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December 29, 2005

今年のまとめ

私が今年、小説について感じたこと。
それは、最近の作品は小説マニア向けになっていないかということだ。

今、大ヒット中のニンテンドーDSは
ゲームがゲームマニアのものになってしまったことを危惧し
誰もが楽しめるゲーム機をめざして開発されたという。

小説もゲーム機のようにいつのまにか小説好きだけのために
書かれるようになってしまっていないだろうか。

たとえば、私が今年読んだなかでまったくよさがわからなかったのが
伊坂幸太郎の『オーデュボンの祈り』とか
いしいしんじ『麦ふみクーツェ』とか
恩田陸の作品とかベルカ。

これらの本や
本屋大賞で選ばれる本、
「本の雑誌」で紹介される本って
私にいわせるとどれも似ている(ファンタジー系?)
ストーリーが違うだけだ。
そしてその類の小説はますます増殖していて
それ以外は小説じゃないくらいの勢いである。
私はそれが何とも不気味だ。
(今、山崎豊子の『不毛地帯』を見ながらこれを書いているんだけど、
社会派小説ってどこにいってしまったの?)

そして今、小説がストーリーだけで語られていないだろうか?

これについては有名な「芥川・谷崎論争」というのがある。
<参考>
芥川龍之介が
「筋の面白さが作品そのもの芸術的価値を強めるということはない」
と発言したのに対し
谷崎潤一郎が
「筋の面白さを除外するのは、小説という形式がもつ特権を捨ててしまふことである」
と反論したという話。
文芸的な、余りに文芸的な
続・文芸的な、余りに文芸的な

とりあえず、今年、感じた現在の小説のありかたへの危惧でした。
(もちろん、高村薫や笙野頼子は別ですよー)

さて、今年もお世話になりました。
コメントや訪問、ありがとうございました。
来年も「やっぱり本が好き」を管理人ともども
どうぞよろしくお願いします。
よいお年を♪

※私が今年読んだ本のリストを最後につけておきます。

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December 24, 2005

Merry X'mas♪

クリスマスのごちそうは、24日と25日、
どっちに食べるのがホントは正しいのでしょうか?
(日本は圧倒的に24日だと思うけど)
「私は両方、食べちゃうよ」というツワモノもいます?

さて、今日は、王様のブランチの本のコーナーで
第4回ブランチブック大賞が発表されました。

●新人賞
さくら
西 加奈子
4093861471

●話題賞
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
リリー・フランキー
4594049664

●審査員特別賞(関根勤さんがチョイス)
きょうの猫村さん
ほし よりこ
4838715951

●BOOK大賞
重松清さん
きみの友だち
重松 清
410407506X

その日のまえに
重松 清
4163242104

『きょうの猫村さん』の受賞が嬉しいですね。
私はいい話とか泣ける話が好きじゃないので、
他の作品はあまりピンとこない。
BOOK大賞、昨年は天童荒太さんで今年が重松清さん。
完全に松田さんの趣味ですな。

お正月休みにのんびり読むための本を準備しました。
黄色い部屋の謎Yの悲劇僧正殺人事件

本格ミステリーを読みたくて、いろいろ探していたのですが
結局、基本中の基本を読んでいないことに気づきました(・∀・;)

そして
小説吉田学校〈第1部〉保守本流小説吉田学校〈第2部〉党人山脈小説吉田学校〈第3部〉角福火山小説吉田学校〈第6部〉田中軍団

高村さんの『新・リア王』を読んでいるうちに
「これは80年代の政治がある程度、わかっている方が
おもしろく読めるな」と気づき、
ずっと、何かいい本はないかとさがしていたのですが
とうとう、見つけました。
これで、戦後政治の流れがばっちりわかるはず!多分…

