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July 01, 2005

『光の帝国-常野物語-』by恩田陸

4087472426光の帝国―常野物語
恩田 陸

集英社 2000-09
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“常野”をキーワードにつながった連作短篇集。
恩田さんの小説は『三月は深き紅の淵を』に続きまだ2作目だが
こういう短篇をいずれ長編につなげていくパターンなのかな?

読み終えて、まず感じたのが
「大きな引き出し」「二つの茶碗」のようなほのぼのした話と
「オセロ・ゲーム」「光の帝国」のような一変して緊迫した話との
トーンの差による違和感。
まあ、好みの問題ですが、常野の人々の淡々とした暮らしを描くだけでも
よかったような気がする。

そして相変わらず、物語はうまいと思うのだけれど
何かが欠けている感じが拭い去れない。
あまりにテンポよくビジュアルが浮かぶので映画的というか漫画的というか
ライトノベル的というか。
私は小説というのはストーリーでなく、読んでいる時に
ふわっと立ち上がってくる何かだと思うのだ。
小説の情景の事をいっているのではない。
余韻のようなものだろうか。
流れのスムーズなストーリーはその余韻の邪魔をするのかもしれない。

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Comments

こんにちは!恩田陸さんの本、大好きなんですけど、一番最初に読んだのがこの「光の帝国〜常野物語」なんです。不思議な力をもった常野の人達に妙に惹かれてしまい、それ以来恩田ワールドにはまってしまいました。”常野”の人々の最新作「蒲公英草紙—常野物語」文庫になるのが待てずに購入してしまいました(苦笑)

Posted by: berangkat8 | July 01, 2005 at 17:41

>berangkat8さん
おはようございます~~~ヾ(^∇^)
『蒲公英草紙』大人気ですよね。
私も『蒲公英草紙』読みたさに、この『光の帝国』を
今回、読んでみたのですが、ちょっとはまれなくて…(^^;
でも常野の人々は魅力的だと思います。

Posted by: LIN | July 02, 2005 at 08:16

何かが欠けているというのはよくわかります。
何が欠けているのか私も説明できないんですが・・・。
でもその物足りなさをいつも感じるので、
いまの恩田陸のもてはやされぶりを不思議に感じてしまいます。
いいことはいいんだけどはまるほどではないなあ。

Posted by: moon | July 02, 2005 at 09:40

LINさん、こんにちは。
私も恩田さんには、ずっとはまれなかったんですが、彼女の「小説以外」を読んで何となく納得しました。
彼女が告白してるところの「自分が読書大好き人間」として読み続けるうちに、百科事典の様に蓄えられたもの・・・すごい量のいろんな人のおいしい所。それが、知らず知らずのうちに彼女の小説のモチーフとして流れている様に感じました。
オリジナリティーを持つというのは音楽(作曲)の世界とかでもすごく困難になりつつありますね。悪い意味じゃないけど、「マネ」のような・・。
肩の力を抜いて読めば、「光の帝国」・・「あ~面白かった・・と。でも、私にとってこの連作小説は、萩尾望都さんの漫画「ポーの一族」を思い出す、懐かしいモノというとらえ方をしています。
それと、恩田さんの小説は、地方の進学高校の生活が鮮明(?)に描かれてて、(彼女がそうであったようです。)その時代の自分に共感を持って読めたり、胸がキュン(笑)となったりするという・・という楽しみ・懐かしさもあります。
(長くなってしまいました。すみません。(^_^;)

Posted by: ワルツ | July 02, 2005 at 10:02

>moonさん
>何かが欠けているというのはよくわかります。
moonさんもわかっていただけますか!
おお!~~~(/ ̄▽)/\(▽ ̄\)~~~仲間じゃぁ♪
そうなんですよ。
私もその足りない何かについては説明できないんです。
でも恩田陸さん、人気ですよね~。
何が足りないかは引き続き考えてみるつもりです。
答えが見つかったら記事にしますね♪

