男』は読めたんですが、『水中都市・デンドロカカリヤ』(だったと思うのですが、手元にないのであやふやです)がどうも、わたしの性に合わなくて途中までしか読んでません(汗)。「闖入者」の主人公が可哀想すぎて……。

 「赤い繭」はわたしも好きです。あと、「詩人の生涯」も。
 絵的にきれいだなぁと思います。

それでは、失礼いたします。

Posted by: おかか | October 11, 2005 at 19:35

>おかかさん
コメントありがとうございます。
おかかさんも、安部公房、作品によって差がありますか。
私も『燃えつきた地図』『箱男』あたりを読んで
「全部、読むぞー」と思ったのですが
この『壁』でちょっとあれれという感じ。
考えてみたら、これ以来、安部公房、読んでないや。
>『水中都市・デンドロカカリヤ』
タイトルは私好み♪
今度、読んでみますね。

Posted by: LIN | October 12, 2005 at 12:47

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