Merry X'mas♪

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December 20, 2005

週刊ブックレビュー&上原ひろみ&耐震偽造問題

FUJI

年末が近づき、空気がきれいになったのか富士山がよく見える。
ホントはもっと大きく見えます。
望遠カメラがほしい…

●このあいだの週刊ブックレビュー
北上次郎さんと関口苑生さんが、今年のミステリーから
野球になぞらえて最強メンバーを選んだ。
打順は以下の通り。
1.『暗礁』黒川博行著
2.『ユージニア』恩田陸著
3.『容疑者Xの献身』東野圭吾著
4.『シャングリ・ラ』池上永一著
5.『隠蔽捜査』今野敏著
6.『耽溺者(ジャンキー)』グレッグ・ルッカ著
7.『灰色の北壁』真保裕一著
8.『暗く聖なる夜(上・下)』マイクル・コナリー著
9.『魔力の女』グレッグ・アイルズ著
代打『オルタード・カーボン』リチャード・モーガン著

この中では『オルタード・カーボン』が気になる。
デジタル化された人間の心は小さなメモリーに記録され、
頭部のつけねに埋め込まれている。
肉体が衰え死を迎えるとメモリーが残る。

という二十七世紀のハードボイルド。
設定はおもしろそうなんだが、ハードボイルドが好きじゃないんだよなあ…

4757211295オルタード・カーボン
リチャード モーガン Richard Morgan 田口 俊樹

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おすすめの一冊ではスーザン・ソンタグの『良心の領界』を
読みたいと思った。
スーザン・ソンタグは昨年、亡くなったアメリカの批評家。
『良心の領界』は他の著書への入口になっているそうなので
初めて、スーザン・ソンタグを読む人にオススメのようです。

475714069X良心の領界
スーザン ソンタグ Susan Sontag 木幡 和枝

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NHK「トップランナー」上原ひろみさんの回を見て
あの若さで「私にはピアノしかないから一生かけて極めていく」と
自信を持っていえるというのはすごい。
購入を迷っていた「スパイラル」やっぱり、買うべきか。
22日(木)24時から、再放送します。

B000AU1M48スパイラル(初回限定盤)
上原ひろみ トニー・グレイ マーティン・ヴァリホラ

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●耐震偽造のニュースを見ていて
いつも思っているのだけれど、人はなぜ、家を買うのだろう?
家を買えば、ローンのために、残業も厭わず働かなければならない。
あげく、父親は子供たちとの時間が持てなくなる。
母親もローン返済のためにパートに出るから、
子供に目が行き届かなくなる。
(もちろん、こんな家庭ばかりじゃないですが)
お金や家のために働き続ける人生じゃない人生があると
私は思うのですが…

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December 16, 2005

Wish List Baton

ゆるVegelifeのさなちんさんからWish List Batonをもらってきましたー♪

Q1.今やりたいこと。
無農薬野菜づくり

Q2.今欲しいもの。
庭もしくは畑

Q3.現実的に考えて今買ってもいいもの。
PentiumMのパソコン。

Q4.現実的に考えて買えるけど買ってないもの。
アガサ・クリスティ全集

Q5.今欲しいもので高くて買えないもの。
高級マッサージチェア。

Q6.タダで手に入れたいもの。
もらうよりむしろ人にあげる方が好き。

Q7.恋人(夫)から貰いたいもの。
多分、私のほしいものはわからないと思うので現金で(笑)

Q8.恋人(夫)にあげるとしたら。
身につけるもの

Q9.バトンを5人に渡す。
ほしいかたどうぞ~♪

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December 14, 2005

『容疑者Xの献身』by東野圭吾

4163238603容疑者Xの献身
東野 圭吾

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あちこちで絶賛されている『容疑者Xの献身』ですが
私は『白夜行』の方が断然、好き。
(『白夜行』のドラマ化、勘弁してほしい…絶対、無理だから)
亮司と雪穂の愛は痛いほどわかるけど
石神の靖子に対する愛が、全然わかんない。
と思ったら、作家の二階堂黎人さんがご自身の日記(11月28日)で
石神の愛についておもしろい説を展開しています。
うーん、いくらなんでもそれはどうなの?(・∀・;)

