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June 16, 2006

『見えない都市』byイタロ・カルヴィーノ

見えない都市見えない都市
イタロ カルヴィーノ Italo Calvino 米川 良夫

河出書房新社 2003-07
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さまざまな都市について、マルコ・ポーロがフビライ汗に語るとうい形式で
物語は進んでいく。
といっても、あの『東方見聞録』ではない。
イタリア文学を代表する作家、カルヴィーノの小説である。

2ページ程度の長さで55の街について語られる。
どの都市も実によく似ていて、そして似ていない。
うっかり栞をはさみ忘れると、
どこまで読んだかわらなくなる。

街の様子を描いているというよりも、哲学的。
きちんと読み解くと、深い意味があるのだろう。
以前、この著者の『宿命の交わる城』も読みにくいと思ったが
この『見えない都市』はさらに読みにくかった。
(翻訳のせいもあるのだろうか!?)
一度に読むものではなく、
ぱらぱらと気まぐれに、少しずつ読むといいのかもしれない。

※この本を翻訳された米川良夫氏が今年の4月に亡くなられていました。
ご冥福をお祈りします。

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Comments

カルヴィーノといえば米川さん。
米川さんといえば、カルヴィーノ。

『宿命~』はタロットでしたっけ。
この人の小説は思索的寓話系なんだけど、重くないですよね。
カルヴィーノだけに軽い。でも、軽すぎない。
『見えない都市』って、全部読んだっけ、と自信がなくなってしまいました。
点検がてら、もういちど読み直したいと思います。
ちなみに、私の中では『まっぷたつの子爵』が一番好きですね。
(『木登り男爵』と争うけど…)

Posted by: ne_san | June 17, 2006 at 01:18

>ne_sanさん
米川さん、お亡くなりになったそうです。
カルヴィーノといえば米川さんなのですか?
確か『宿命~』は河島さん訳でしたね。
そうそう、タロットのです。
どうも、私は読書人としてまだ未熟なせいか、カルヴィーノは読みにくいです。
『見えない都市』は何度、読んでも「あれ?全部、読んだっけ?
」と思わせる本ですよね。
そういう迷宮に読者を迷いこませるのが、作者の狙いだったとか!?
ne_sanさんが紹介されていた飛浩隆、おもしろそうですねえ。
(実は、あの記事にコメントしたんですが、うまく反映されなかったです(つД`)
最近、どうもlivedoorのブログにコメントすると、はじかれることが多いです。)
昨今、本当にオマエ一人で書いているのか?と思うくらい、
多作な作家が多い中、
寡作であるというのはそれだけで、ポイント高いです。
それにしても2冊かあ…(笑)

Posted by: LIN | June 17, 2006 at 10:46

カルヴィーノ、それほど読んでませんが難解な作家ですよね。
彼はとても政治的な観点から社会を分析し、
その上に寓話を作り上げていった人だと思います。
だから、一見おとぎ話のようでも、実は現実社会のことを
ビシッと書いていたという。
イタリアの現代小説家の中でも抜きん出た存在と評価されているようです。
小説家という枠に収まらず、本当の知識人、文化人だったみたい。
うーん、私ももっと読まなくては!とLINさんの記事に触発されてます。

Posted by: ねる | June 18, 2006 at 07:59

>ねるさん
>難解な作家ですよね。
難解でしたー(つД`)
>政治的な観点から社会を分析
この小説の中にも、ゴミを街の周囲にどんどん積み上げていく
都市の話が出てくるのですが
現代社会を予言してるなあと思いました。
次は私は『カルヴィーノの文学講義』を読んでみたいです。
>本当の知識人、文化人
すばらしいですね。
最近の作家の小説を読んでいて、どうも薄っぺらに感じるのは
作品の裏に教養がないからじゃないのではないかと思うのです。
ただのストーリーテラーになってしまってるんですね。
ところで、ねるさんにいただいた白い猫ちゃん、本棚に置くことにしました♪
文庫本の前でまるで門番のようです。
かわいいです。

Posted by: LIN | June 18, 2006 at 10:43

文学講義は、手元にありますが、
軽さ、速さ、正確さ、視覚性、多様性を軸に、ブンガク話が展開します。
ただ、柔らかめの語り口調なので逆に分かりづらくなってしまったのが残念ですね。
サブタイトルが「新たな千世紀のための6つのメモ」。
5つしかないのは、6つめの「一貫性」がないからです。
ハーヴァードで、カルヴィーノにお話ししてもらう気分に浸りましょう。
(集中講義っぽく、夏に読むのがいいかも。)

Posted by: ne_san | June 21, 2006 at 02:41

>ne_sanさん
講義録なので読みやすいかなと思ったのですが、
そうかあ、逆にわかりづらいのですか。
小説も決して、読みやすくはないですものね。
カルヴィーノ曰く
“疲弊した現代文学を次の世紀に甦らせるために必要なもの、それは「軽さ」「速さ」「正確さ」「視覚性」「多様性」である…。”
らしいですが、そうなんですかね?
私は逆に重くしていくべきだと思うのですが…
私が時代遅れなのか!?(・∀・;)
これはやはりカルヴィーノの文学講義、是非とも読まねばです。

Posted by: LIN | June 21, 2006 at 10:17

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