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March 11, 2006

『ウェブ進化論』by梅田望夫

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まるウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
梅田 望夫

筑摩書房 2006-02-07
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ぼんやりと感じていたネットへの希望というものが
これを読んで明確になった。
そうそう!そういうことだよ!と。
この本、今、かなり売れているらしいのだが、
インターネットを身近な道具として使っていない
経営者のおじさまたちにはちんぷんかんぷんだろうなあ。
実際、著者が偉いおじさまたちの前で講演しても
わかってもらえないことが多いらしい。
でもそれはおじさまたちがすでに権威だからなのだ。

今まで表現者のプロフェッショナルを認定する権威は
メディアが握っていた。
そして、その認定は公平なものではなかった。
今、メディアで活躍する表現者は
たまたま権威の目に止まったに過ぎない。
私たちとさほど実力が違うわけではない。
しかしこれからはネット上で誰もが表現できる。
Googleのいうところの「ウェブ上での民主主義」である。

オープンソースという考え方も今後、世界に大きな影響を与えるだろう。
今まで閉じられた研究室で解決しなかったようなことが
インターネットというオープンな空間で、多くの人が参加することによって、
実際に解決したという事例がある。

「これからの時代、どうなるんだろう」と不安に感じている方は
読んでみるといいですよん♪
未来に希望が見えてきます。
「読んでみたけれど、こんなの夢物語だ」という方は207ページを
もう一度、開いてみてください。
「忌避と思考停止は何も産み出さない」です。

016
レベルの高い参加者がネット上で語り合った結果
まとまってくる情報のほうが、
権威サイドが用意する専門家(大学教授、新聞記者、評論家など)
によって届けられる情報よりも質が高い。

019
インターネットの真の意味は、
不特定多数無限大の人々とのつながりを持つためのコストが
ほぼゼロになったということである。

28
モチベーションの高い優秀な才能が自発的に結びついた状態では
司令塔にあたる集権的リーダーシップが中央になくとも
解決すべき課題に関する情報が共有されるだけで
その課題が次々と解決されていくことがある。

86
グーグルでは就業時間の80%は既存プロジェクトに参画するが
20%の時間はオリジナルな仕事にあてなければならない。

91
楽天の三木谷氏やライブドアの堀江氏は
テクノロジーへの関心が薄い。
テクノロジーはサービスのために利用するものという姿勢を貫いている。

93
「人間なんか使うわけないだろう。
グーグル・ニュースはエンジニアリング・ソリューションなんだから」

98
ロングテール現象

137
これまでモノを書いて情報を発信してきた人たちが
いかに「ほんのわずか」であったかということに改めて気づく。
そしてその「ほんのわずか」な存在とは、
決して選ばれた「ほんのわずか」なのではなく、
むしろ成り行きでそうなった「ほんのわずか」なのだ。

153
忙しい人には「玉」の発見にかける時間などないから
玉石混交問題の解決に大きなブレークスルーがなければ
相変わらず、新聞・雑誌などパッケージされた情報源への依存が
続くことになる。

159
これまでの既存メディアの権威のもとでの秩序が素晴らしい点は、
表現者として認知されれば「飯が食える」というルールが
それなりに確立していることだ。
それが揺らごうとしているにもかかわらず、
新しくできるかもしれない秩序では、
表現者にカネが落ちてくる気配が薄い。

160
ドルやユーロでアドセンス経済圏はできあがっている。
よって、生活コストの安い英語圏の発展途上国の人々にとっては
生活コストに比して驚くほどの収入がアドセンスによって
もたらされる。

207
忌避と思考停止は何も生み出さない。

216
多くの人が次から次へとあるレベルに到達する一方、
世の中のニーズのレベルがそれに比例して上がらないとすれば
せっかく高速道路の終点まで走って得た能力が
どんどんコモディティ(日用品)化してしまう可能性もある。
一気に高速道路の終点にたどりついたあとにどういう生き方をすべきなのか。
特に若い世代は、そのことについて意識的でなければならない。

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Comments

LINさ~ん♪(ふりふり~!)
元気ですよ~!!!(笑)

>137
そしてその「ほんのわずか」な存在とは、
決して選ばれた「ほんのわずか」なのではなく、
むしろ成り行きでそうなった「ほんのわずか」なのだ。


これに、大きくうなずいちゃいました!(笑)
私の場合、特殊な職業だから、周りの人からちやほやされやすかったりするんですけど、
いつもそれは間違ったことと思って訂正してきたんです。
私はたまたまそういう立場にあっただけで自分より書ける人なんて、この世にごまんといて、いつも反省するばかり。
blogやネットでいろんな人の言葉を読んだり、情報収集するごとに、激しく自己嫌悪に陥ったり、はたまた、力づけられたり、たくさんのことを学ばせてもらったりしてるなぁと思うことしきりです。