もうひとつ、二階堂さんは
「『容疑者Xの献身』が「本格ミステリーベスト10」の1位であるのはおかしい」
といっています。
これには私も賛成。
本格ミステリーの定義はいろいろありますが
二階堂さんが書いていらっしゃる
「結末まで読んで、探偵役の推理を読者が聞かせられた瞬間、
冒頭からそこまでの物語が一瞬にして頭に甦り、
あそこにも、ここにも、そこにも、そこら中に手がかりや証拠が埋まっていたことが解る」

は、まさに本格ミステリーの醍醐味。
で、この『容疑者Xの献身』は読み終えた後、もやーっとするんですね。
私もトリックの半分はわかったんだけど、もう半分がどうしてもわからなかった。
だけどそのわからなかった半分は「わかるわけないじゃん!」なの。
(こういうの、本格ミステリー業界では“アンフェア”といいます)

まあ、私の本格ミステリー定義でいけば、
洋館が出てこない段階で本格ミステリーじゃないんですけどね(笑)

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December 10, 2005

ドラマ「クライマーズ・ハイ」&
このミステリーがすごい2006

crimers_high

今夜、NHKで放送されたドラマ『クライマーズ・ハイ』(前編)
すごい迫力だった。
キャストもよかった。
私は原作を読んでいませんが、
原作を読んでいる方はどうお感じになったのでしょうか?
後編は来週、土曜日、19時半から。
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4796650334このミステリーがすごい!―2005年のミステリー&エンターテインメントベスト10 (2006年版)

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「このミステリーがすごい!2006年版」を読みました。
一位は噂通り。
実は一位はこれだろうと、事前に読んでしまいました。
感想は後日。
私は2004年から買ってますが
『葉桜の季節に君を想うということ』も『生首に聞いてみろ』も
正直、ぽかーんでしたけど、今回はまあ納得です。

ランキング自体は買うなり、立読みなりしていただくということで
それ以外でおもしろかった情報は…

●泣けるミステリー!?
『容疑者Xの献身』について。
著者は「僕が考えた最高のトリック」といっているのに
出版社が「最高の純愛」とプッシュしているのは
着眼点がずれている?という話から始まって
「泣けるミステリーという売り方はいかがなものか?」
というような記事があった。
私もミステリーは泣けなくていいなあ。

●ミステリーは売れなくなった?
今の読者は一点集中型で
ランキングでも一位は売れるが、二位はあまり売れないらしい。
また一位を取っても、その作家の次の作品はまるで動かないそうだ、
福井さんの発言が印象に残りました。
「(最近の読者は)貪欲さがたりない気はします。
関連するタイトルに手を伸ばさないし、
深く読むためのコードを蓄積しようとしない。
読み方さえわかれば面白い作品が無数にあるのに…」
確かに「ベストセラーを読んでおしまい」じゃもったいないですよね。

●綾辻行人の隠し玉
綾辻さんは講談社ミステリーランドの書き下ろし長編を執筆中。
「これ、少年少女向けの皮をかぶりつつ、実は<館>シリーズの
第八作なのです」とのこと。
わーい、楽しみですね。
今度はどんな館でしょうか?

●『ニッポン硬貨の謎』を読む前に…
北村薫さんの『ニッポン硬貨の謎』は気になっていたのですが
事前にエラリー・クイーンを、ある程度読んでおかなくてはいけない
みたいなので躊躇してました。
で、今回、特別企画で何を読んでおけばいいかが解説されてます。やった!
最低、『シャム双子の謎』『五十円玉二重枚の謎』『クイーンの色紙』は
読んでおかなくちゃダメみたい。

