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July 30, 2006

『陰日向に咲く』by劇団ひとり

陰日向に咲く陰日向に咲く
劇団ひとり

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「そうだよ、これでいいんだよ、小説は」
って思った。
最近の日本の作家は、作品をこねくりまわしすぎなんである。
登場人物でも、舞台設定でも。
私にいわせれば「そんな奴、おらんやろ(by大木こだま・ひびき)」
といいたくなる登場人物ばかりだ。
それに比べ、この作品に出てくる登場人物はみんなフツーの人たち。
自分の身近にもいそうな人ばかり。
だから、共感が持てる。
(フツーの人が登場する作品というのを売りにしている
川上弘美作品だって、私にいわせりゃクサイ)

ことばもうわすべりしてなくて、
著者が心から感じたことばを丁寧に書いているから
じーんとくる。
私は、今まで、人生は、自分の努力でどうにでも変えられるって
思ってたんだけど、
117ページの
「若い頃に親父に捨てられて、
それから女手一つで、昼間はパートに出て、
夜はスナックで酔っ払いを相手に愛想笑いを振りまいて、
一生懸命に俺を育てた母ちゃんに向かって言えるのか?
努力が足りないって」
を読んで、「そうだよなあ、いえないよなあ」って素直に思った。

これを読んで、つくづく専業作家はダメだと思った。
彼らがダメなのは、作家の世界に閉じこもっているから。
私のイメージだけど、内向的な人が多い。
誰だったか「人と会うのが苦手だから作家になるしかないと思った」
っていってた作家がいた。
それはダメだろ。
もっと外に出て、いろんな人に出会わなくちゃダメなんじゃない?
もちろん、実際に起きたことをそのまま書けというわけじゃない。
だけど、いろんな人と触れ合うことで、作品が生き生きしてくると思う。
専業作家の作品はいかにも「書斎でうんうんうなってひねり出しましたよ」
って感じがする。
だからことばが薄っぺらい。
そして、専業作家は、これから何年も小説で食べていくわけだから
どうもネタを小出しにしているような感がある。
だからやっぱり薄っぺらい。

このブログを通して、小説についていろいろ考えてきたのだが
今回、この作品を読んだことによって、ひとつの結論が出たような気がした。

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Comments

僕もこの小説とても気になっていましたが、LINさんがここまで評価されるとはさらに気になります。
>このブログを通して、小説についていろいろ考えてきたのだが今回、この作品を読んだことによって、ひとつの結論が出たような気がした。
職業作家には期待できないということでしょうか?などというのは僕の読み間違えの気もしますが、どのような結論か気になります。

Posted by: kyokyom | July 30, 2006 at 16:45

以前私もこの本を読んで書いたので、感想記事をTBさせていただきました。
が、kyokyomさんがおっしゃるようにLINさんがここまで評価されるとは!とちょっとびっくりしています。
私はそれこそエンタメ小説として面白く読んだんですけど…。(劇団ひとり大好きだし^^)
記事の後半部の意味をどう取ってよいやら、判断がつきかねるので、LINさんの結論がどういうものなのか、私もとっても知りたいっす!

Posted by: TRK | July 30, 2006 at 22:32

こんにちは。これ、面白かったです。第1級のエンタテインメント小説。
さすがに読者を楽しませるツボを知っていますね、劇団ひとりさん。
どの短編も最後でホロリあるいはニヤリとさせてくれるし、
叙述トリックも上手く決まっているし、
登場人物同士ののリンクも伏線として見事に生きているし、
「うまいなー」と言うしかありません。
下手な専業作家の小説よりずっと面白かったです。

