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July 29, 2005

“爆笑問題のススメ”に京極さんが出演しました

kyogoku

日本テレビ“爆笑問題のススメ”に
京極夏彦さんが出演しました。
以前、NHKスタジオパークに出演された時よりごきげんいいみたい。
登場人物や風景を読者が自由にイメージできるように、
あまり詳しく書かないというような事をおっしゃってました。

●読書日記
カミュの『ペスト』を読書中。
4、5ページで眠くなるうえ、なぜか前回、読んだ分を憶えてなくて
何ページかもどるため、三歩進んで二歩下がる~♪状態です(^^;
松尾スズキの『ギリギリデイズ』が思ったほどおもしろくなくて
途中で投げる…

●本日のAmazon発注
『スモールトーク』by絲山秋子
自動車評論家である徳大寺さんとの対談が掲載されているようなので。

『麦ふみクーツェ』byいしいしんじ
文庫化されました。
下のリンク先は単行本のものなのでご注意ください。

『コカイン・ナイト』byJ.G.バラード
ニュー・ウェーブSF?
思弁小説(スペキュラティブ・フィクション)?

『エラリー・クイーンの国際事件簿』byエラリー・クイーン
世界各国で実際に起きた犯罪をエラリーが取材し推理した。
日本は帝銀事件が取り上げられている。

『マダム小林の優雅な生活』by小林聡美
『マダムだもの』がおもしろかったので。

『定本 物語消費論』by大塚英志
笙野頼子さんが『徹底抗戦 文士の森』で戦っている相手。
両方のいいぶんを読んでみなくちゃダメだろうって事で。

スモールトーク麦ふみクーツェコカイン・ナイトマダム小林の優雅な生活定本 物語消費論

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July 27, 2005

『現代小説のレッスン』by石川忠司

406149791X現代小説のレッスン
石川 忠司

講談社 2005-06-17
売り上げランキング : 5,767

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現代小説を「エンタテイメント化」という切り口で分析。
ことばが難解なせいか今ひとつよくわからず。
気になった箇所をメモします。

物語がはなし言葉であった頃は、声質や響きによって広がりがあった。

活字(小説)という形になった時、ストーリーだけでは足りなくなった。

「内言」「描写」「思弁的考察」が必要とされた。

しかしそれらはかったるくもある。

そのかったるさを見事消去した上で作中に存在せしめるのが
純文学のエンタテイメント化である。
※「描写」「思弁的考察」をごっそり削り取りスカスカにしたエンタテイメント小説とは違う

★村上龍
「描写」をエンタテイメント化
アクションとは多様にピントの合わされた多角的なショットの不連続的で
飛躍的な連続によってできているのだと正確に理解している。
ただし村上龍が「告白」しようとすると全部、説教になる。

★保坂和志
「思弁的考察」をエンタテイメント化
かつて物語を介して確認しあっていた共同性は
長編小説の孤独に取って代わられた。
保坂和志は小説の中でためらい、停滞、脱線、逸脱することで
「思弁的考察」の共同性をめざしている。

★村上春樹
戦後、目指した社会状態が「文学とは縁のないところで」「実現してしまっ」て
しかも新たな問題にかかわる「使命というもの」も「まだ見つからない」。
新しい使命が見つからなければ、使命の実現にともなう困難も悩みも
挫折もない。
こうして次第に純文学は、たんなる楽しみを追求する大衆文学に
道を譲るのだろう…

そんな時代に村上春樹の小説は別に何も失ったわけでもない「喪失感」
別に何を目指したわけでもない「挫折感」など
具体的な原因を欠く純粋なメランコリーを見事に形象化した。

★『ねじまき鳥クロニクル』
爆発的に人口が増えた現代、必然的に一人頭の魂の量は
希薄になった。
この「運命的に過密化された」現状を、
スタニスワフ・レムのように徹底的に考えつくすでもなく
佐川光晴や藤野千夜のようにあくまでも個人として
自らの「何者でもなさ」=「空虚さ」に耐え忍ぶことでそれを肯定するでもなく
あるいは反対に保坂和志のように小「藩」的な共同体版図を
ストイックに守り通すのでもなく
村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』の場合、小説の領域をいたずらに
国民規模・世界規模にまで拡張し、
なおかつそこで相変わらず人間的な「ドラマ」を成立させようと無理に試みたから
最終的に制御不能・機能不全に陥り、
リアルな「暴力性」を欠いたたんなる暴力のイメージの介入を許し、
作品世界全体を監督する役割を放棄せざるを得なくなったのではないか。