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December 09, 2005

調味料バトン

おぽんちNote♪のponちゃんから調味料バトンを受け取りました。
味覚が保守的なので、非常につまらない回答になってしまいました( ̄┰ ̄*)ゞ

【Q1】次のメニューにどんな調味料をかけますか?薬味は含みません。
目玉焼き→中濃ソース   
納豆→一緒についてるたれ&カラシ 
冷奴→薬味どっさり+しょうゆ
餃子→酢じょうゆ+ラー油
カレーライス→何もかけない
ナポリタン→何もかけない
ピザ→何もかけない
生キャベツ→ドレッシング
トマト→ドレッシング
サラダ→ドレッシング
カキフライ→中濃ソース
メンチカツ→中濃ソース
コロッケ→中濃ソース
天ぷら→おいしいのは塩、それ以外は天つゆ
とんかつ→中濃ソース
ご飯(おかず無しの時)→調味料じゃないけど納豆。

【Q2】周囲に意外だと驚かれる、好きな組み合わせはありますか?
意外ではないけれど、かなりの酸っぱいもの好き。
酢だこ、梅干し、ピクルスなど。
最近、はまってるのがごぼうとにんじんの酢味噌漬け。

【Q3】それが一般的なのだとは知っているが、苦手な組み合わせはありますか?
かつおのお刺身+にんにくおろし。
フライ+タルタルソース

【Q4】バトンをまわしたい5名は誰ですか?
ご興味ある方はご自由にバトン、持っていってください。

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December 06, 2005

たらいまわしTB企画第19回「実は……こんな本を持ってるんです」

tara19

たら本です(誰でも参加オーケーよん♪)
今回の主催者はオシャレでグルメなmort_a_creditさん
テーマは2つ!
Ver.1「実は……こんな本を持ってるんです」

Ver.A「2005年に読んだベスト本」

持っていることをあまり人に知られたくない本。
本棚に刺さっている風景だけでも嫌なのに、なぜか捨てられない本。
引っ越しや大掃除など、何度も処分する機会はあったはずなのに、
なぜか残っている本。
裏を返せば「そんな本なのに捨てられない」こそ、
自分にとって必要である本のようにも思ったりもする。
それだけ大切だったり思い入れがあるなら、
他人に勧めてもいいのではないかということにもなる。
ここはブログ。実生活とは別世界。ぶっちゃけていきましょう。
ぶっちゃけられない人もお帰りにならず、
もうひとつのお題「2005年のベスト」に参加してください。

参加したい方は関連記事を書いて、mort_a_creditさんの記事
トラックバック!

私のVer.1は、これ↓
diet_bookjpg
ダイエット本&ダイエットDVDの類。
つい、買っちゃうんですよ。
でも本棚にあるのはイヤなわけ。
誰かに見られて「あー、がんばってるのね( ̄ー ̄)ニヤリッ」と
私と本を交互に見比べられた日には…
がんばってるならまだいいけど、挫折してるわけだし(・∀・;)
本を見るたび、欝になる。
でも、いつか使うと思うから捨てられない。

Ver.Aは、ちょうど今年のベスト本を記事にしようかと思っていたのでタイムリー。
今日の時点で、今年は89冊、読んでます。
その中から心に残った5冊を。

4101456216一九三四年冬―乱歩
久世 光彦

新潮社 1997-01
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ミステリー的要素もあり、ミステリーの薀蓄話もあり、小説としても美しい。
次は『蕭々館日録』を読んでみたい。
カノックスのごたごたは落ち着いたのだろうか。

4150102627タイタンの妖女
カート・ヴォネガット・ジュニア 浅倉 久志

早川書房 2000
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伊坂幸太郎より、断然、おもしろいと思うんだけどなあ。
るちあさんの記事で知ったのですが、「春樹チルドレン」ということばがあって
伊坂幸太郎も含まれるとか。
村上春樹はカート・ヴォネガット・ジュニアの影響を受けてますから
ヴォネガット→ハルキ→伊坂幸太郎という図式になるわけですよ。

4102271023コカイン・ナイト
J.G. バラード J.G. Ballard 山田 和子

新潮社 2005-06
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ヴォネガット同様、SFとひとことで片付けられない作家。
安部公房の影響を強く受けているそうです。
来年は『砂の女』を思わせるという『コンクリート・アイランド』が読みたい。

406273995X虚無への供物〈上〉
中井 英夫

講談社 2004-04
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結局、私はミステリー好きというより洋館フェチかもしれないです。
この本をドラマ化した「薔薇の殺意」、DVDにならないかなあ。

