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October 03, 2005

西洋哲学オタクちゃん

昨夜の週刊ブックレビュー。
ミュージシャンの小室等さんは『ボブ・ディラン自伝』を紹介。
ボブ・ディランはむしろジャズの人だといい、
この本もジャズの即興演奏をするように書かれていると
コメント。
作家の盛田隆二さんが紹介したのは宮内勝典さんの『焼身』
ベトナム戦争のさなか、アメリカの支援を受けた
ゴ・ディン・ジェム政権の仏教弾圧に抗議するため
自らの身を焼いて果てた僧侶X師をたどりながら
「9.11」を重ね合わせる「私」の旅の話。

紹介した本、そしてコメンター自身からも
熱いソウルのようなものを感じさせるお二人に対して
三人目の石川忠司さんはクールで対照的。
石川さんは新進気鋭の文芸批評家。
群像の最新号で保坂さんと対談している人。
紹介する三冊の本は『フッサール 起源への哲学』
『夢の分析 生成する<私>の根源』ときて
メインは『わたしたちの脳をどうするか ニューロサイエンスとグローバル資本主義』
みんな、ぽかーん。
司会者の三舩さんも「この本は正直、わからなかった」といいだす始末(笑)

私の好きな笙野さんは「VS西洋哲学オタク」なわけだけど
まさに石川さんは西洋哲学オタクちゃん。
昨夜のメンバーはみんな大人なので
「お互い、いってることは共通しているよね」とまとめていたけれど
明らかに石川さんは浮いていた。

よくよく調べてみたら、石川さんは自身の著書『現代小説のレッスン』で
『焼身』の著者である宮内勝典さんのことを
「大衆の現状や将来をイデオロギー的に憂えて見せる
良心的な=間抜けな左翼文学者」
って、書いてるんですねえ。
NHK側はわかったうえでのセッティングだったのでしょうか。
笑える。

ボブ・ディラン自伝焼身わたしたちの脳をどうするか―ニューロサイエンスとグローバル資本主義

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Comments

「焼身」ちょっと読んでみたいんですよね。
実際に抗議のため自ら自分の体を焼いた僧侶について、私は全然知らなかったけどその壮絶な行動の背景や考え方、その行動への思いを知りたいって思った。

Posted by: berangkat8 | October 04, 2005 at 01:50

>berangkat8さん
『焼身』は作家の盛田さんが強く推していらっしゃいましたよ。
私もそんな僧侶がいたなんて全然、知りませんでした。
朝日新聞で書評を見つけました。
http://book.asahi.com/review/TKY200508090149.html
宮内さんの公式HPもありました。
http://pws.prserv.net/umigame/
berangkat8さんの感想、楽しみにしています。
私も読みたいけれど、すでに読むべき本が
溢れていてアップアップ(^^;

Posted by: LIN | October 04, 2005 at 09:57

 西洋哲学は人をケムにまくときに使う手段だと割り切ればよいのかもね。。。 しかし50代以上の人間が相手だとフッサール系実存主義の洗礼をうけている人も多いので、人をケムにまこうとして、巻き返されることがあるので要注意だが。(笑)

 しかし、長雨ですかね・・・(ぽつり)

Posted by: 神田アレイ | October 04, 2005 at 21:37

わははは!・・・西洋哲学オタクちゃんて。
僕なんかそういった人を見ると「けっ、頭がいいからって難しい言葉ばっか使いやがって」などというやっかみに似た捨てゼリフめいたものしか頭に浮かびません。でも、この名称は良いですねえ。せっかくむつかしい言葉や学問で身を固めているのだろうにこの一言で威厳無くなる(TωT)。
高度な内容を難解かつ抽象的な言葉で語らなければならないということはあると思います。なんでもかんでも易しく噛み砕いて語らなきゃいけないなんてこともないですよね。でも、知識人と呼ばれる人にも一般の人に届くような言葉で語ろうとする努力もして欲しいものです。それにしても西洋哲学オタクちゃんって・・・ププッ。

Posted by: kyokyom | October 04, 2005 at 22:10

>神田アレイさん
私も評論はキライじゃなくて、
吉本隆明のエッセイなんか「おー」と思ったりするのですが
ことばだけがうわすべりしていたり
相手のあげあし取りのような評論も多い気がします。
今、気になっている作家の笙野頼子さんが
西洋哲学系の人たちと論争しているという事もあって
それ関連の本をいろいろ読んでいるところです。
今日も雨ですね。

Posted by: LIN | October 05, 2005 at 10:22

>kyokyomさん
“西洋哲学オタクちゃん”ということばは
私の完全オリジナルじゃないです(笑)
2ちゃんねるに「西哲ちゃん」とか
「製鉄ちゃん」という書き込みがあったのを
見たんです。

>難解かつ抽象的な言葉で語らなければならない
私も語彙はたくさん持っていてもムダにならないと思ったので、
Panzaさんに薦めていただいた『文学批評用語辞典』を
買っちゃった。
せめて笙野さんが戦っている相手のいっている事くらいは
理解したいです。
できれば「あなたたちの批評はからっぽだ」くらい
いえるようになりたいけど(^^;

Posted by: LIN | October 05, 2005 at 10:58

思えば、私もかつては西洋哲学オタクでした。
わかりもしないくせに、プラトンからドイツ観念論、実存主義まで
いろいろ読み漁ったものです。
でも、構造主義以降は急激に失速しました。
哲学書が難しいのは、私の頭が悪いからだと思っていました。
実際、私はとても頭が悪いのですが、先日、ヘーゲルの『大論理学』
を読み返してみて、訳文のひどさと用語の難しさは論外だと思いました。
とくに用語の難解さは、プロとして何とかしろと言いたいくらいです。
「哲学辞典」を引いても、その解説がまたわかりにくいのですから。

Posted by: 多摩のいずみ | October 09, 2005 at 11:19

>多摩のいずみさん
今、パリで注目されている哲学家カトリーヌ・マラブーの
本を読んでます。
哲学界の最先端らしいです。
脳科学と哲学の話なので、どうつながっていくのか
楽しみです。
私もよくわかってないんですが、とにかくもがいてみようと
思って。
>「哲学辞典」を引いても、その解説がまたわかりにくい
私も教えてもらったんですが、研究社の『文学批評用語辞典』
わかりやすいです。

Posted by: LIN | October 09, 2005 at 17:50

はじめまして。
TBさせていただきました。

西洋哲学の話からズレますが。
ボブ・ディランはジャズの人って面白いですね。
即興性は確かにスゴそうです。

Posted by: ii氏 | October 19, 2005 at 01:22

>ii氏さん
コメント&TBありがとうございます。
ボブ・ディランってそれこそ「風に吹かれて」くらいしか知らなかったんですが
歌詞が哲学的なことで有名なんですね。
今、哲学に興味があるので非常に気になります。

Posted by: LIN | October 19, 2005 at 10:53

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