Posted by: 木曽 | July 30, 2006 at 22:43

>kyokyomさん
私は今、日本で人気があるといわれている作家たちの作品に
違和感を感じていて、それはなぜなのかずっと考えていたんです。
で、今回、これを読んで、それは作家の生き様に魅力がないからだということに
気づきました。
三島にしても太宰にしても、やっぱり生き様がすごいじゃないですか。
もちろん、体験がすべてじゃないけれど、毎日、家の書斎にいて
安穏とした暮らしをしている作家に、いったい何が書けるのかって。
多分、テクニックである程度、書けるんですよ。
頭の中で様々な登場人物を想像して書く。
でもね、作家本人が、今、幸せで何の悩みもないとして
そんな人に苦悩している人の話が書ける?
書いたとしても、それはただ頭の中でこねくりまわしているだけなんですよ。
確かに、作家の文体に比べると、劇団ひとりさんの文体は幼稚かもしれない。
登場人物のリンク、ちょっとやり過ぎかもしれない。
でも、この小説は“生きている”って感じました。
kyokyomさんも、機会があったら読んでみてくださいね。

Posted by: LIN | July 31, 2006 at 09:39

>TRKさん
おお、TRKさんもお読みになってらっしゃいましたか。
私、本を読むようになってまだ日が浅くて(ここ、2、3年)
本好きのバーのマスターに本を読め、読めいわれてた頃は
「読書の何がそんなに楽しいの?」ってずっと思ってたんですよ。
本よりも、自分の人生の方が、毎日、波乱万丈で目が離せなかったから(笑)
こうやって読書のおもしろさがわかるようになった今でも
恋愛小説読むなら、恋愛しろって思ってますしね。
SFやミステリー、歴史を扱った作品はわかるんです
体験しようと思ってもなかなか体験できないことだから。
でもね、日常を描いた“私小説”っぽい作品あるでしょ?
特に、最近の日本の小説に多いでしょ?そういう作品。
そういうのはよっぽど作家自身の人生に魅力ないとダメですよね。
でも、作家のお宅拝見みたいな番組見てると、みんな安穏としてるの。
確かに作品を書く時は、苦しんでいるんでしょうけど、
生活自体は、何の疑問もなく、印税でのほほんと暮らしている感じ。
昔の作家はもっと日々、悩み苦しんでいたと思うんですよね。
で、この『陰日向に咲く』は、そういう人が書いた作品とは違う匂いがするんです。
ちゃんと生きている人が書いた作品だと思う。
劇団ひとりさんも、相当、借金で苦しんだってTVでいってたし。
専業作家は、自分の暮らしにあぐらかいて小手先で書かず、
もっと“生きて”ほしいと思った次第です。

Posted by: LIN | July 31, 2006 at 10:01

LINさんがいいというなんて珍しい!!
この本は図書館予約中でまだ読めていません。

やはり小説家も経験のないところでは
説得力のある文章はかけないと言うことなのでしょうか。
早く読みたいです。

>本よりも、自分の人生の方が、毎日、波乱万丈で目が離せなかったから(笑)
これに大爆笑ww
確かに下手な小説よりも自分の人生のほうが面白いw

Posted by: Bryum | July 31, 2006 at 10:09

>木曽さん
この小説については「うまい」という評価が多いのですが
私は逆にそのうまさがかえって
本当のよさを伝わりにくくしてるんじゃないかと思いました。
でも、確かにうまいですよね。
最後なんて、「ああ、こうつながるか!」って。
216ページから218ページにかけて、頭がうわーんとなって
自分も時空移動したようでしたよ。
また、この小説、脇役もみんないいんですよね。
ミャーコ視点でも、おもしろいのが書けそうですよね。

