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January 20, 2006

『にぎやかな湾に背負われた船』by小野正嗣

にぎやかな湾に背負われた船にぎやかな湾に背負われた船
小野 正嗣

朝日新聞社 2005-10-13
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Rymさんからのオススメ。
ひさびさにスゴイ本を読んだと興奮しつつ
同志を求めてネットで感想を検索してみたものの
「まあ、悪くないんじゃないの」的な冷めたご意見が多く
「どうせ、わたしゃ、世間と感覚がずれてますよ」とちょっと拗ねる。

湾のある「浦」の駐在として赴任してきた父、母とわたしと弟。
ほのぼのした話?
ちょっと川上弘美っぽいかしら。
いや、やっぱり全然、違う。
可笑しい話?
でも、ちょっと切ない…
時折、挿まれる「浦」の歴史。謎。
ミステリー的おもしろさもある。
そして、最後にわかる「浦」の秘密。

日本という設定なのに、どこでもない国のように感じるのは
作者がこの作品をフランスのオルレアンで書いたせいでしょうか?
筒井康隆には
「ほめ過ぎになるが、小生は『ガルシア=マルケス+中上健次』という感銘を得た」
と評された。
併録の『水に埋もれる墓』はもったいないので、今、読まず
また後日。

ひとつだけ、落語のオチのような最後の一行はいらないような気がした。

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Comments

「ガルシア=マルケス+中上健次」といわれると、ぐぐっと惹かれます。
調べてみると『ミゲル・ストリート』を翻訳した人なんですね。
すごく読んでみたいです。

Posted by: uota | January 21, 2006 at 05:38

このラストシーンは秀逸ですね。船が、異様な存在感をもって浮いていました。最後の行は、確かに、そう。『水に埋もれる墓』はもっと読みにくい感じですが、それもまた魅力のひとつで。

Posted by: Rym | January 21, 2006 at 10:57

>uotaさん
これはおもしろかったですよー。
ひさびさに途中で本を閉じたくない読書でした。
私はガルシア=マルケスも中上健次も
読んでいないので(読まなくちゃ (^^;;)
そのあたりのことは何とも申し上げられないのですが…
『ミゲル・ストリート』未読です。
今、フランスにかぶれているところなので
是非、読んでみたいです。

Posted by: LIN | January 21, 2006 at 10:59

>Rymさん
ステキな本を教えてくれてありがとう。chu♪
でも貴方が「いまはもう絲山秋子の時代だよな」と書いている
絲山秋子はビンボー臭くてどうもダメです。
『スモール・トーク』を読みました。
帯には「徳大寺有恒氏絶賛」と書いてあります。
バブルの塊のようなおじさんがよくいうよ!です。
絲山秋子については近いうちに記事にします。

Posted by: LIN | January 21, 2006 at 11:11

読み終わりました。
予想通りのいい作品でした。
こういうタイプの小説が最近少ないですねぇ。
小説というより文学かな。

Posted by: uota | February 12, 2006 at 23:51

>uotaさん
お読みになったのですね♪
そうそう、最近見かけない、まさに“文学”でした。
近頃の小説はすっかり“オハナシ”化してますから。
今からuotaさんの感想を拝見しに伺いますねー。

Posted by: LIN | February 13, 2006 at 10:59

はじめまして。
今さらですが、書籍のタイトルで検索しておじゃましました。

>近頃の小説はすっかり“オハナシ”化してますから。

うまい表現ですね。うちのblogにも感想書いてますので、よければ見に来てやってくださいませ。

Posted by: komatta | June 05, 2006 at 20:00

>komattaさん
はじめまして(*^^*)
コメント、ありがとうございます。
『にぎやかな湾に背負われた船』はひさびさに文学を読んだという気がしました。
どうも最近の日本の小説ってライト化が進んでいるのか、
どうでもいいような内容の作品が多くないですか?
作家が人形を操るように、自由自在に登場人物を動かしてしまっては
ダメなんじゃないかと私は思っています。
あ、初めての方に長々とごめんなさい(^^;
私は小説に関しては毒舌が多いのですけれど、
これを機会に今後ともよろしくお願いします。

Posted by: LIN | June 06, 2006 at 09:04

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