Posted by: LIN | July 02, 2005 at 15:53

>ワルツさん
大人気の恩田さんを否定するような事を書いてしまって
内心ドキドキだったのですがワルツさんも同じように
感じていらっしゃったみたいでうれしー♪
♪ダキ♪(●´Д`人´Д`●)ギュッ♪

>すごい量のいろんな人のおいしい所。
そうか!
ワルツさんの説明を読んで納得です。
恩田さんの本を読んでも恩田さんが見えてこないんですよね。
魂がないというか。

『ポーの一族』はワルツさんがこの本と似ていると
書いてらしたから読んでみたいんですよね~。
近いうちに読んでみますね。

>地方の進学高校の生活が鮮明(?)に描かれてて
確かワルツさんの学校も“夜のピクニック”があったんですよね。
私、そんな行事は初耳だったので、すごい話だなあと思っていたのに
なんと実在する行事だったのね(^^;
夜にピクニックなんてドキドキしますね。
好きな男の子と並んで歩いたりするのでしょうか?
『夜のピクニック』も文庫化されたら読んでみたいです。

Posted by: LIN | July 02, 2005 at 16:05

おっと!光の帝国だ!
お読みになられたのですね。
ようこそ~常野へ~^^
LINさんがおっしゃられる“何かが足りない”
これ、私もよくわかります。
でね。恐ろしいことに(って、恐ろしくはないのですが・笑)
この足りない何かは、ずっと続くんですよ。爆
良い映画には、パズルのピースがひとつかけている。と言われますが、
恩田さんの作品は、まさに、映画的ですね。
でも、まだまだ。良い映画までにはいかなかったり・・・それとも違う。
光の帝国は、初期作品なこともあり、雑な部分が目立ちますが、それでも尚、読ませる力はすごいなぁと感じました。

Posted by: pico | July 03, 2005 at 03:53

>picoさん
live8いかがでしたか?
私もpicoさんの記事を拝見して見てみようと思ったのですが
フジテレビCSに加入してなかった_| ̄|○
ウゴウゴルーガの再放送もやってるんですね。
ちょっと見たい気も…

>足りない何かは、ずっと続くんですよ。
ええっ!そうなんですか?
もしかして恩田さんの戦略?(・∀・;)
何かね昔話っぽいというか童話っぽいというか
ぐっと来るものがないんですよー。
男性があまり読んでいないのというのも関係あるのでしょうか?

>読ませる力はすごいなぁと感じました。
そうそう、そこはすごい。
ついつい、読んじゃうんですよね。

Posted by: LIN | July 03, 2005 at 09:16

ふふふ、やっぱりLINさんは辛口だった♪
そう、いいお話なんですけど、何かが足りない。私は「常野」よりは「三月」のシリーズのほうが好きなんですが、こちらもやっぱり何か足りないですね。雰囲気を作るのは上手いんだけどなぁ。でもなんだかんだ言って恩田陸は好きなんですが(笑)。ちなみに「三月~」を読んだオットは「これは何?破綻してるな」と言っていました。

Posted by: せいこ | July 05, 2005 at 02:44

>せいこさん
わはは。また辛口で書いちゃいました(^^;

>いいお話なんですけど、何かが足りない。
せいこさんもそう思われました?
話が短いせいかなとも考えたんですが
数ページの短篇でもずしーんと心に残る作品は
たくさんありますしね。
物語の発想はいいのになあ。おしいなあ。
でも、私もせいこさん同様、引き続き読んでしまいそうな
作家さんではありますが。

>「これは何?破綻してるな」
わはは、おもしろ~い。
男性に読ませるとそういう感想になるんですね。
ブログをあちこち見ても、男性が恩田陸を読んだ感想って
見当たらないんですよね。
ワルツさん曰く『蒲公英草紙』は少女漫画の世界だそうなので
恩田陸は女性だけが堪能できる世界なのかもしれません。

Posted by: LIN | July 05, 2005 at 10:20

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