Posted by: LIN | July 31, 2006 at 10:17

>Bryumさん
おお、ひさしぶりじゃないの。
お元気?(*^^*)
これ、ちょっとほめすぎたかもしれないけれど、
私はヘタな作家がこねくりまわした小説より、
よっぽどもすっと心の中にはいってきましたね。
>小説家も経験のないところでは説得力のある文章はかけない
体験してないことも、うまく書くのが作家なのかもしれないけれど
そういう文章は、少なくとも私は心に響いてこないですねえ。
だって、太宰治とか三島由紀夫とかは会ってみたいって思うけど
最近の日本の作家で会ってみたいと思う人いないもんねえ。
みんなお勉強ができるいい子ちゃんばっかりなんだもん。
特に内気な人が多いような気がするのね。
でも、内気だと、人と話さないわけだから、自分の考えに広がりがないじゃん。
やっぱり外にがんがん出て、人と話さないとダメだと思うなあ。
>下手な小説よりも自分の人生のほうが面白い
大人になると本を読まなくなるというのは
そういうこともあるのかなあって気がしました。
10代の頃は、コミュニケーションの相手って、友達か親くらいで
そうそう、すごい人生はころがってない。
だから、本を読むことがすごい刺激になる。
でも、大人になると、すごい人生、送っている人に出会ったり、
自分自身もすごい人生送るようになったりで、
本が嘘臭く感じるようになるのでは?
で、Bryumさんは、最近、どんな刺激的な日々を送っているの?(笑)

Posted by: LIN | July 31, 2006 at 10:29

 僕も上記 kyokyom さんと同じく、結論がとっても気になりました。
 LINさんって普段からこの系の作品に対して、頭っから「身の回りのことをこちょこちょ書くな」って言ってらしたじゃないですか。だから僕ぁてっきり、LINさんってこの系は作品の出来映えどうこう以前にジャンル自体が大ッ嫌いなんだなと思ってました。
 だから本作も読んだらきっと思いっきり吠えるだろうなー、とちょっとワクワクしていたんですけれどもね。
 まったく真逆になっちゃいましたか(笑)。

 それにしても。
 僕もこの作品は良いと思います。なんていうかそこらへんのタレント本よりも実力がある感じがしますからね。でもさ、こういう書き方って、数が書けない書き方だと思うけれど……どうでしょう?
 だって、経験が無いと書けないって意味では、ひどい言い方をすれば日記と同じ手法だからね。
 LINさんの絶賛する方法だと、海水浴のことを書きたかったら実際に海水浴に行けってことでしょ? ってそれじゃ日記ですよ(笑)。


 あと(何個もごめんね。なんか気になっちゃって)
 TRKさん宛てに書いた「日常を描いた“私小説”っぽい作品」についてね。
 そのまんま自分の日常を描いてる作家なんて誰もいないよぉ(笑)。っていうかそんなワケ無いじゃん(笑)。作家の経験を反映することはあっても、あくまで物語の中のキャラクターの人生ってだけだよ。
 だから書いてある日常をそのまま信用して、文字というデータだけをゴリゴリ読んでると、書いてる作家さんがかわいそうです。
 アイドルがテレビという作品のままの日常を送ってるとは誰も信じてませんよね。
 でも、作家の場合、それは信じるの?
(僕はキツイことを言ってるのかな?)

 なんかLINさんの主張が「これは私小説的⇒作家の日常を書いてる⇒そんなの許せーん」ってふうに読めて仕方がないですよ。肝腎のテーマ(たしかに無いのも多いけどね)には触れないの? 触れなくていいの? 触れてだからダメっていうのならわかるんだけれど…… って気がします。