★阿部和重
「謝謝」だけで簡潔する中国語と違い、日本語の「感謝」は
“心から”とか“本当に”と補う必要があるくらいペラい。
そのペラい言葉をトートロジカルに力んで重ねたのが阿部和重。

★舞城王太郎
「内言」をエンタテイメント化
内言や内省が物語の進行を妨げるならそれ自体で
物語をすべて語ってしまおうというのが舞城王太郎。

★いしいしんじ
本来なら「内言」や「思弁的考察」などが占めてしかるべき箇所を
すべて軒並み繊細な形で物語化してしまう。

★水村美苗
日本語はペラいので、小説家は身も蓋もない「事実」で言語に重しをし
そんな「事実」の力を借りて厚みのある対象=「真実」へと到達するしかなかった。
(私小説的スタイル)
しかしこの方法では肝心要の小説としてのおもしろさは蔑ろにされる。
そんな中で欧米流の「本格小説」構築をめざしたのが
水村美苗の『本格小説』である。

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July 25, 2005

週刊ブックレビューと8月新刊本チェック

地震も震度5ともなると、固まってしまうのだという事を体感しました。
みなさまはおケガなどありませんでしたでしょうか?
今度は台風7号が近づいております。
お気をつけください。

昨夜は週刊ブックレビューを見ました。
深夜の再放送の方をを最近、よく見てます。
女優の木野花さんが紹介された3冊はどれもおもしろそう。
亀山郁夫さんの『悪霊 神になりたかった男』は
ドストエフスキーの『悪霊』を解説したもの。
ドストエフスキーになじみがない方もこれをきっかけに読んでほしいと
力説されてました。
島尾敏雄さんの『死の棘日記』は『死の棘』の日記版のようです。
『死の棘』は気になっているのですが、夫婦のどろどろというのが
今ひとつそそられず…
もちろん名作だとは思いますが。
いしいしんじさんの『麦ふみクーツェ』も紹介されていました。

写真家の大石芳野さんという方は戦争を描いた児童書を3冊。
気持ちはわかりますが、同じトーンの本を3冊ってどうかと思いますねえ。

最後のゲストは岡崎武志さん。
角田光代さんの『古本道場』で師匠だった方。
武居俊樹さんの『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』はその名の通り
赤塚さんの編集者だった著者が赤塚さんのことを書いた本。
そうとう笑いころげるらしいです。
浅生ハルミンさんの『私は猫ストーカー』は猫好きとしては
気になる1冊です。

『悪霊』神になりたかった男「死の棘」日記麦ふみクーツェ赤塚不二夫のことを書いたのだ!!私は猫ストーカー

8月の新刊本をチェックしてみました。
最近、小説より評論本やエッセイに目がいってしまうみたい。

新潮社
『勝っても負けても―41歳からの哲学―』by池田晶子
『素数の音楽』byマーカス・デュ・ソートイ
『沼地のある森を抜けて』by梨木香歩
『ラブレーの子供たち』by四方田犬彦

講談社
『出生の秘密』by三浦雅士
『熱氷』by五條瑛
『湖畔・ハムレット』by久生十蘭

河出書房
『魅せられて』by蓮實重彦
『志ん朝のあまから暦』by古今亭志ん朝

文春文庫
『すっぴん魂・愛印』by室井滋

筑摩書房
『雨の日はソファで散歩』by種村季弘
『ファイティング寿限無』by立川談四楼

作品社
『200×年文学の旅(仮)』by柴田元幸、沼野充義

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July 21, 2005

誤読する?しない?

book2005

『徹底抗戦!文士の森』by笙野頼子
徹底抗戦!文士の森
そもそもは大塚氏が文芸誌を批判することから始まった12年にわたる論争。
私も最近、ストーリーで語られてしまう小説って何か違うんじゃないかと感じていて
その答えが純文学にあるのかなあと思っているのですがどうなんでしょう?

