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March 06, 2006

『文明崩壊』byジャレド・ダイアモンド

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)

3週間くらいかかったでしょうか。
でも、読んでよかった。
読まなければ気づかなかったことがたくさんあった。

私たち日本人の豊かな暮らしは
他の国の犠牲のもとになりたっています。
たとえば、日本の割箸はほとんどが中国からの輸入で
これは中国の木を切り倒すことによって作られています。
木を切れば、森がなくなり、
森がなくなることで、かつて多くの文明が消滅してきました。
マヤ文明、グリーンランド、アナサジ族…
そして、モアイで有名なあのイースター島も
かつては樹木の生い茂った島だったのです。
日本が、その人口にもかかわらず、
先進国の中でも国土に占める森林の割合が高いのは(74%)
たまたま恵まれた環境だったということと
徳川幕府が徹底的な管理を行ったからでした。
しかし、その影で蝦夷が犠牲となり
そして、今は、中国がその犠牲となっているわけです。

先ごろ、映画「ホテル・ルワンダ」が公開されましたが
この本には、なぜルワンダの大量虐殺が起こったか
その詳しい背景についてものべられています。

私たちがあたりまえのように食べている牛肉は
育てるために、大量の穀物を必要とします。
肉を食べず、穀物を食べれば、15人が食べられるのです。
魚も乱獲がすすみ、需要に供給が追いつきません。
養殖は、より効果的に生産するために、
遺伝子操作が行われており、危険だといわれています。
今でもCO2は削減しなければならない状態なのに
中国やインドの近代化はめざましく、自動車の排気ガス量は増えています。
しかし、私たちは中国やインドに「発展するな」とはいえません。

「他の国のことなんて関係ないね」という考えもまちがってます。
日本は多くの製品・食品を貿易に頼っており
江戸時代のような鎖国は不可能だからです。

是非、みなさんに読んでいただきたい本です。

チェックした箇所
下巻P.239
ドイツの劇作家シラーいわく、
「どんな人間も、個人として見ればまず分別があり、
道理をわきまえているが、
群集の一員になったとたん、愚か者に変わってしまう」

下巻P.293
ドイツに本部を置く森林管理協議会FSC

下巻P.307
政府の食品医薬品局が蔓延のリスクを増やすような
職務慣行をやめさせる規則を導入したとき、
食肉業界はその規則が過剰な出費を強いるという理由で
五年にわたって抵抗を続けた。
ところが、ハンバーガーの売り上げの急落に頭を痛めた
マクドナルド社が、納入業者に同じ要求を突きつけたところ、
食肉業界は数週間のうちに従った。
(中略)
一般市民の務めは供給チェーンの環の中で、
大衆の圧力に敏感な環を探し当てることだ。

下巻P.313
バイオスフィア2=米国アリゾナ州に研究目的で建造された
巨大な人口生態系

下巻P.343
先進諸国が現在味わっている繁栄は、預金口座にある
環境資本(再生不能のエネルギー源、天然の魚介資源、
表土、森林など)を
食いつぶすことで得られたものだ。
引き出した預金を稼いだお金と勘違いしてはならない。

下巻P.354
環境ストレスもしくは人口過密もしくはその両方をかかえた国は
政治的ストレスにさらされ、政権が崩壊する危険性が高くなる。
窮乏し、腹を空かせ、希望を失った住民は、
政府に責めを負わせようとするだろう。
彼らはなんとかして国外移住を図る。
土地を奪い合う。殺し合う。内戦が始まる。
失うものがないと知ったものは、テロリストになったり、
テロを支援もしくは容認したりする。

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Comments

 先進国になる、とか豊かになる、と言うことは、つまり「戦争の後方になる」と言うことなのだな、ということに、つい先日気が付きました。
 そして「戦争反対」は、突き詰めると「EU反対、アメリカ反対、日本反対、ロシア反対、中国反対」だと。
 で、最終的には「世界を見て選挙に行こう」ってことなのかなあ。

