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July 09, 2005

『日本奥地紀行』byイザベラ・バード

4582763294日本奥地紀行
イザベラ バード Isabella L. Bird 高梨 健吉

平凡社 2000-02
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明治初期、一人の英国婦人が東北・北海道を旅した紀行文。
移動手段は人力車、馬、徒歩!
未開の地が好きな著者は街道を通らずにわざと困難な道を選ぶ。
主なルートは
日光→会津若松→新潟→米沢→山形→横手→秋田
→大舘→弘前→青森→函館→室蘭→苫小牧
そして帰りは函館から横浜へ船で。

蚤だらけの宿や雨で増水した川にもめげず
イザベラ女史は冷静な目で、日本の農村を観察する。
「世界中で日本ほど婦人が危険にも不作法な目にもあわず
まったく安全に旅行できる国はない」といい
英国人と違い日本人は子供をよくかわいがるとほめる。
一方で、不潔さからくる皮膚病にかかる人々の様子や
農村の悲惨な暮らしも伝えている。

当時47才だった著者はその後もマレー半島、ペルシャ、朝鮮と
精力的に旅をする。
最後の旅は亡くなる3年前、70才の時のモロッコ旅行だった。
その溌剌さを見習いたいものだ。

ちょっと翻訳がうまくないような気がした。
この本については宮本常一が『イザベラ・バードの“日本奥地紀行”を読む』
という本を書いている。
こちらもいずれ読みたいと思う。

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Comments

中島京子さんの『イトウの恋』で描かれていたI.B.というヴィクトリア朝時代のイギリス人女性がイザベラ・バードをモデルにしていたのだということに今気づきました。
あちらは同行した通訳者の伊藤亀吉という人の目を通した小説になっていますが、そのあたりは書かれていましたか?

Posted by: uota | July 09, 2005 at 21:30

>uotaさん
おおっ!
『イトウの恋』というタイトルは知っていましたが
そういう本だったとは!
これは絶対、読みたいと思います。
伊藤の事はこの本によく出てきます。
イザベラは「うわまえをはねた」とかぶつぶついっていますが
英語の覚えもよく、旅が終わり、イザベラと別れる際も
寂しそうでむしろイザベラ女史の方がさばさばしてます(笑)
機会があったら是非、お読みになってみてください。

Posted by: LIN | July 09, 2005 at 21:54

『日本奥地紀行』、未読です。
バードについても、他の人が語るのを読んでなんとなく知ってるくらいで…。

>世界中で日本ほど婦人が危険にも不作法な目にもあわず
まったく安全に旅行できる国はない

これは現在にいたるまでそうですねー。

ちなみに、多和田葉子の『球形時間』にはイザベラ・バード本人が登場します(笑)

Posted by: Mlle.C | July 10, 2005 at 20:22

>Mlle.Cさん
Mlle.Cさんももうすぐ旅に行かれるのですよね。
あの記事を拝見して、イザベラ・バードのようだと
その勇敢さに感服しました。
楽しんできてくださいね。

日本ってホント、安全で平和な国だよねー。
overQさんがホワイトバンドにからめてシエラレオネについて
書いていらしたのを読んでつくづくそう思いました。

>『球形時間』にはイザベラ・バード本人が登場します。
それは嬉しい発見です!
是非、読んでみたいと思います。
Mlle.Cさんも旅に行かれる前に『日本奥地紀行』を
是非!

Posted by: LIN | July 11, 2005 at 11:24

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