『金毘羅』by笙野頼子
金毘羅
その笙野さんの最新小説。
わからない人にはわからないらしいので覚悟して読みたい。

『アースダイバー』by中沢新一
アースダイバー
縄文地図片手に東京散歩。
建物がびっしりの東京でも神社や寺院は開発を受けにくく
そこだけが時間の進行の遅い無の場所となっている。
で、そういう場所はきまって、かつて岬か半島の突端部だったそうです。

『東京トンガリキッズ』by中森明夫
東京トンガリキッズ
80年代の東京を舞台にした青春小説短編集。
80年代を忘れつつあるので、思い出したい。

『誤読日記』by斉藤美奈子
誤読日記
タレント本や話題になった本を中心に175冊が紹介されている。
小説は少ないです。
いきなり「本は誤読してなんぼです」って書いてあります。
『文芸漫談』にも誤読OKって書いてありました。
笙野さんや保坂さんはまた違う事を書いているし
誰を信じればいいのか(笑)

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July 19, 2005

『ホワイト・ティース』byゼイディー・スミス

4105900234ホワイト・ティース(上)
ゼイディー スミス 小竹 由美子
新潮社 2001-06-29

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物語はロンドンの下町育ちで、優柔不断きわまりないが
底ぬけに人のいいアーチーと
バングラデシュ出身のムスリムで誇り高い教養人サマードとの
半世紀に渡る友情を軸に
地理的にはヨーロッパ大陸からインド、そしてジャマイカ、
時間的にはセポイの乱(1857)にジャマイカ大地震(1907)
第二次大戦から現代へと自在に行き来しながら進んでいく。
登場人物もまた一筋縄ではいかない面々ばかりだ。
イスラム原理主義の若者たち、生真面目なエホバの証人、
過激な動物愛護主義者、
リベラルなインテリを気取る遺伝子工学者と園芸家の夫妻、
フェミニストのレズビアン。
複雑で不安定な現代のありさまを鮮やかにすくいとった本書には、
宗教、人種間の軋轢、世代の断絶、移民のアイデンティティー、
遺伝子工学の倫理と多様なテーマが盛り込まれている。

(あとがきより)

日本にいると日本人という人種について考えていれば済んでしまうところがあるが
世界にはたくさんの人種がいる。
それを知るにはよい一冊だと思う。
といっても、タイム紙がこの本を評して「お説教も垂れず、どちらの味方にもつかない」と
書いているように、決して説教臭くなくむしろコミカルでさえある作品だ。
著者が24才の時に書いたこの作品は2000年のベストセラーとなり
数々の賞を受賞した。
日本では翌年、『世界の中心で愛を叫ぶ』が発売されベストセラーとなった。
この違いって…(以下略)

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July 15, 2005

クリスタルガイザー・スパークリングウォーター

sparkling_water

●クリスタルガイザー・スパーリングウォーター
きみ駒さんがこちらで紹介されていたクリスタルガイザー・スパーリングウォーターを
買ってみた。
甘いペットボトル飲料が苦手なのだが、これはレモン風味もほのかでいい。
かなり辛いというウィルキンソンのジンジャーエールも気になってます。
情報求む。

●本
picoさんに薦めていただいた中沢新一『アースダイバー』
ほぼ日刊イトイ新聞で連載も始まったようです。
縄文地図を片手に、東京の風景が一変する散歩の革命へ!
見たこともない、野生の東京が立ち上がる。

民俗学視点で見た東京って事かしら?
アースダイバー

以前、Rymさんに薦めていただいた笙野頼子。
Izumiさんが『誤読日記』を買いそびれて『徹底抗戦!文士の森』を買ったと
書いていらしたので、私も便乗。
「文学、そして批評とは何か」をテーマに論争関係の文章や対談を収録したもの。
これをきっかけに笙野頼子の小説も読んでみたい。
※笙野頼子さんと私、誕生日が一緒だよー。
私の誕生日ってあんまり有名人がいないので何か嬉しいぞ。
徹底抗戦!文士の森