Posted by: ろぷ | July 31, 2006 at 11:16

>ろぷさん
まず、私はすぐれた読み手じゃないし、
私の読み方が正しいといってるわけじゃないです。
そのへんはご理解のほどを。
私はずっと、最近の日本の小説のリアリティのなさがイヤで
それが「身の回りのことをこちょこちょ書くな」って発言になったんだと思うけど
そうじゃないのよね。
最近の日本の小説家が書く身のまわりの話にリアリティがなかっただけなんだよね。
登場人物がみんな嘘くさいんですよ。
導入部が「さあさあ、みなさん、私が今から語りますよー」って
わざとらしいんですよ。
>数が書けない書き方
それでいいんだと思います。
多分、劇団ひとりさんは、
「これをヒットさせてこれからもがんがん書いてやるぞ」
って思ってなかったと思う。
一冊出せればいいかくらいの感覚だったと思う。
専業作家は数、書きすぎ。
金を稼ぐ気、満々なんだもん。
○田衣良なんて、もう書きたいから書いているというより
金の亡者にしか見えない。
>自分の日常を描いてる作家なんて誰もいない
私は、これからの文学は、限りなく自分自身に近い主人公で
いいと思うよー。
もう、これだけ、小説も出つくしていると
みんな、小説然とした話には飽き飽きしていると思う。
はいはい、また作り話ねって。
その作り話で感動させられればいいけど、
今の日本の作家はそれほどの力量ないでしょ。
作家の小説より、エッセイや日記の方が売れたりするじゃない。
○浦しおんなんか、小説よりエッセイの方が絶対、人気あると思う。
文豪ならともかく、そこそこの作家なら、自分の日常を売るべしだよ(笑)
だから小説読まない人でもブログは読むんじゃない?
もうね、○田衣良とか、○上弘美とか、○田陸とか、うんざりなの。
作品ももちろんだけど、ぱっと見た感じ、いい表情してないのよね。
書斎に閉じこもって、狭い文壇の世界にいて、
自分は偉い作家だと思っている匂いがぷんぷんして。
私は結局、小説は、文体でも構成でもなくて
作家の魅力だと結論づけたいですね。
ただ、世の中には小説マニアみたいない人がいるから
そういう人たちは、論ずるために読むと思う。
また、小説マニアの人たちっていうのも
私から見ると特殊でいろいろ感じるところがあるんですが
長くなりそうなので、その話はまた。

Posted by: LIN | July 31, 2006 at 13:29

 いくつも謎は尽きないんだけれど、LINさんはジャンルが嫌いだってことじゃなかったみたいですね。いや、それがわかっただけでも僕は納得いたしました。今回はこれで終わりにいたします。
(⌒-⌒)

 作家なら見た目や経歴を売らずに作品だけで勝負しろよなと思う僕は小説マニアなのかもしれません。作家の魅力を売るのはエッセイの手法だし、それならエッセイでやってくれよ。小説に持ち込むなと思いますからね。
 ってことは、さしずめLINさんは作家マニアってとこですか(笑)。相容れませんな(笑)。
 北極と南極くらい違いますね(どっちも寒いのは一緒だけど正反対って感じ♪)

Posted by: ろぷ | July 31, 2006 at 18:05

訂正。
『小説に持ち込むな』
 ではなくて
『堅いエッセイを書いて「小説」と言うな』
 ってことでした。
(m。_。)m

Posted by: ろぷ | July 31, 2006 at 18:16

>ろぷさん
私、偏った読み手なのかもしれないです。
純粋にフィクションを楽しめる人と
「どうせフィクションでしょ」って思っちゃう人がいて
私は後者なんだと思う。
だから、20代、30代と、ノン・フィクションやエッセイは読んできたけど
小説は苦手意識がずっとあって。
でも世間にそういう人、多いんじゃないかなあ。
そうすると「うへっ、フィクション、フィクションしてるなあ」と
思わないような作品が好きなわけで。
限りなく、「もしかしたら本当にあったかもしれない」って思いたい。
マンガがダメなのは、明らかに嘘だから。
あと、「みゆたん、萌え萌え~」みたいな文体がダメなのも
そういう話し方をする人っていないから。
(最近はいるけど 笑)
作家に魅力があってほしいと思うのは、やっぱり書いてあることが
嘘だって思いたくないからかもしれない。
もしかすると、劇団ひとりだって、こんな小説書いていても
実は腹黒なのかもしれない。
でも、とりあえず、見た感じはそうじゃないじゃない?
だけど最近の日本の小説家って、明らかに魅力がないんだもん。
何かこんなどよーんとした人たちの小説、読みたくないなあって。
あ、もちろん、私の愛すべき高村薫女史はステキです。
高村女史は、新聞記事にちょこっと書いてらっしゃるのを読んでも
「魅力的だなあ」って思うもん。
でも、悪いけど○田衣良とか、○田陸とか、○上弘美とか
ちゃらちゃらしててさあ。
本当はいい人なのかもしれないけど…
もっと作家なら骨太でいてくれよって思うわけさ。
でも、エッセイじゃなくても、作家の生き様って作品に出ると思わない?

