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May 04, 2005

『帝都物語』by荒俣宏

teitomonogatari

帝都物語〈第壱番〉
荒俣 宏

角川書店 1995-05
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全6巻。
明治40年~昭和73年まで、帝都破壊をもくろむ魔人・加藤保憲と
それに立ち向かう人々を描く。

1&2巻
関東大震災と震災後の復興がメイン。
東京という土地と平将門との関わりや陰陽師についても詳しく書かれており
かなり私好み。
幸田露伴が重要な役どころとして出てくる。
彼の名は授業で習った程度で、東洋神秘学研究家だったとは全然、知らなかった。
これは著書をいろいろ読んでみなくてわ!

3&4巻
2.26事件から太平洋戦争まで。
5.15事件と2.26事件の違いもわからない私はかなり勉強になった。
しかし、何でもかんでもすべて加藤の仕業というあたりが
そろそろ鼻についてくる。
あの甘粕正彦まで加藤とお友達という設定にかなり無理が…

5&6巻
安保闘争、三島事件を経て未来の東京を描く。
三島が自害したいきさつのあたりはまあまあ何とか読み進む。
が、時代は昭和60年代へ。
東京では<自転車乗り(サイクラー)>たちが通行人を跳ね飛ばす。
三原山の爆発を機に避難民が東京に流入し、人口が急に膨れ上がる。
都は図書館、ホテル、高層ビルを避難民の住居として開放する。
そして国会議事堂までその対象に…
いや、もうムリ(笑)
前半と全然、違う話になってるから。
荒唐無稽すぎるから。
というわけで、5巻半ばで挫折。
残りはななめ読みしたのでした(^^;

それでも、この本が発表されたのが1985年。
ライトノベルや京極さんの作品に大きな影響を与えたのだろうなというのが
よくわかった。
映画では加藤役は嶋田久作さんが演じられたようですが、
いやいや、原作を読むともっとかっこいい男です。
悪役なのにほれてしまいそう。
それだけでも読んだ価値があったというものだ。わはは。

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Comments

出ましたね「帝都物語」。
私も前半と後半のギャップには泣かされました。
映画から入ったクチなので、後半にはついて行けなかったのです。
どんな話かも、既に忘却の彼方(笑)
読み直す気力もないですね(^^ゞ

Posted by: NARU | May 04, 2005 at 20:59

「帝都物語」懐かしいです。
中学生の頃か高校生の頃か1巻を読んだのですが、挫折。それ以降、手にとってないです。
後半は荒唐無稽になるんですね。
それはそれで、面白いのかなぁと思ったり・・・・・。

Posted by: まき | May 04, 2005 at 23:50

 懐かし〜です。
番外編(太平洋戦争編だったかな?)も含めて全巻読みましたが、「荒俣ワールド」にどっと疲れた(@_@)というのが第一印象でした。

 でも、LINさんの記事どおり、さすが荒俣先生。江戸以前から現代に至るまでの東京の博学ぶりにも(@_@)で、何度か美味しいところだけを「つまみ読み返し」しました。
 同業者への影響も大きかったのでほうね。

 荒俣宏氏の帝都物語での東京へのこだわりには、押井守監督のアニメ映画での東京への偏愛(悪い意味ではなく)に近いものを感じます。
 フツーではない、東京の魅力満載です。
「とにかく疲れてみたい!」というパワーとエネルギーに満ちあふれた方にオススメですね。

 映画は2作作られ、嶋田久作氏はオーディションで選ばれた、映像デビュー作だったような・・・。
加藤役にハマってだけに、残念でした。いや、「残念」とは個人的感想。
 あの濃い小説を、例えひとつの巻だけでも映画にするのは、やはり厳しかったのでしょう。
レンタルがあったら、も一度見て見たい気もします。

 それにしても%

Posted by: Yossy-Mitty | May 05, 2005 at 00:48

「影響を与えた」ってよりも、良くも悪くもすごい衝撃を撒き散らした作品だからなぁ、あれだけパワーがあれば、モノを書く人ならいやでも染まっちゃうんだろうなぁ。

「映画⇒小説」はともかく「小説⇒映画」はよっぽどすっきりした話の小説じゃない限りは無理でしょうな。しかもこんなすごい作品だし。
んでも映像版の加藤もカッコ良かったですけどね。あの役は恐らく嶋田さん以外はムリじゃないかな。