●読書中
新潮クレストシリーズの『ホワイトティース』byゼイディー・スミス。
「ロンドン発、21世紀のディケンズ!?」らしいのですが、長いので
ちょっとだれ気味…
ロンドンの下町育ちのアーチーとバングラデシュ出身でイスラム教徒のサマードの
友情を軸に二人の半生を描いたもの。
ホワイト・ティース(上)

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July 12, 2005

本の本

book2005

『小説の自由』by保坂和志
「小説とは何か?」がテーマの本。
保坂さんは“ほぼ日”の連載で
小説家にとっていちばん真摯に受けとめたい読者は、
レビューを書く人ではなくて
「ただただちゃんと読む人」なんです。
評価しようという読みかたはだめだし、
読んだあとにすぐにレビューを書こうと思う
読みかたもだめなんです。

と、書いている。
でもそれって冷蔵庫を買ったら壊れてたけど
「うーん、この壊れ方が芸術的」と納得しちゃうって事?
本といえども商品なんだから、批評しちゃだめっておかしくない?

『偏愛文学館』by倉橋由美子
先ごろ、お亡くなりになった倉橋さんの書評集。
渋澤とかカフカとかコクトーとか並んでいる中に
宮部みゆきの『火車』があるのが不満。

『文芸漫談』byいとうせいこう&奥泉光
お二人が定期的に行ってきた漫談で文学を語るというライブがあって
それをを一冊にまとめたもの。
のっけからくすくす笑ってしまう。
奥泉さんがフィーボー村というフランスの村から招待されて
何のイベントかわからぬまま行ったら
古井由吉さん、多和田葉子さん、小川洋子さん、池澤夏樹さんと
そうそうたるメンバーが来ている。
村祭りらしいそのイベントのメインは
広場に運動会のテントみたいなのがあってそこで作家がずらっと並んで
自分の本を売る事だったという…(笑)
何かその様子を想像するだけでおかしい。

『志ん朝の風流入門』by古今亭志ん朝
日本がまだ粋だった頃の粋な話。
十五夜の月を見て十三夜の月を見ないことを片見月といって
忌み嫌ったとか
陰暦5月28日(今年は7月4日)の雨をどうして虎が雨というかとか
そんな話。
小唄や俳句もたくさん載ってます。
たまさかに逢う夜短き鐘の音も
鳥のそら音は知らねども
口惜しきものは玉手箱
あけるという字が気にかかる。

志ん朝、DVD出ないかなあ。

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July 11, 2005

『ベルカ、吠えないのか』by古川日出男

4163239103ベルカ、吠えないのか?
古川 日出男

文藝春秋 2005-04-22
売り上げランキング : 649

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もちろん、無邪気に「あー、おもしろかったね」と読んでもいいのだろうが
それだけの話だ。
恩田陸もそうだけれど、最近は物語としておもしろければそれでよしなんだろう。
昔と違って、食べる物を我慢して本を買うという時代じゃない。
どんどん、消費される物語たち。

内容は犬の目から見た20世紀戦争史である。

扉に手をかけていた。
コンクリート塀を、通過しはじめていた。
足のさき、半分。
激しい銃声が一発、背後から、した。
空砲ではなかった。
実弾は発射された。

といったように短い文がぶつぎれで「~した。~だった。~であった。」と
ずっと続いていく。
たー。たー。たー。と耳にうるさい。
そのうち田口トモロヲの声さえ聞こえてくる。(注:プロジェクトXのナレーター)

ロンドンのテロ事件といい、21世紀になっても相変わらず
戦争は終わっていない。
先日、何の考えもなしにホワイトバンドを購入した私だが、
overQさんがこんな記事を書いていらっしゃる。

以前、“あいのり”というTV番組のバスが南アフリカに行ったことがあって
日本の若者が愛だの恋だのとわーわー騒いでいる中
バスの運転手である現地の若者(あいのりメンバーと同世代)が
南アフリカが抱えている人種問題について語るのだが
日本の若者はぽかーんとしていた。
日本と世界の隔たりを感じた一瞬だった。

