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August 14, 2005

『文学部唯野教授』by筒井康隆

4006020015文学部唯野教授
筒井 康隆

岩波書店 2000-01
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10代の時、母親に読めといわれて読んだ『時をかける少女』は
何がおもしろいのかさっぱりわからず。
それ以来、読んでいなかった筒井作品。

印象批評からポスト構造主義まで
本当の授業さながらに展開される唯野教授の文学講義。
そして教授や助教授たちが出世のためにゴマをすりまくるという
大学の内輪を暴露したドタバタ劇。

大学で教えている人、何人か知っているけど
まさかこんなひどい世界だったとは。
助手の扱いなんて人間以下じゃないですか。
大学教授とだけは結婚するまい。(その前に申し込まれないけどさっ)

講義の部分は簡潔に書いてあるんだろうけど
ソシュールとかロラン・バルトとか難解。
気になった箇所は
「バルトにとって、完結されたものはすべて警戒しなきゃいけないものだった」(P.352)
「言語活動から起こる面白さは、話の流れからは起こりません。
現代的な小説を読むには、早読みしない。
ゆっくり食べる、はしょらない、丹念に摘みとる、これが大切です。
つまり昔のような、時間をもてあました貴族的な読者になるってことが
必要なんだけど…」(P.356)

『文学部唯野教授のサブ・テキスト』も読もうっと。
ポスト構造主義をパロディ化した「「一杯のかけそば分析」が掲載されてます。

4167181096文学部唯野教授のサブ・テキスト
筒井 康隆

文芸春秋 1993-07
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Comments

LINさん、こんにちは!
『文学部唯野教授』、わたしも学生のとき読みました。
あまりのハチャメチャぶりに、重要な講義の部分よりそのほかの部分の方が印象に残っちゃってます(^^;

唯野教授のモデルになったと言われる大橋洋一さんの『新文学入門-T.イーグルトン「文学とは何か」を読む』はきわめて真っ当でわかりやすく、かつ非常におもしろい文学理論の本でおススメですよ~(・∀・)

Posted by: nomad | August 14, 2005 at 17:59

唯野教授、おもしろいですよね~。
私も、講義の内容よりも、その他の部分ばかりが印象にのこってるクチです。
唯野教授に読みなさいといわれたハイデガーを読んでみたものの・・
わかったようなわからないような。わからないような。。。でした。
唯野教授の補習講義の、「誰にもわかるハイデガー 新潮カセット講演」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4108029011/249-1190016-5169910
コレ、きいてみたいと思いつつ、そのまんまになってます。

Posted by: pico | August 14, 2005 at 21:06

こんばんは。
「唯野教授」とは、懐かしいですね。
と言いつつ、実はまだ読んでいません。
高校時代の愛読書は、もっぱら
『乱調文学大事典』でした。

Posted by: 多摩のいずみ | August 15, 2005 at 00:40

断筆前のは結構読んだけど、その後はイマイチ感があって、読んでなかった。
でも、これ面白そう☆
かたっぽの口角あがっちゃうようなの好きじゃー☆
それ通り越して、どこまで行くんだ~って感じもするけど( ̄w ̄) ぷっ

「時をかける少女」は大昔、NHKのドラマで観たなぁ。(原田ともよじゃないトコで年代がバレる…)
タイトルまで記憶になくて、それが「時をかける少女」だったと知ったのは、何年も後だったけど。
で、本は読んでないのら。
「家族八景」は好きだったじょ。(これも後でドラマになってたっけ?)

Posted by: ponsuke | August 15, 2005 at 08:19

>nomadさん
こんにちは。
ブログ、拝見しているのですがなかなかコメントを
残せず、ごめんなさい。
写真にコメントする時ってついつい、いい事を書こうと思って
固まってしまうの…(^^;
最近のモノクロの写真、ステキですね。
(↑ああ、やっぱりアホみたいなコメントだ~_| ̄|○)

ところでnomadさんも『文学部唯野教授』お読みに
なっていたのですねー。
私も講義部分はさっぱりわからず、学内のドタバタ騒ぎを
楽しみました。
そして大橋洋一さんの本の紹介、ありがとうございます。
「文学とは何か」的な本、大好きなので、是非、
読みたいと思います。
暑い日が続いています。
お体、ご自愛くださいませ。

Posted by: LIN | August 15, 2005 at 11:05

>picoさん
お盆、いかがお過ごしですか?
今日はいろいろとお忙しいのでしょうね。
私やpicoさんの世代ってまさに筒井康隆世代なのに
私、なぜか全然、読んでいないんですよー(^^;
いやー、おもしろかったです。
これを機会に筒井さんの作品、いろいろ読んでしまいそう。
最近の作家の作品の感想に(誰だったか失念!)
「これなら筒井でいいじゃないか」と書いてありました。
今、読んでも筒井さんって新しい感じがします。
ハイデガー。
私が持っている「お厚いのがお好き」によれば
「存在とはsmapの“世界にひとつだけの花”である」
って事みたいです(笑)
要はonly oneって事なのかな?
「お厚いのがお好き」はこういう時、なかなか便利です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594042023/249-0655938-9097141
そして筒井さんのカセット講演なんてあるんですね。
うーん、聞いてみたいです。
でもその前にカセットデッキがなかったりして(^^;

Posted by: LIN | August 15, 2005 at 11:21

>多摩のいずみさん
『乱調文学大辞典』おもしろそうです。
高橋源一郎の『日本文学盛衰史』なんてこれを
ぱくったんじゃないでしょうか?
是非、読んでみたいです。
残念ながら絶版みたいで中古を買うしかないみたいですが…
『唯野教授』機会がありましたら是非。
講義部分はかなりマジメにハイデガーやソシュールを
語っています。
私はさっぱりわかりませんけど、多摩のいずみさんなら
きっとおわかりになるはず。

Posted by: LIN | August 15, 2005 at 11:27

>ponちゃん
(((((( 8-(* ̄∇ ̄)ノ”やぁやぁやぁ~
お盆休み、いかがお過ごし?
『唯野教授』は最初の発売が1990年なので
絶筆前じゃないかなあ?
是非、読んでみてみて。
『家族八景』は三部作なんだね。
誰かが本のトラックバック企画で
「時の文学」というテーマの時に
挙げていたような…
ドラマだと多岐川裕美が七瀬役みたいだけど
え?多岐川裕美って私が子供の頃から
おばさんだったような記憶が…(^^;

Posted by: LIN | August 15, 2005 at 11:43

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