4062750198よもつひらさか往還
倉橋 由美子

講談社 2005-03
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よもつひらさかは、黄泉路にいたる現世との堺にある坂だという。
今年、お亡くなりになってしまった倉橋さん。
この本をお書きになった頃、死を予感されていたのでしょうか。
于武陵や王安石とか中国詩がたくさん出てくるのですが
まったくわかりません。
勉強したいです。

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December 05, 2005

シングルモルト&ウイスキー2005

singlemaltmystery

毎年、サントリー山崎蒸溜所に日本推理作家協会の6名が集まり
ウイスキーのブレンドに挑戦するというイベントがある。
そのトークショーの様子を、ミステリーチャンネルで見た。
参加者は
大沢在昌、逢坂剛、北方謙三、桐野夏生、東野圭吾、福井晴敏。

作家同士の漫才のかけあいがおもしろくて笑いっぱなしでした。

大沢さんは司会者をおやりになったのですが、まるでクラス委員のように、
みんなをうまくまとめます。

北方さんはいじめっ子タイプ。
「俺は男だから信念はまげない。
たとえ選ばれなくてもずっと自分の好きなピートの強いブレンドでやっていく。」

逢坂さんは気のいいおじいちゃんって感じ。
お父様は、池波正太郎などの挿絵画家をしている方で、90代で今も現役。
「“オマエも最近、池波を越えたな”と父にいわれましてね」(もちろん冗談)
といって会場を笑わせる。

東野さんは、売れまくっている福井さんをチクチクいじめます(もちろん冗談で)
それぞれブレンドしたウイスキーに名前をつけるのですが、
東野さんがつけた名前は「ローレライより深く、イージスより強く、1549より爆発的」(笑)

桐野さんは「飲んでる時にいちゃついたカップル見ると、後ろからどつきたくなる」
というようなオヤジ発言をするたびに、
みんなに「今年はエレガントでいくんでしょっ!」とつっこまれてました。

福井さんはいじめられ役を一手に引き受けてました。
「燃えるような恋をしたことは?」という質問に
会場に奥様がいたため「もちろん、相手は妻です」と
マジメな顔で答えていらっしゃいました。

そして、今年、商品化されたのは福井さんがブレンドした「イージス」
product_photo2005

サントリーオンラインショップで購入できます。
飲んでみたい気もしますが、5000円出せば、
マッカラン12年を買っておつりがくるからなあ…

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December 03, 2005

「闘うベストテン2005」結果発表

bestbooks2005

この1年間に刊行された国内外のミステリ小説の中から
ベストテンを決めるというミステリーチャンネルの番組です。
選者は香山ニ三郎氏、豊﨑由美氏、大森望氏、吉野仁氏、
関口苑生氏、杉江松恋氏。
何しろあのトヨザキ女史が参加してますのでバトルがすごい(笑)
宝島社発行の「このミステリーがすごい」とはまた違うランキングになるのも
魅力です。
※これからこの番組を見ようと思っている方は、読まないでね。

【国内編ベストテン】
1位
シャングリ・ラ
シャングリ・ラ

2位
隠蔽捜査
隠蔽捜査

3位
笑酔亭梅寿謎解噺
笑酔亭梅寿謎解噺

4位
ユージニア
ユージニア

5位
ベルカ、吠えないのか?
ベルカ、吠えないのか?