何をいいたいのかわからなくなってきたけど
小説は作家自身も迷いつつふらふらとあっちへ行き、こっちへ行くのが
おもしろいと私は思う。
この本のようにゴールまでひとつの方向に向いているのなら
映画でよいではないか。

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July 09, 2005

『日本奥地紀行』byイザベラ・バード

4582763294日本奥地紀行
イザベラ バード Isabella L. Bird 高梨 健吉

平凡社 2000-02
売り上げランキング : 2,122

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明治初期、一人の英国婦人が東北・北海道を旅した紀行文。
移動手段は人力車、馬、徒歩!
未開の地が好きな著者は街道を通らずにわざと困難な道を選ぶ。
主なルートは
日光→会津若松→新潟→米沢→山形→横手→秋田
→大舘→弘前→青森→函館→室蘭→苫小牧
そして帰りは函館から横浜へ船で。

蚤だらけの宿や雨で増水した川にもめげず
イザベラ女史は冷静な目で、日本の農村を観察する。
「世界中で日本ほど婦人が危険にも不作法な目にもあわず
まったく安全に旅行できる国はない」といい
英国人と違い日本人は子供をよくかわいがるとほめる。
一方で、不潔さからくる皮膚病にかかる人々の様子や
農村の悲惨な暮らしも伝えている。

当時47才だった著者はその後もマレー半島、ペルシャ、朝鮮と
精力的に旅をする。
最後の旅は亡くなる3年前、70才の時のモロッコ旅行だった。
その溌剌さを見習いたいものだ。

ちょっと翻訳がうまくないような気がした。
この本については宮本常一が『イザベラ・バードの“日本奥地紀行”を読む』
という本を書いている。
こちらもいずれ読みたいと思う。

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『塩壷の匙』by車谷長吉

4101385114塩壷の匙
車谷 長吉

新潮社 1995-10
売り上げランキング : 32,799

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車谷長吉は私小説作家である。
そもそも私小説とは何かという話だが
辞書にはこう書いてある。
作者自身を主人公として、自己の生活体験とその間の心境や感慨を
吐露していく小説。
日本独特の小説の一形態で、大正期から昭和初期にかけて
文壇の主流をなした。

著者の生家は戦後の農地改革で没落する。
それを背負わされた吃音の父は最後には発狂してしまう。
わけのわからぬ宗教にのめりこむ母。
闇の高利貸しだった祖母。
自殺した叔父。
著者自身も自分よりかわいがられる弟を妬み
仕事をやめてからは何をしていいのかわからず苦しむ。

あとがきで吉本隆明は「この作家が固執している“私”の悪作を書くこと」
という表現をしている。
確かに一時、流行したスタイルなのだろうが、今の時代にそぐわないような気がする。
貧しさが同情を得られたのは、あの頃は、みなが貧しかったからではないか。
そしてこの著者は「私小説をひさぐことはいわば女が春をひさぐことに似たこと」と
いっているのだが
本人がいうほど自分をさらけだしきってはいない。
著者の中にはまだまだ格好をつけている部分があるように感じた。

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July 07, 2005

ぬかみそ買った

今日は七夕ですね。
天気がよくて何よりです。
さて、本とぬかみそを買いました。

●本
book2005

『ベルカ、吠えないのか』by古川日出男
犬の視線で語る20世紀史。

『ガリヴァー旅行記』byスウィフト
ガリヴァーは大人国・小人国だけにあらず。
ミステリーチャンネルでドラマを見て私も知ったんだけど(汗)

『サキ短編集』byサキ
実はO・ヘンリより好き。
手元になかったので。

『五里霧』by大西巨人
これがおもしろかったら『神聖喜劇』を読むつもり。

『マダムだもの』by小林聡美
女優であり三谷幸喜夫人である著者によるエッセイ。
マダムライフは意外と大変?

●ぬかみそ
nukadoko
愛用していたS&Bの「ぬかみその素」がいつのまにかスーパーから消えたので。
かきまわさなくてよかったから便利だったのに…
今回、買ったのはヘタ紫茄子が漬かっているできあいのぬか床。
今度は毎日、かきまわさないといけません。
さあ、奥様、あなたもぬかみそライフにレッツトライ!