>インターネットというオープンな空間で、多くの人が参加することによって、
実際に解決したという事例がある

これのもっとも良い事例は、「ホテル・ルワンダ」の日本公開ですね。
すごい画期的な事実だと思います。

ネットでもなんでも、紳士淑女たるもの、未開の地には進むべき!ですね。

Posted by: pico | March 11, 2006 at 16:12

LINさん、こんばんは∈^0^∋
ようやく、ベンチャーが立ち上がりそうです。
その柱の一つに、高齢者のネットを見られる環境があります。4月からは高齢者の方々と情報取得についてお手伝いができそうです。実は高齢社会白書で情報の取得方法としてInternetは実に1.8%しかいないのが現状です。
 高齢者こそネットで情報弱者になって欲しくないですね。
くまさんことくまボンでした。ではでは(^.^)/~~~

Posted by: くまさん | March 11, 2006 at 18:18

>picoさん
ブログをやりだして何がびっくりしたかって
みなさん、才能のある人ばかりだってこと。
音楽に造詣の深い人、絵や詩がうまい人、
写真のじょうずな人。
プロ顔負け。
でも、それを職業にしているわけではなくあくまでも趣味。
ネットは世界中のそんな才能が楽しめるんだもの。
大変、刺激的。
あとは、この本にも書いてありましたが
それをどうやって収入に結びつけるかでしょうね。
「ホテル・ルワンダ」ご覧になったんですね。
『文明崩壊』にもルワンダの虐殺について
詳しく書かれていたんですが、結局は貧困なんだと思う。
でも、たとえば、ネットでアフィリエイト広告ってあるじゃない?
私たちは微々たる金額だから、気にもとめないけれど
国によってはかなりの収入になるんです。
だからGoogleのめざしているのは「民主主義」なんですよ。
今、私とpicoさんはフランス語を勉強してますが
近いうちに、語学がわからなくても
ネット上で世界中の人と自由に話せる時代がくるでしょう。
まあ、でも勉強自体が楽しいからいいんだけどね(笑)

Posted by: LIN | March 12, 2006 at 09:44

>くまさん
ベンチャー立ち上げ、おめでとうございます。
PAN!( ^-^)∠※.。・:*:・゜`☆、。・:*:・゜`★
高齢者がネットを見られる環境!
すばらしい!
ウチの両親も興味はあるようですが、
いくらいっても手を出そうとしません。
怖いらしいです(笑)
高齢者の方こそ、インターネット、楽しめると思うし
ネットこそ、高齢者の方が培ってこられた経験が
活用できるのではないのでしょうか?
がんばってくださいね♪

Posted by: LIN | March 12, 2006 at 10:02

初めてコメントします。
いつも楽しく読ませていただいていました。
私も読書大好きで、今回のウェブ進化論はちょうど私も読んだところなので、コメント残したくなりました。
LINさんの本選択基準って何ですか?私は一つのこだわり以外は、流れるまま、赴くまま、手に取ったもの、耳にしたものを読んでいるので、是非教えて欲しいですっ。

Posted by: hisako | March 12, 2006 at 11:38

>高齢者の方こそ、インターネット、楽しめると思うし
ネットこそ、高齢者の方が培ってこられた経験が
活用できるのではないのでしょうか?


全くその通りだと思います。
母は最近、ブログに興味を持ち始めました。
同じくらいの方々が元気にお過ごしの様子などを拝見し自分を
叱咤激励しているようです。
残念ながらコメントを書き込むまでにはいっていませんが・・・・。
お友達にもお気に入りを紹介したりして楽しみ始めたようです。


>「忌避と思考停止は何も産み出さない」です。

娘が中学生の時の3者面談で「あきらめは愚か者の始まりです」と
親子で先生に言われたことを思い出しました(^^;)

Posted by: ともちゃん | March 13, 2006 at 08:47

>hisakoさん
はじめまして。
コメントありがとうございます。
『ウェブ進化論』は、噂にたがわずおもしろい本でしたねえ。
YahooとGoogleは同じようなものだと認識していた私は
目からうろこです。
本選択基準ですか。
うーん、何だろうなあ。
私も基本的には自分の感情の赴くままなんですが
「WEB本の雑誌」で紹介される類の本は読まないですね。
http://www.webdokusho.com/
どうも今、日本で人気があるといわれている
ポップな作家のみなさんがキライなんですねえ(笑)
したがって世の中の流れとは相当、ずれてると思います(・∀・;)
こまめにチェックしているのはNHK-BSの週刊ブックレビューです。
http://www.nhk.or.jp/book/
これはジャンルも偏っていなくて幅広いので
番組を見るたびにほしいと思う本が1冊はありますね。

Posted by: LIN | March 13, 2006 at 09:03

>ともちゃん
なぜ、人は、年を取ると元気がなくなってしまうのでしょう?
ウチの母も、かなり凹んでいるのでネットを薦めているのですが
何せビデオも使えないような人なので…(・∀・;)
ともちゃんのお母様は積極的ですばらしいですね。
私も応援しているとお伝えください。
>あきらめは愚か者の始まりです
おー、このことばも胸に沁みますね。
私は自分の人生がうまくいかないことを
世間や年齢や他人のせいにしてしまうのが
一番、つまらないと思ってます。
だって、自分の人生ですから、自分で楽しくしなければ
誰が楽しくしてくれるというのでしょう?