6位
容疑者Xの献身
容疑者Xの献身

7位
女王様と私
女王様と私

8位
モーダルな事象
モーダルな事象

9位
ダブルアップ 『このミス』大賞シリーズ
ダブルアップ 『このミス』大賞シリーズ

10位
痙攣的
痙攣的

【海外編ベストテン】
1位
サルバドールの復活〈上〉
サルバドールの復活〈上〉

2位
輝く断片
輝く断片

3位
カジノを罠にかけろ
カジノを罠にかけろ

4位
耽溺者(ジャンキー)
耽溺者(ジャンキー)

5位
パズル
パズル

6位
死影
死影

7位
ノー・セカンドチャンス 上巻
ノー・セカンドチャンス 上巻

8位
偶然のラビリンス
偶然のラビリンス

9位
嘆きの橋
嘆きの橋

10位
どんがらがん
どんがらがん

【国内編で候補にあがった30作品とメモ】
『6ステイン』福井晴敏(推薦:香)
『漆黒の王子』初野晴(推薦:香)
(香)ダークなファンタジー(吉)地下の部分がイマイチ
『羊の秘』霞流一(推薦:杉)
(杉)クイーン的。個人的に心のエラリー・クイーン賞をあげます。
『ゴーレムの檻』柄刀一(推薦:杉)
(杉)柄刀さんのベスト。『アリア系銀河鉄道』を先に読んで。
『とげ』山本申士(推薦:香)
(香)ハードボイルド。市役所の苦情係が主人公。
『痙攣的』鳥飼否宇(推薦:大)
(大)『迷宮の暗殺者』に近い。
『孤虫症』真梨幸子(推薦:香)
(香)郊外の団地で奇病がはやる。さなだ虫に名前をつけている。
『極点飛行』笹本稜平(推薦:香)
(香)南極を舞台にした冒険小説。
(吉)主人公の危機一髪度が足りない。
『死神の精度』伊坂幸太郎(推薦:吉)
(大)どうして評判いいのかわからない。フツー。
『犬はどこだ』米澤穂信(推薦:杉)
(杉)古典的サスペンス
『震度0』横山秀夫(推薦:大)
『破局の舞』千代田哲雄(推薦:関)
(関)金融謀略小説。アメリカが日本に経済で侵略してくる。
『沼地のある森を抜けて』梨木香歩(推薦:豊)
(香)宮本輝の『にぎやかな天地』もぬか床
(豊)テルはどうでもいいよ。
(大)ぬか漬け的にはリリー・フランキーの『東京タワー』の方がいい。
『少女には向かない職業』桜庭一樹(推薦:杉)
(杉)イヤな気持ちになりたい人にオススメ
『セリヌンティウス』石持浅海(推薦:杉)
(杉)頭の固い本格ミステリファンは選ばない
(大)動機をあんなロジカルに説明できない。
『神様ゲーム』麻耶雄嵩(推薦:大)
(大)児童書の体裁だけど大人向けのミステリーランドシリーズの一冊
ウチの子供には読ませないけどね。
『スタンレーの犬』東直巳(推薦:吉)
(大)伊坂幸太郎みたいだよね(吉)えーっ!?そう?
『ダブルアップ』ハセベバクシンオー(推薦:杉)
(杉)前半は歌舞伎町のバカ話だけど、後半はすばらしいギャング小説になる
『さようなら、ギャングランド』東山彰良(推薦:関)
(大)さわやかな『不夜城』
(豊)博多、台北、デトロイトを混ぜた架空の町だそうです
『バーストゾーン』吉村萬壱(推薦:豊)
(豊)孤島のクリーチャーもの
『黙の部屋』折原一(推薦:香)
(香)実在する石田黙さんという画家の話がおもしろい。
『うなぎ鬼』高田侑(推薦:吉)
(大)最初、クロムの鬼で応募したんだけどタブーに触れるのでうなぎにした。
妖しい小説。
『笑酔亭梅寿謎解噺』田中啓文(推薦:大)
(大)落語ミステリーの決定版。「タイガー&ドラゴン」よりこっちが先。
『ユージニア』恩田陸(推薦:豊)
(豊)ヒラリー・ウォーの『この町の誰かが』が好きな人にはオススメ。
『ベルカ、吠えないのか』古川日出男(推薦:豊)
『モーダルな事象』奥泉光(推薦:吉)
(吉)ミステリー的おもしろさはないかもしれない
(豊)キャンパスモデル小説
『女王様と私』歌野晶午(推薦:杉)
(杉)サイコサスペンス。妄想小説。
オタクには「こんなのホントのオタクじゃない」と叩かれてる。
『容疑者Xの献身』東野圭吾(推薦:関以外全員)
(関)この大天才があっけなく号泣するのが腹がたつ
(豊)要は「無法松の一生」。ここまで通俗にしないと直木賞、とれないわけよ。
『隠蔽操作』今野敏(推薦:香)
(香)警察のおエライさんの話(大)ミステリーというより企業小説
『シャングリラ』池上永一(推薦:豊)
(豊)これを評価しないで何を評価するんだ!!
(全員)ミステリーじゃないじゃん
(吉)東京の地形を無視してる
(大)私も今年のベスト1にした。ただしSFのね。

