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April 02, 2006

『鳥類学者のファンタジア』by奥泉光

鳥類学者のファンタジア鳥類学者のファンタジア
奥泉 光

集英社 2004-04
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第2次世界大戦末期、
音楽留学でドイツに渡り、謎の死を遂げた祖母。
36歳のジャズ・ピアニスト池永霧子は、
その幻影に導かれるように敗色の色濃いベルリンへとワープする。

●好きなところ
ジャズ・ピアニストが主人公であること。
第2次世界大戦中のドイツが舞台であること。
猫が重要な役割を果たすところ。
水晶宮の描写の部分。

●嫌いなところ
軽すぎる文体。
軽いストーリー展開。
ここぞという時に突然、登場する「わたし」という語り手。
途中にはさまれるどうでもいいようなくだらない雑談。
(たとえばストーリーの途中で
定冠詞のtheはどういう役割なのかといったことを延々と書いている)
36才という年齢のわりにあまりに子供っぽい主人公、フォギー。
(20代前半の佐知子ちゃんの方がずっと大人)
不自然なタイムスリップ。
(タイムスリップする話が全部、嫌いなわけではない)
愛すべきキャラ、脇岡氏が…(ネタばれだから書けない)


こちらのページから『鳥類学者のファンタジア』のテーマ曲
FOGGY'S MOODを聴くことが出来ます。

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Comments

こんにちは。
タイムスリップした1940年代のドイツで、
武富士のポケットティッッシュを見咎められ、
必死で言い訳する場面が笑えました。
ストーリー的には、よくわからなかった部分も多いですが、
笑って楽しく読めました。

同じ作者の新作「モーダルな事象」とリンクしている部分もあります。
「モーダル」も「鳥類学者」と同じノリなので、
合わない方は合わないかも・・・。

Posted by: 木曽 | April 02, 2006 at 21:37

『鳥類学者のファンタジア』読み終えられたのね。
「チャーリー・パーカーのフィボナッチ音列のインプロビゼーションなど、もっと踏み込んだ記述を期待していたのですが、何だかうやむやで、煙にまかれたようでした。
フィボナッチ音列はこのサイトさんから試聴できますよ。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~simomac/tousa.htm

大戦中のベルリンの雰囲気とかの好きだったんですが。
ホント、霧子は
歳のわりに幼稚すぎますよね。
パーカーもあんまり出て来ないし、お話に乗り切れなかったです。
最後の章は、楽しかったけど。。ね。
でも、それもね、ヲイヲイ、アリエナイ~って叫んでたかも。(笑)

Posted by: ワルツ | April 02, 2006 at 22:25

>木曽さん
1940年ドイツという重苦しい時代と、奥泉さんの文体の軽さが
どうも、私はミスマッチのような気がしてしまって…(^^;
木曽さんの感想、拝見しました。
そうか!笑える小説として読めばいいのか!
木曽さんは『モーダルな事象』もお読みになったのですね。
私は文庫落ち待ちかな。

Posted by: LIN | April 03, 2006 at 09:30

>ワルツさん
やっと読みました~ふぅ~。
フィボナッチ音列のリンク、ありがとうございます。
3公差はディミニッシュなのですね!
ところどころ夢中になって読んでしまった箇所もあるのですが
第二次世界大戦中のドイツを描くには奥泉さんの文体は軽すぎるように
思いました。
むしろ、最初からニューヨークにタイムスリップした方がよかったかも。
ジャズを期待して読んだ人はがっかりの作品かもしれないですね。

Posted by: LIN | April 03, 2006 at 10:02

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