Posted by: LIN | March 13, 2006 at 09:16

LINさん (そして思い切って初めまして)ベンチャーを立ち上げられたくまさんへ。
素晴らしい事ですね。
高齢者本人としてモロテを挙げて賛成です。
ワタシ10ヶ月前はメールも出来なかったんですがLINさんに励まされながらヨチヨチやってきました。始めは怖くてたまらなかったんですがやっと面白くなってきました。というかずーずーしくなってきました。
もう少ししたらほんのちょっとでも助ける側になりたいです。

Posted by: Panza | March 15, 2006 at 14:14

 僕は「ウェブ上での民主主義」ってすごく暴力的で、愚かしい物なのではないかと思うのですけど。たぶん、これから数ヶ月とか数年で、そういう物が表出するんだろうなあ、とか思います。
 どういう風になるのか楽しみです。皮肉抜きに。民主主義の根幹が疑われるような事になるのかも知れない、とか漠然とわくわくします。

Posted by: LSTY | March 15, 2006 at 15:50

>Panzaさん
Panzaさんはネットをじょうずに使いこなしていらっしゃると
思いますよ(*^^*)
それもPanzaさんには「笙野頼子」という
強い目的があったからではないでしょうか?
高齢者の方に多いのが
「何だかよくわからないが、みんながやっているから
インターネットをやってみたい」という人。
ネットに限らず、人生、受け身では
なかなかその楽しさはわからないのではと
私は思ってしまうのですが…
その点、Panzaさんはすばらしいです!
ところで、笙野さん、
「複数の神の声が出てくる私小説を書こうとしているのだった」
と書いてありましたね♪

Posted by: LIN | March 16, 2006 at 09:27

>LSTYさん
今、ちょうど昭和史の本を読んでいるのですが
国民が軍やマスコミに扇動される様子がまざまざと
わかるんです。
でもあの頃と今が違うのは情報量じゃないかと。
リサーチでもそうなんですが、個体数が多ければ多いほど
真実に近づきます。
この本によれば、アイオワ電子市場(予測市場)は
2004年のアメリカ大統領選挙のブッシュ得票率を
僅差でいいあてたようです。
だから意外にも、ネットってバランス感覚にすぐれているんじゃないかと
私は思うのですが、今後、どうなっていきますかねえ?

Posted by: LIN | March 16, 2006 at 09:42

お誕生日おめでとうございます。✿✿✿✿✿
由←ケーキです。
♥笙野新作読まれたんですね♥

Posted by: Panza | March 16, 2006 at 21:49

>Panzaさん
ああ、Panzaさん、ありがとうございます。
「もう誕生日を祝う年でもあるまい」と
ここ数年、誕生日もひっそりと過ごしておりますので
「おめでとう」といっていただけるのは嬉しいです。
昨日も、ニンテンドーDSという携帯ゲーム機に
「お誕生日おめでとうございます」といわれ
「機械にしか祝ってもらえないのか」と
ちょっと寂しい気分だったところです(笑)
笙野さんはどんなお誕生日を迎えられたのでしょうか?
新作は、後半がちょっとむずかしいのです。
Panzaさん、解説、お願いします。

Posted by: LIN | March 17, 2006 at 09:33

お忙しいのに何度も済みません。実はこの欄の上の方のLINさん→くまさんのトコのきれいな飾りつけを拝借しました(返せなくて済みません)。自分の3月16日の記事はちょっと華やぎを、と思って。真夜中に思いついたのでお断りもなしに。
新BBSは女子も来易いものになるとイイナと思います。相変わらずLINさんのやり方をマネして行けばなんとかなると(笑)。暇ができたらぜひお出かけを!といってもお忙しそうね。もう返事はいらないよ。お礼だけ言いたかったの。

Posted by: Panza | March 17, 2006 at 13:33

>Panzaさん
>もう返事はいらないよ。
いや、そういわれても書く(笑)
飾りつけ、どうぞ、どうぞ。
記事、見ましたよー。
ステキに飾りつけられてますね。
BBSも拝見しました。
私も書き込みしたいんだけど
みなさんのレベルが高くて(^^;
最新作に書かれていたブログのこと、
絶対、Panzaさんのことだと思うなあ。

Posted by: LIN | March 18, 2006 at 09:42

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