Posted by: LSTY | March 06, 2006 at 15:17

LINさん、こんばんは∈^0^∋
大変お久しぶりです。いつもリーダーで読んでます。
伐採で文明崩壊はレバノンのレバノン杉も典型的ですね。一人の行動は、全世界に関係していることを、連鎖していることを考えながら行動しなければ行けませんね。
 特に食物については、格差社会で高値で購入するところに流れてしまいます。最近ですと、マグロは日本よりも高値のため中国に流れています。そのうちに日本でマグロが食べられなくなるような、冗談のような本当の話が、チーズも中国の消費量が増えることで値上がり。食物に関する連鎖はお隣中国が実践してくれてます。日本も自給自足頑張らないと大変ですね。
 なんでも大切にしないと行けませんね。
シラーは大好きな作家です。
 くまさんことくまボンでした。ではでは(^.^)/~~~

Posted by: くまさん | March 06, 2006 at 19:07

Linさん、おつかれ~。結構分厚いし読みにくかったですよね?私も結構苦労した部分がありました。この近代化、Modernity、ということがイコール西洋化、民主化、ということにあらためて疑問をなげかけてくれる本だと思います。グローバリズムということは机上のことではなく、毎日の生活がLinさんのおっしゃるとおり誰かの犠牲の上になりたっているんですね。
その昔、加藤登紀子なんかが「割り箸反対運動」とかやってましたけど、そういうことではなく、根本的なGlobal Economyでものを考えていかないといけないと思うんです。日本人が割り箸使わなくなったって、割り箸を作らないと食べていけない人たちがいる、、、。なんか悪循環の賜物のような気がします、世の中、、、。(ため息)

Posted by: Miwako | March 06, 2006 at 23:21

 こういうのを読んでいると、つくづく平和ボケニッポンってのを感じますねぇ。
 森林もそうだし、経済的に他国を踏みつけているもそうだし、あと、日本国内だってそうだよね。

 都市の電力が足りないからって周辺の地方に原発を増設したりするんだ。この国は。大阪だったら若狭、東京だったら……福島かな?
 地盤がどうの地震がどうのとかお偉いさんは言っているけれど、狭い日本なんだからさ、大きな地震が来たらどこも一緒でしょとか思っちゃいます。
 電気は欲しい、でも原発は怖い。じゃ他のトコに作っちゃえってんじゃ子供でも納得しませんよ。
 まったく。自分の町で必要な電力なら自分の県庁の中にでも作れよなって言いたくなります。そんな覚悟もないくせにヒトサマの土地に作るなと。

 こういう、行政レベルや民間レベルからして、他者を踏みつける社会になっちゃってるのかもしれませんね。
 そして、こんな考え方がすべての原因なんでしょうね。きっと。
 いずれこのツケは払わなきゃいけないんだろうなぁ……。

Posted by: ろぷ | March 07, 2006 at 06:35

>LSTYさん
学生時代、授業で習いました。
今まではイデオロギーや宗教が戦争の原因だったが
21世紀には富める者と貧しい者との戦争になるだろうって。
まさしくそういう時代になったわけです。
最近のニュースを見ていると結局、中国もインドも
アメリカをめざしているのでしょうか?
世界中の国がアメリカになったら、きっと地球崩壊です。

Posted by: LIN | March 07, 2006 at 09:15

>くまさん
ごぶさたしております。
そうそう、ココログユーザーのくまさんにお知らせです。
今週、ウチのブログが週刊ココログガイドで紹介されてます。
よかったら見てくださいね。
http://guide.cocolog-nifty.com/
レバノン杉のことは知りませんでした。
今、検索してみました。
教えてくださってありがとうございます。
おお、最近、マグロが高いと思ったら
そんな事情があったのですね。
中国は人口が多いですから、
今後、世界経済に大きな影響を与えるにちがいありません。
中国の方に「食べるな」とはもちろんいえませんし
これから世界の食糧事情はどうなっていくのやら…

