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March 11, 2006

『悲劇週間』by矢作俊彦

悲劇週間悲劇週間
矢作 俊彦

文藝春秋 2005-12
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詩人、堀口大學がメキシコで過ごした青春時代と
メキシコ革命。
その父が関わったとされる閔妃殺害事件。
祖父が関わった明治維新。
フランス語教師ドン・ペレンナが体験した普仏戦争。
そして大學が憧れ続けた与謝野晶子とのエピソード。

あれもこれもつめこみすぎです(笑)
歴史を語るのにいっぱいいっぱいで
作品が説明的なんですね。
堀口大學の気持ちもよく見えてこない。

それでも読む価値あり。
やはり大作ですし、メキシコの風景もすばらしい。
当時からアメリカはずるかったというようなこともわかる。
それに比べて、この頃の日本は外国人に尊敬されていたのだ。

そして何といっても、この作品で際立つのが女性たちの強さ。
ヒロインしかり、継母しかり、与謝野晶子しかり。
男たちがわあわあと騒ぐ中、女性はどしっと落ち着き
いつも冷静です。

ところどころ、文章がつながらず「あれ?」と思う箇所があった。
私の誤読かもしれないので、再読したい。

※今週のNHK-BS週刊ブックレビューに矢作さんが出演され
この作品について解説します。

【チェックした箇所】
P.304
男にとって詩は麻疹のようなものかもしれん。

P.331
人間が死ぬということを、絶えず思い出させてくれるでしょう。
そうしないと、ほら、すぐに忘れてしまいますから、
わたしたちが生ける死者であることを。

p.351
日本では人生が芸術であるのです。

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Comments

ぷっ。
そうそう、つめこみすぎ。
堀口大學氏がただのツールのようになってしまっていているので、その辺りのことを矢作ファンとしては、少し心配してます。(?)
でも読む価値はアリですよね。(笑)
LINさんと同じ箇所!私もチェックしてます♪
モレスキンにしっかりメモってます。

Posted by: pico | March 11, 2006 at 16:23

LINさん、おはようございま~す♪
週刊ブックレビューみました!
矢作さん、少年みたいでしたね。
クールに自分をおいてお話してらっしゃるなぁと思ったら、
「あとは何を遺してくださるんでしょう?」の質問に、あわあわたじろいでたり。(笑)
女連れてギターかついで戦争をする姿が書きたかった。っておっしゃってたけど、
確かにそうなんだけど、あれだけの内容をその言葉で括っちゃうのが、もう笑えて笑えて仕方ないです。
しかも、2回も繰り返していってましたね。(笑)
ふざけた(粋な?)親父だなぁ~と思いました。
おもしろかったです。
実は、週刊ブックレビューみるの初めてなんです。
今度から、かかさずみようと思います。
LINさん、ありがとうございます!

Posted by: pico | March 12, 2006 at 09:15

>picoさん
おー、週刊ブックレビュー、ご覧になったのね。
あれは本好きなら必見の番組ですよー。
私は日曜日の深夜、再放送を見ているの。
矢作さん、笑かしてくれるんですね。
それは楽しみ~♪
うっかり寝ちゃう時もあるので、今日はしっかり
タイマー録画しておかなくちゃ。
堀口大學はまるでのび太君のようなダメダメちゃんでしたが
それに比べてフエセラはステキでしたよねー。
でもフエセラはやっぱりあの人が好きだったのね。
これ、映画になったらステキじゃない?
グスタヴォは誰がいいですかねえ?(うっとり)

Posted by: LIN | March 12, 2006 at 09:57

LINさん、どうもありがとう。
オススメ頂いて、夢の様な時間を頂きました。
メキシコの風土の記述が素晴らしくてその地に自分も身を置いているような感じがしました。
この小説を読むと、堀口大學がたくさんの国の「歴史」の中に身を置いていたということが分かり、これから彼の詩を読む時は、今までとは違った感慨を持つように思います。
また、彼の父・堀口九萬一は、結局、息子大學を30歳になるまで経済的に面倒見たそうですが、息子というより、自分のもう一つの姿(分身)と思っていたのではないかと感じました。
詩人が激動の時代に身を置く事は、詩人として生きる為に一つの大きな要素のようにも感じました。

Posted by: ワルツ | June 21, 2006 at 02:15

>ワルツさん
楽しんでいただけたみたいでよかったですー。
この記事では「つめこみすぎ」なんて書いちゃってますが
私もこの作品、大好きなんです。
>堀口大學がたくさんの国の「歴史」の中に身を置いていた
メキシコの後がフランスでしたっけ?
恵まれた環境でしたよね。
>自分のもう一つの姿(分身)と思っていた
おー、さすが、ワルツさん、鋭いです。
うん、そうかもしれないですね。
こんな本がありましたよ。
http://www.asahi-net.or.jp/~wh4k-bnb/dosa/2001/20010525.html
>詩人が激動の時代に身を置く事…
これも同感です。
今、平和な時代ですからね。
詩人は大変ですよね(笑)

Posted by: LIN | June 21, 2006 at 09:47

きゃ~~!!LINさん、どうもありがとうございます。
調べて下さったのですね。すごい、流石です。
>『黄昏の詩人 堀口大學とその父のこと』
『悲劇週間』の余韻覚めやらぬうちに是非ぜひ読んでみたいです。
本当にどうもありがとうございます。(*^。^*)

Posted by: ワルツ | June 22, 2006 at 00:45

>ワルツさん
喜んでもらえて嬉しいです(*^^*)
この本、おもしろそうですよね。
最近、私、本を読むとそれに関連する本も読みたくなって
どんどん横道に入ってしまい、気がつくと迷子になって
本の森の中でぽつーんと途方に暮れてるんですよー(笑)
ワルツさんはそういうことないですか?
『黄昏の詩人 堀口大學とその父のこと』の感想、楽しみにしてます。

Posted by: LIN | June 22, 2006 at 10:32

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