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June 20, 2006

『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』by米澤穂信

春期限定いちごタルト事件春期限定いちごタルト事件
米澤 穂信

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夏期限定トロピカルパフェ事件夏期限定トロピカルパフェ事件
米澤 穂信

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タイトルと表紙の雰囲気だけ見ると、絶対、私が買わないであろう本。
なのだが、豊崎由美と大森望が、「すごくおもしろいよー」といってたし
小市民をめざしている高校生という設定に惹かれた。

船戸高校に入学したばかりの小鳩君と小佐内さんは
ある決心をしている。
それは小市民になること。
きょうも二人は手に手を取って、清く慎ましい小市民を目指す。
その目標のために、二人は協力関係にあるが、恋人同士ではない。
しかし二人の前には次から次へと奇妙な謎が現れて…

連作ミステリー。
といっても、同級生のポシェットが消えたとか
美術室に残された絵の謎とか、
日常に起こるライトなミステリーで、殺人はおきない。
ミステリーとしては正直、子供だましなんだけれど、
小鳩君と小佐内さんが切ないんですよね。
二人ともウソっぽくて、2冊、読み終えても、
まだ裏があるだろうという感じ。
二人がなぜ、小市民をめざすようになったかという
大きい謎もまだ解かれていないし。
小佐内さんは、ずっと甘いもの好きのかわいい女の子だったのに
『夏期限定~』の最後の事件でえ~(;´Д`)という
変貌ぶり。
当然、これで終わるわけがなく
『秋期限定~』へと続くのだろう。
タイトルは『秋期限定マロンパイ事件』と予想。

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Comments

ずいぶん若い書き手ですね。ノーマークでした。日常とくれば、つい北村薫的なものをイメージします。帰りにでも買おうと思うのですが、これレジに持っていくのはちょっと勇気が要りますね。

Posted by: edicrafts | June 20, 2006 at 12:24

一通り季節を巡り終わったら
「仙台限定ずんだチロルチョコ事件」
とか
「羽田空港限定空飛ぶドラ焼き事件」
になると予想。

Posted by: LSTY | June 20, 2006 at 13:00

こんにちは。
おお、これは素晴らしい。とても興味深い作品ですね。
よく目に付くミステリーやサスペンスなどでは、ひっきりなしに
出てくるのが殺人事件。あらゆる場面で人が殺される。
もう殺人事件の大安売り。うんざりすること30年来です。
別に殺人事件をテーマにしたミステリーが悪いと言うのでは
ないのですが、事件が殺人の割にはあまりに緊張感がない、
安っぽい作品が多いような気がします。
こうした「日常に起こるライトなミステリー」は、とても関心があり
ます。
「小市民になる」という価値観も、灯台下暗しという印象です。
さすがはLINさん、目のつけどころが違いますね。
ご賢察、感服いたします。

Posted by: 多摩のいずみ | June 20, 2006 at 18:23

こんにちは。
ええと、実は次回作は「秋季限定モンブラン事件」の予定だそうです・・・。

米澤穂信さんは、ミステリ読みの間で最近注目株の作家さんで、
「小市民」シリーズのほかに「古典部」シリーズというのがあって、これも面白いですよ。
こちらも「日常の謎」もので人は死にません。つーか犯罪すら起こりません。
なのにしっかりミステリしています。
「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」の3冊が刊行されています・・・。
って、とっくにこんなことはご存知かもしれませんが、すみません思わず書いちゃいました。

Posted by: 木曽 | June 20, 2006 at 20:05

>edicraftsさん
えっ!買うの?edicraftsさん、こういうの好きかなあ…
と一瞬、不安になったんですが、
そういえば、以前、加納朋子を紹介してもらいましたよね。
加納さんも、日常ミステリをお書きになってるんじゃなかったっけ?
>ずいぶん若い書き手
edicraftsさんと同じくらい?
最近、本を読むと、「あ、これは私より年下だな」ってわかちゃうんですよー。
そして、自分より年下の作品は読むのがきつい。
平野啓一郎のような若造が人生、さとったようなこと書いていると
ちょっとムッとします(笑)
最近、edicraftsさんのblog、本の話題が少なくてさびしいです。
たまには書いてね♪

Posted by: LIN | June 21, 2006 at 08:59

>LSTYさん
ずんだチロルチョコは食べたいかもー。
浅田光彦シリーズのように、ご当地ミステリーは、
長く書けるから作家としてはおいしいですよね。

Posted by: LIN | June 21, 2006 at 09:03

>多摩のいずみさん
おー、この手の本に、多摩のいずみさんが興味を持たれるとは
ちょっと意外。
>緊張感がない、安っぽい作品が多い
同感です。
“死”というものをもっと真剣に扱ってほしいなあと思う作品ってありますよね。
小市民をめざす高校生という設定、おもしろいでしょう?
ライトミステリーなのに、その部分は何だか純文学っぽいんですよ。

Posted by: LIN | June 21, 2006 at 09:24

>木曽さん
えっ!もうタイトル、決まってるんですか(笑)
そうかー、モンブランだったかー。
米澤穂信さん、最近、人気みたいですよね。
「古典部」シリーズ、知らなかったです。
ストーリーより、古典部がどんな活動しているかの方が気になります(笑)
今度、読んでみますね。

Posted by: LIN | June 21, 2006 at 09:31

LINさん、こんにちは。
本の絵柄を見て、あれ、これLINさんのブログか?と一瞬疑ってしまいました。
>小市民をめざしている高校生
って、なんだかよくわからない設定ですね。意外と暗くて重い動機とかだったら面白そう。

Posted by: | June 24, 2006 at 19:25

↑すみません、HN書き忘れました。kyokyomです。

Posted by: kyokym | June 24, 2006 at 19:26

>kyokyomさん
おお~、おひさしぶりです♪
>これLINさんのブログか?
でしょ?でしょ?
こういうイラストの表紙、正直いって、キライです。
最近は、何でもかんでも、かわいいイラストにするでしょう?
だから日本人がますます幼稚になるんだと思います。
この小説は、内容はライトノベルで、漫画的なんですが
登場人物の二人に妙にリアリティがあるんですよ。
高校生の時、いつも一人でいるんだけれど、肩ひじはって
自意識でぱんぱんになっちゃっている子っていなかったですか?
主人公の二人はそういうタイプ。
「くだらない」と笑えない小説でした。
ミステリーそのものは相当、くだらないです。
だって、「どうやって、彼は何の道具も使わず、ココアをいれることができたのか?」
とかなんですもん(笑)

Posted by: LIN | June 25, 2006 at 09:26

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