【海外編で候補にあがった30作品とメモ】
『NYPI』ジム・フジッリ(推薦:関)
(関)妻子を事故で失った歴史学者がその事故に不審を抱き自ら探偵になる。
主人公が妻に宛てた手紙が泣ける。
『コロラドの血戦』クリントン マッキンジー(推薦:香)
(香)ワイオミング州の捜査官が主人公。アウトドア系冒険小説。
犬好きの人にもオススメ。
『パズル』アントワーヌ・ベロ(推薦:関)
(関)フランスミステリー。バラバラ殺人。64個の断章。
物語のプロットがパズルになっている。
『アジアの岸辺』トマス・M.ディッシュ (推薦:豊)
(豊)短編集。実験的SFが好きな人にオススメ。
『失われし書庫』ジョン・ダニング(推薦:香)
(香)元刑事が古本屋探偵になった。今回はバートンの本が見つかる。
ハードボイルド&歴史小説。
『最後の一壜』スタンリイ・エリン(推薦:杉)
短編集
『無頼の掟』ジェイムズ・カルロス・ブレイク(推薦:香)
(香)1920年代の痛快活劇。主人公はすごい義手で悪漢をいたぶる。
『悪魔の赤毛』デイヴィッド・コーベット(推薦:吉)
(吉)麻薬組織の犯罪がらみ。
『耽溺者(ジャンキー)』グレッグ・ルッカ(推薦:香)
(香)女探偵ブリジッドが主人公。麻薬組織に潜入。
(豊)女性に読んでほしい。まずは前作から読んでほしい。
『スパイズライフ』ヘンリーポーター(推薦:吉)
(吉)主人公はもとMI6の捜査官
『カジノを罠にかけろ』ジェイムズ・スウェイン(推薦:吉)
(吉)ラスベガスが舞台。ギャンブルミステリー。痛快娯楽作品。
(豊)大味!?
『最後の審判の巨匠』レオ・ベルッツ(推薦:大)
(大)1920年代に書かれた作品。アンチミステリー。
『ララバイ』チャック・パラニューク(推薦:杉)
(杉)ダークな『指輪物語』。ある詩集を読んだ子供が次々と死んでしまう。
主人公はその本を回収するため旅に出る。
『セビーリャの冷たい目』ロバート・ウィルスン(推薦:吉)
(吉)猟奇殺人をめぐるサスペンス
『デセプション・ポイント』ダン・ブラウン(推薦:香)
(香)『ダヴィンチコード』の作者。アウトドア系冒険小説。
僕はダヴィンチよりこっちが好き。
『百番目の男』ジャック・カーリィ(推薦:杉)
(杉)バラバラ殺人。心理学者である捜査官が事件を追う。
犯人がバラバラにした動機がすごい。
『死影』マイケル・マーシャル(推薦:吉)
(吉)元CIAの男が死んだはずの父親から手紙を受け取り、
両親の行方をさがしはじめる+連続誘拐事件
(豊)2つの話がなかなかつながらないのがいい。
『ニューヨーク大聖堂』ネルソン・デミル(推薦:関)
(関)IRAのテロリスト集団がNYの大聖堂にたてこもる。
『輝く断片』シオドア・スタージョン(推薦:大)
(大)SF作家として有名だけどこれはミステリーの短編集。
『愚か者の祈り』ヒラリー・ウォー(推薦:関)
(関)家出していた少女が5年ぶりにもどってくる。5年間、少女は何をしていたのか。
(大)刑事の上司と部下のコンビもいい。
『神と野獣の都』イザベル・アジェンデ(推薦:大)
(大)情けない男の子が強いおばあちゃんとアマゾンを旅しながら成長する。恩田陸の『上と外』っぽい。
『鉄槌』ポール・リンゼイ(推薦:関)
(関)やる気を失っている刑事とガンで片足を失った刑事が事件を解決するうちに友情が芽生える。
『回想のビュイック8』スティーブン・キング(推薦:豊)
(豊)警察に長く勤めた父をなくした少年が父の勤め先である警察分署でビュイック8を見つける。
(大)帯に書いてあるけど『スタンド・バイ・ミー』とは似てない。もっとグロ。
『偶然のラビリンス』デイビッド・アンブローズ(推薦:吉)
(吉)次から次へと偶然に見舞われる主人公
『クライムマシン』ジャック・リッチー(推薦:吉)
(吉)短篇小説のお手本。
『ノーセカンドチャンス』ハーラン・コーベン(推薦:香)
(香)形成外科医の主人公が病院で目覚めると奥さんは殺され娘は誘拐されている。
『みんな行ってしまう』マイケル・マーシャル・スミス(推薦:関)
(関)SFホラー。奇妙な話ばかりの短編集。
『サルバドールの復活』ジェレミー・ドロンフィールド(推薦:杉)
(杉)大学時代、親友が塔から転落死した。その塔に友人たちが閉じ込められる。
最初はゴシックミステリーっぽいんだけど、実はゴシックロマンス+青春映画。
『どんがらがん』アヴラム・デイビッドスン(推薦:関)
(関)ミステリーというかSF
(大)いやMWA賞を受賞しているからミステリーだよ。その受賞作が一番つまんないけど
(豊)私は「ナポリ」がいい
『嘆きの橋』オレン・スタインハウアー(推薦:吉)
(吉)戦後まもない東ヨーロッパの架空の国が舞台。スパイ小説。
これが5部作の最初なので今後に期待。
(大)冷戦の話なのに架空の国ってどうなのよ?