●印鑑ケースも買った
inkan

●読書中
『塩壷の匙』by車谷長吉

●お知らせ
明日、7月8日のAM8:00~11:00はココログメンテナンスのため閲覧ができません。

●あ、芥川賞と直木賞のノミネート作品が決まったみたい。
【芥川賞】
伊藤たかみ「無花果カレーライス」(文芸夏号)
楠見朋彦「小鳥の母」(文学界6月号)
栗田有起「マルコの夢」(すばる5月号)
中島たい子「この人と結婚するかも」(すばる6月号)
中村文則「土の中の子供」(新潮4月号)
樋口直哉「さよなら アメリカ」(群像6月号)
松井雪子「恋蜘蛛」(文学界6月号)

【直木賞】
絲山秋子「逃亡くそたわけ」(中央公論新社)
恩田陸「ユージニア」(角川書店)
朱川湊人「花まんま」(文芸春秋)
古川日出男「ベルカ、吠えないのか?」(文芸春秋)
三浦しをん「むかしのはなし」(幻冬舎)
三崎亜記「となり町戦争」(集英社)
森絵都「いつかパラソルの下で」(角川書店)

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July 06, 2005

「姑獲鳥の夏」LIN的キャスティング

berangkat8さんとコメント欄で「姑獲鳥の夏」キャスティングに関するお話になったので
真剣に考えてみました♪

●京極堂役(一番好きなので一番たくさん思いつきました)
佐野史郎…ただし、にやけない事
椎名桔平…もう少し意地悪な感じを出してもらえば。
谷原章介…ちょっといい男過ぎるか?
田辺誠一…金田一役で着物が似合っていたから。
sanosiinataniharatanabe

●関口役(気弱さとやや暗い感じを重視してみた)
堺雅人…この人の悲しそうな目は天下一品
西島秀俊
sakainisijima

●榎木津役
山口祐一郎…劇団四季トップスター。トークをするとかなりの変人。
yamaguchi

●木場修役
宇梶剛士
ukaji

●補欠(笑)
阿部サダヲ…変な感じがいいので入れてみた
筧利夫…同上。
上川隆也…単に好きだからねじこみたい。
松田龍平…同上。
佐々木蔵之介
伊原剛志

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July 05, 2005

『容疑者の夜行列車』by多和田葉子

4791759737容疑者の夜行列車
多和田 葉子

青土社 2002-06
売り上げランキング : 72,397

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あなたはしばらくすると、車体に揺られながら気持ちよく眠りに落ちてしまった

と、主語が“あなた”であるこの物語に導かれ
私はベオグラードへハバロフスクへと旅をする。
深夜から明け方にかけて、電気スタンドの下、地図を横に置いて読んでいたせいか
部屋にいる私と夜行列車に揺られている私の境界が実に曖昧だった。

島国である日本にいると外国へのの移動手段といえば飛行機になってしまうわけだが
大陸なら夜行列車という方法があるのだ。
うらやましい。
文明はより速く目的地に移動する方へ進んでいるが
本来、旅というのはゆるゆると行くものだし、そもそも自分がどこに行くはずだったか
忘れるくらいがおもしろいのだ。
水戸黄門を見よ!
そのうち東京→アメリカ間が1時間なんていう時代がきたら
もう自分がどっちに住んでいるのかわからなくなるに違いない。

先月末、盗んだ金で各駅停車の鉄道旅行をしていた窃盗犯がつかまった。

約3年前から、鍵が付いたままの車を狙って千葉県や神奈川県などで
自動車盗や車内荒らしを繰り返した。
金が手に入るとJRの割安きっぷを購入し秋田や新潟、栃木、三重、愛知県などに旅行。
その先々でも同様の犯行を続けていたという。