「映画は別の話だ」と割り切って考えるとよく出来てると思いますけどね。

Posted by: ろぷ | May 05, 2005 at 08:03

>NARUさん
おおっ、NARUさんは映画をご覧になったのですね。
公開当時、かなり話題になりましたよね。
でも、私は見てないんです。
そもそも生まれてこのかた、映画館で映画を見たのは
20本くらいじゃないか?私?(^^;
ところで「カラの皿みんなで首垂れ猫だまり」
俳句もいいし、写真も(o^-')b グッ!ですね。

Posted by: LIN | May 05, 2005 at 09:42

>まきさん
いやあ、長かったです、『帝都物語』。
前半は歴史にある程度そって書かれているのですが
後半は出版当時より先の日本を書いているので
SFっぽいというのか何というのか…
まきさんも、機会があったら読んでみてくださいね♪

Posted by: LIN | May 05, 2005 at 10:13

>Yossy-Mittyさん
おおっ!全巻、お読みになったのですね。

>当時は、シリーズ全11巻(くらい)
そうそう、そうなんですよね。
でも、文庫本の3巻は、単行本の『5.魔王編』と
『11.戦争編』をつなげてたりするんですよ~。
読んでいても不自然さは感じないのですが
当時は後から出版されたものなんですねえ。

荒俣氏の博学ぶりはすごいですよね。
前半はこれでもか、これでもかというウンチクぶりなのに
後半はそれがなくなっちゃうのが何とも残念。

>嶋田久作氏
私も原作を読むまでは、雰囲気あるなあと思ってたんです。
(ちなみに映画は観てませんが・・・汗)
でも、原作だと、加藤はもっとかっこいいと思うんですよ。
悪役なのに、思わずうっとりする場面もありました。
なぜか私の脳内では加藤=京極夏彦になっちゃってます(笑)

追伸
記事削除の件、了解です( ̄- ̄)ゞ

Posted by: LIN | May 05, 2005 at 10:29

>ろぷさん
おおっ!ろぷさんも読んでおられましたか!
おお!~~~(/ ̄▽)/\(▽ ̄\)~~~仲間じゃぁ♪
小説の映画化はホントむずかしいですよねえ。
頭の中で読者それぞれのイメージがあるからねえ。
でも「姑獲鳥の夏」は期待できるんじゃない?
うわっ!GWに豆本つきの鑑賞券なんて売ってたんだ。
くっ!ほしかった。

>映像版の加藤もカッコ良かった
え?そうなの?そうなの?
じゃ、レンタルして見てみようかなあ。
今、私の脳内では加藤=京極夏彦なんだけどね(笑)

Posted by: LIN | May 05, 2005 at 10:36

皆さんと同じく、「なつかし~」です。

アリャマタさんは、この作品でもうけた何億かのお金を、
ぜ~んぶ、書籍購入に費やした、と聞きました。
さすが、妖怪アリャマタコリャマタ(水木しげる公認)。

荒俣さん、本もどんどん出してるし、テレビもしょっちゅう出てきますが、
たぶんそれもすべて本を買う金を集めるため。
自分の本を出すよりも、おもろい本をコレクションすることのほうが、
この人にとっては重要なんだと思います。
こんな人、ほかにいないです(笑)

幸田露伴は、「幻談」「土偶木偶」「鑑画談」そして「新浦島」といった作品が、神仙味あふれる傑作です。
エッセイもすごくて「魔法修行者」が面白いです。

映画・帝都の監督・実相寺昭雄については、近いうち、記事を書く予定です。
嶋田久作は、べつな実相寺作品では、明智小五郎をやってて、これがなかなか秀逸です★

Posted by: overQ | May 05, 2005 at 18:07

こんばんは。
『帝都物語』、ずっと気になりながら未読であります。
映画は個人的にとても好きですね。実相寺監督は、昔から
大好きですし。
>幸田露伴
露伴は昔から憧れの作家です。通信技師の仕事を捨てて、
独学で文学を勉強し、小説だけでなく、歴史や東洋哲学も研究し、
膨大な研究成果を残した巨人ですから。
あの骨太の文章は、とっつきにくいですが感動的です。