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December 02, 2005

『五里霧』by大西巨人

406198392X五里霧
大西 巨人

講談社 2005-01
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「おおはしきょせん」じゃありません。
「おおにしきょじん」です。
若い子はそもそも巨泉を知らないか(笑)
三浦しをんが「大西巨人いいよー」と書いていたので
読んでみた。
講談社文芸文庫なので、文庫なのに1365円もする。
ところが、overQさんに教えていただいたのだが
ネットでただで読めるそうです。ショック_| ̄|○

2.26事件、戦争、召集、労働運動、差別、左翼文学、東欧民主化、
フェミニズム、エイズ……。
1931年から1992年までの、ある年ある月の出来事を手懸りに、
当時の時代相を鋭く抉り、人間の生き方を問い直す
12の物語で構成された短篇オムニバス「十二か月物語」。

「エイズ」は血友病である主人公とその妻の話。
二人が実に淡々としているので、
「エイズは大変な問題なんだ」といわれるより
心に残る話です。
大西さんは実際に、お子さんが二人とも血友病なんだそうです。

表題作「五里霧」は、ある強盗事件について発言した作家である主人公のもとに
二人の人物が訪ねてきて…という話。
これは私も読みながら、主人公と同じ発想をしたので、
知らず知らず、人間は差別をしてしまうものなのだなあと感じました。

「牛返せ」は未開放部落の話。
(もしかして今は、未開放部落って使っていけないことば?自信ない)
差別があるとは知ってましたが、部落民の人が、部落民でない人に、
買物の代金を直接、手渡すことが許されず、
店には代金受け取り用の箱が置いてあったという話には驚きました。

大西さんは86才の現在もご自身のHPで連載を続けておられます。
長生きしてこれからもいい作品を書いていただきたいなあと思います。

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tanpen

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