Posted by: LIN | March 07, 2006 at 09:31

>Miwakoさん
読み終わりました!
私も読みにくいところが多々ありました。
翻訳のせいもあるのでしょうか?
あ、そうか、Miwakoさんは原書でお読みになったんでしたっけ?
だとしたら、ジャレド・ダイアモンドの文章のせいかなあ。
>悪循環の賜物のような気がします
まさしく!
ムダ使いしなければいいといった単純な問題ではないんですよね。
割り箸は私は使わない主義なので、
レジで断るんですが、ついついたまってしまう。
でも王子製紙が、割り箸をリサイクルする事業を行っているので
一応、ためてます。
レジ袋と同様、コンビニの割り箸も有料化すればいいのでは?

Posted by: LIN | March 07, 2006 at 09:51

>ろぷさん
原発については、昨年末に出版された
高村薫の『新リア王』に詳しく書いてあったのですが
受け入れる側も、最初は原発によって
地元が活性化されると信じていたんですよね。
Miwakoさんが
「割り箸を作らないと食べていけない人たちがいる」と
書いていらっしゃいますが、様々な事情が
複雑にからみあっている。
道路だってムダな道路とわかっていても
地元の業者は作らなければ食べていけない。
この悪循環を断ち切らないと、ダメなんでしょうね。

Posted by: LIN | March 07, 2006 at 10:05

おおっ濃いです~。読み応えありそう~(>_<)

>肉を食べず、穀物を食べれば、15人が食べられるのです。
ヴェジだけに(笑)すごく興味のあるところです。森林伐採をして農地を広げ、そこで栽培した穀物総生産の3分の1を牛さんが食べ、
貧しい国の5人に1人は飢え死にするこの世界。解せないですわ~(^_^;)それにしてもお肉って安いですよね。あらゆる犠牲の対価にしては安すぎると思ってしまうのですが(^_^;)

LINさんが3週間かかったのなら、のろまな私なんて1ヶ月かかるかもしれませんが(笑)ぜひぜひ読んでみたいです。
ありがとうございます!

Posted by: さなちん | March 07, 2006 at 11:07

最近地球温暖化など考える機会がありました。
砂漠化するところも・・・。
車だって一人に1台持っていたりすると
どうにもならない焦りみたいな物を感じてしまいます。
資源も昔みたいに買い物かごを使うだけでかなり減ると思います。
もちろん袋でもいいです。
昔はたまごでさえ紙袋に入れて貰ったもんですよね。
リサイクルもどこまでされているのかなぁ。
以前どこかで分別していながら
普通に燃やしていたところもあったように思います。
もっと危機感を持って小さいことからコツコツとやらなければ・・・。
そう言う本だったんですね。
夫よ早く返しておくれ。

Posted by: ともちゃん | March 07, 2006 at 20:05

森林伐採の一番の需要はコンクリートパネル。通称コンパネですよ。
でかいコンクリート製建築のビルを建てるときにそのビルの壁面の面積と応分の木製のコンパネを使うのです。ご存知のことと思いますが、木製のコンパネとコンパネとの間にコンクリートを流し込んでビルは出来ているわけです。
割り箸に使われる材料というのは木材の中でも木の芯の部分を外した外側の皮に近い部分。すなわち廃材のリサイクルで、木材の芯を箸にして使えば折れやすいし、通常見かける割り箸よりももっと木の芯の木目と赤み掛かった色の箸ができるはずです。あまりそんな木材の芯を使った割り箸は見たことがありませんし、割り箸製造のためだけに海外で森林伐採して海路で輸入して製造していたのでは、そもそも割り箸の製造原価と採算が合いません。
逆にコンパネなどは芯であろうが、木の皮の近くであろうがコンクリートの壁ができれば捨てられるわけで森林伐採の原因としてはこちらのほうが有力です。おそらくここ数年の森林消滅の遠因は北京オリンピックを照準にした中国の建設ラッシュあたりあるのではないでしょうか。
…かといって、モノを大切にする気持ちは大切で、割り箸一本にも心を致す日本人の美徳や考え方はこれからも大切にしていきたいと思います。
私もこの本を買いましたが、現在はまだ前作の「銃・病原菌・鉄」を読書中です。