Posted by: 多摩のいずみ | May 06, 2005 at 01:19

>overQさん
>何億かのお金を、ぜ~んぶ、書籍購入に費やした
ひえ~、ホントですか!?
でも、そんな人生がちょっぴりうらやましい(笑)
一度、荒俣氏の書庫を拝見したいものです。
overQさん、これ、ごぞんじでした?
http://www.japanknowledge.com/guest/login/aramata/anh/index.html
もしかすると私がoverQさんに教わったのかも( ̄┰ ̄*)ゞ

>幸田露伴
おおっ!いろいろ教えていただきありがとうございます♪
参考にします。
(*゜ロ゜)ハッ!!まさか例によってまた絶版でわ?(笑)

実相寺監督の記事、楽しみにしております。

Posted by: LIN | May 06, 2005 at 09:49

>多摩のいずみさん
『帝都物語』は明治以降の日本の歴史がよくわかって
おもしろかったです♪
石原莞爾や北一輝も出てきます。
当時、日本が太平洋戦争にいたってしまった過程を
明治時代まで遡って考えてみることは大事だと
考えさせられました。

>幸田露伴
お恥ずかしながら読んだことないんです…
でも、東洋神秘学研究家と知ってがぜん
興味がわいてきました。
いろいろ読んでみようと思ってます。

Posted by: LIN | May 06, 2005 at 10:49

LINさん、こんにちは!
やっぱりこの作品は最初の1巻2巻が一番面白いですよね。
というかこの作品、明治時代という舞台にこれだけ良く合ってるのに
ずんずん時代が進んでいってしまうのが勿体無く感じられちゃいました。
後半、斜読みだったっていうの、すごく分かります!
三島の辺りは、結構好きだったんですけどねー。
何もあそこまで行っちゃわなくても。って感じで。(笑)

という私も映画は観てないんです。
この本を読んだ時に観てみたくなって、近所のレンタルビデオ屋に行ったんですが
実写版もアニメ版もないって言われちゃいました(^^;。

>加藤=京極夏彦
加藤には、濃い目の顔が似合いますよね。あっさり系じゃちょっと…
って、そういう話ではない? 失礼しました。(^^ゞ

Posted by: 四季 | May 08, 2005 at 06:52

>四季さん
>最初の1巻2巻が一番面白いですよね。
四季さんもそう思います?
おお!~~~(/ ̄▽)/\(▽ ̄\)~~~仲間じゃぁ♪
ね、ね、あのトーンのまま、いってほしかったですよね。

>実写版もアニメ版もない
だいぶ前の作品ですものねえ。
私も観たいと思っていたんですが、ウチの近所も
ないかなあ。
これはDVDを買うしかない?!

>加藤=京極夏彦
これは、陰陽師つながりなの(^^;
京極さん、黒装束の印象が強いので。
背も高いし。
四季さんは誰がいいですか?

Posted by: LIN | May 08, 2005 at 09:46

横から乱入だけど。

>加藤=京極夏彦

す、すっごくわかるかもしれないぃ~♪
たしかにたしかに。京極さんってかなりダークなイメージですもんねぇ。
もうちょっとマッチョっぽい雰囲気をプラスすれば立派に加藤役を張れそうですな。

……あ、でも『禁断の京極本』こと、『どすこい。』の雰囲気だと話が台無しですけどね(笑)。

僕は、そうだなぁ~……
今は立派なハリウッドスターのケン・ワタナベ氏にお願いしたいなぁ。
あの目力(読み:メジカラ)で東京なんかぶっ潰しちゃえ♪ って感じで。

Posted by: ろぷ | June 01, 2005 at 18:34

>ろぷさん
ね、ね、京極さんの加藤ってありだよねー。
『どすこい』は未読なんですよー。
でもおもしろそうだから絶対、読みたいです。

>ケン・ワタナベ氏
今までのイメージだと正義の味方っぽいですが
今回、バットマンで悪役ですからね。
これからますます役者として幅が広がるのでは
ないでしょうか。

『戦国自衛隊』も新しく映画化されることだし
『帝都物語』もキャスト一新で映画化してくれないですかね~

Posted by: LIN | June 02, 2005 at 11:26

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