窃盗はもちろん悪いことだけど、各駅停車の旅三昧だなんてちょっとうらやましい。
この犯人に「内田百けん、好きでしょう?」と聞いてみたい。

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July 04, 2005

イエローバンド

yellow_band

●イエローバンド
昨日のホワイトバンドに引き続きイエローバンドのご紹介。
きみ駒さんに教えていただきました。
超一流自転車選手、ランス・アームストロング氏が、自らの闘病生活を経た後
ガン撲滅基金を設立。
基金に募金をした人への感謝の気持ちとしてあたえられるのが
この黄色いリングです。
詳細はLIVESTRONGさんのコチラの説明をどうぞ。
購入はLAF(LANCE ARMSTRONG FOUNDATION)へ。

●幻冬舎初の雑誌「パピルス
papyrus
ファッション誌と文芸誌のリミックスという感じだろうか。
福井晴敏の連載とか村上龍のエッセイとか恩田陸のインタビューが載ってます。
届いておもしろそうだったら、また記事にします。

財務大臣になって予算を作ろう!
財務省のHP上にある予算編成ゲーム。
正直、ゲームとしてのおもしろみはないが、
“地方交付税交付金”がこんなに使われているなんて
知らなかった。

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July 03, 2005

ホワイトバンド

white_band

いま世界では3秒にひとり、子どもが貧困から死んでいます。
1日だと3万人。
1日1ドル以下の生活をしている人は12億人、
きれいな水を飲めない人は10億人以上、
読み書きのできない大人は8億6000万人、
これまでエイズで死んだ人は2000万人。

(ほっとけない世界の貧しさHPより)

ホワイトバンドの売り上げは、世界の貧困をなくす活動資金に使われます。
ネット購入はコチラから。
タワーレコード、フランフランでも売っているようです。

追加情報
コチラで署名活動を行っています。
LIVE8の模様は現在、コチラで見る事ができます。(7月3日正午現在)

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July 01, 2005

『光の帝国-常野物語-』by恩田陸

4087472426光の帝国―常野物語
恩田 陸

集英社 2000-09
売り上げランキング : 3,839

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“常野”をキーワードにつながった連作短篇集。
恩田さんの小説は『三月は深き紅の淵を』に続きまだ2作目だが
こういう短篇をいずれ長編につなげていくパターンなのかな?

読み終えて、まず感じたのが
「大きな引き出し」「二つの茶碗」のようなほのぼのした話と
「オセロ・ゲーム」「光の帝国」のような一変して緊迫した話との
トーンの差による違和感。
まあ、好みの問題ですが、常野の人々の淡々とした暮らしを描くだけでも
よかったような気がする。

そして相変わらず、物語はうまいと思うのだけれど
何かが欠けている感じが拭い去れない。
あまりにテンポよくビジュアルが浮かぶので映画的というか漫画的というか
ライトノベル的というか。
私は小説というのはストーリーでなく、読んでいる時に
ふわっと立ち上がってくる何かだと思うのだ。
小説の情景の事をいっているのではない。
余韻のようなものだろうか。
流れのスムーズなストーリーはその余韻の邪魔をするのかもしれない。

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『三月は深き紅の淵を』by恩田陸

4062648806三月は深き紅の淵を
恩田 陸

講談社 2001-07
売り上げランキング : 7,118

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豪邸に招かれた主人公が幻の本を探すという話から始まる。
おお、これは期待できるぞ!とどんどん読み進むと突然、ぷつっと話が終わる。
え?これ、短編集なの?
私は、この豪邸で本を探す話がずっと続くと思ったのでちょっとがっかり。

次の「出雲夜想曲」は女性編集者2人がやはり幻の本を探しに
夜行列車に乗り出雲へ向かうという話。
これも私好み。
この幻の本を探すというのが、この短編集の共通テーマなのね。
三浦しをんの『私が語りはじめた彼は』もそうだが、
一見、関係なさそうな短篇が実はつながっているという小説は
最近の流行のようだ。

「虹と雲と鳥と」はミステリー風
ある朝、城跡公園の崖下で二人の少女が死んでいた。
二人は市内の高校生。
いったいなぜ?というお話。
「回転木馬」は不思議な学園を舞台にした話と著者の独白のRemix。

読み終えてみると、確かにすごくよくできている。
ストーリーテラーとしては完璧だ。
しかし、何か肝心なものが欠けているような気がするのだ。
それは何なのか。
この著者の他の作品を読んでいくうちに、それは見つかるだろうか。

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