Posted by: ichi | March 08, 2006 at 03:20

>さなちんさん
今回、この本を読んで、ヴェジは環境に優しい食生活だって
つくづく思いましたよ。
>それにしてもお肉って安いですよね。
ホントです!
そもそも日本はお肉ってキレイにパッケージされているから
お肉を食べているという実感がわかないんですよ。
昔のお肉屋さんみたいに、店先に豚をまるまるぶらさげておけば
「ああ、私たちは残酷なことをしているなあ」って
感じるのではないでしょうか?
この本は、環境に関心のある方には、特にオススメしたいです。
さなちんさんも是非、是非~

Posted by: LIN | March 08, 2006 at 10:25

>ともちゃん
ともちゃんはこの本、お買いくださったんでしたよね。
是非、読んでみてください。
スーパーでは持参の袋を使う方、増えてますが
コンビニはまだまだですね。
私もコンビニはつい入れてもらってしまう。
日本は何でもパッケージが大袈裟ですよね。
プレゼントなどいただくと、商品にたどりつくまで
どれだけ紙をむかなくちゃいけないことか!
リサイクルはまだまだ整備されてないですよね。
私が住んでいる街は生ゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミしか
区別がないの。
街によってはリサイクルマークにしたがって
もっと細かく分けているでしょう?
ともちゃんの街はどうですか?

Posted by: LIN | March 08, 2006 at 10:37

>ichiさん
コメントありがとうございます。
この本に書いてあったのは
私たち消費者は、自分たちが声をあげやすいところで
あげるべきだということでした。
確かにご指摘のコンパネも多くの問題を抱えているんだろうと
思います。
しかし私たち一市民はどうすることもできない。
割りばしは、今日から使うことをやめたり、
割りばしを使うお店の利用をやめたりすることができますから。
中国の建設ラッシュはすごいらしいですね。
国内の木材では足りず、東南アジアから密輸しているとか。
ichiさんの『文明崩壊』の感想を楽しみにしていますね。
私は『銃・病原菌・鉄』が未読なので、是非、読みたいと思います。

Posted by: LIN | March 08, 2006 at 11:16

LINさんがこのような本をここで紹介されるのは
とても意義があって素晴らしいことだと感心です!
これは未読ですが、私が今までに聞いたり読んだことが
集約された本みたいです。
この系統で、ジェレミー・リフキンも興味深いです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-author=%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%AD%E3%83%B3%2C%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%BC/503-7821557-9738308
(↑長いリンクがはみ出してすみません)
シラーの言葉は辛辣ですね。誰もが自覚していても
ではどうすればいいのか?という所で躓くのかもしれません。
割り箸不使用、ヴェジになる、物大切に長く使う、など
小さなことから始めてみるのはよいですよね。
と書くと、「ないない尽くし」の寂しいライフスタイルを
目指すような印象を与えそうですが、私には逆に
社会と環境を意識した新世紀のオールタナティヴな生活
(巷ではロハスとも言うそうですが)は、とても魅力的です。

Posted by: ねる | March 09, 2006 at 09:47

>ねるさん
ココログのメンテナンスが長引いたため
お返事、遅れてごめんなさいね。
ジェレミー・リフキン、知りませんでした。
教えていただきありがとうございます。
読んでみたいです。
今回、この本を読んで、ベジの意義が
ちょっとわかったような気がします。
日本でも昨年あたりからロハスについて
マスコミでたびたび取り上げられています。
今までの節約とは違って、おしゃれな雰囲気なのがよいですね。
ねるさんはソトコトという雑誌をご存知ですか?
http://www.sotokoto.net/top.html
ロハスな雑誌らしいです。
私も読んだことはないのですが今度、買ってみようと思います。
環境のこと、これからもいろいろ教えてくださいね。

Posted by: LIN | March 11, 2006 at 08:58

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