Posted by: LIN | July 31, 2006 at 18:51

辛辣なLINさん萌え~(笑)←やめれ
LINさん、要は本屋大賞にノミネートされるような小説が苦手なんじゃないですか?
私もそうなので、LINさんのお怒りもなんとなく分かります。
ただ私は、作家はすべからく無頼な生活を送るべし、とは思わないのです(LINさんもそこまでは言ってない?)。
ろぷさんと同じく、作家本人の生き様にはあまり興味ないんですよね。
ただ、言葉で世界を捉えること、言葉で世界と対峙することに無自覚な作家は信用できません。
私が小説家に求めることってそれだけなんですが、これがなかなか難しい……。
言葉に対する姿勢がいい加減な作家、すごく多いです。特に私と同世代の若い人に。

もちろん現代の専業作家全部がダメダメというわけではなくて、骨太な作品を書いてる方もいらっしゃるんですけどね。
笙野頼子、多和田葉子、津島佑子の三氏の作品は常にチェックしてます。
二作しか読んでないけど水村美苗さんも気になる。
む。女性の方ばかりですね…。
男性作家のオススメがあったら教えてくださーい。

Posted by: Mlle C | July 31, 2006 at 23:32

同じくLINたん萌え萌え~(吐)
いま読み終えましたよこれ。なぜか手元にあったので、お、これはと思って5秒で読んだです。アイドルの話がおもしろかった。ほとんどネタ帖だったけど。ほかの話にくらべると、ひとりらしい語り口がとても自然だった。こういうのならもっと読みたいと思った。ひとり嫌いじゃないし。でもまあ全体的にはつくりこみすぎて逆に幼稚になっちゃってるタイプですけどねこれは。とりあえずわたしはもうオサーンなのでこういうのは二度とまともに読めないですね。
ふつうのひと、身の回りのこと、私小説っぽい自分自身に近い主人公、そこらへんのキーワードをぜんぶ満たしてる感じでわたしの大好きな作家がいて、まあ保坂和志とかなんですけど、どうでしょう。男性ですし。骨太というのとはちょっとちがうかもしれませんが。若い女性でも柴崎友香とかはわたしなどにとってはリアリティという面で突出してますし、LINさんと同じくこういう方向性には多少あかるい未来を期待してたりします。
あと○上弘美は充分クサイです。○田衣良はなんか「昔した約束をこなしてるだけですよ」とか疲れた顔でしゃべってましたよ、はなまるカフェで。ちょっとかわいそうなくらいだった。まあそういう演技なんでしょうけど。笑

Posted by: Rym | August 01, 2006 at 00:15

>でも、エッセイじゃなくても、作家の生き様って作品に出ると思わない?

 もちろん。出るよ。っていうか出て欲しい。
 でも「出す」じゃなくて、あくまで「出る」だと思うな。
 ワザと出すのはクサいし、あんまりクサいとエッセイになっちゃうと思う。
 そのあたりのサジ加減が言葉の力だし、その作家がいかに言葉を捉えているかってところの証明だと思うッス(ちょっとむずかしい表現でごめんね。)
 僕はね、自分のニュースや経歴で見世物小屋をやってる作家には、作家の方に「どうせフィクションなんでしょ」と感じちゃうのよ(笑)。そのあたりは方向が違うだけでLINさんと同じなの。
 プロ作家ならさ、ホンモノの言葉の魔術を見せてみろよ!! と求めちゃうのよね。僕は。だから北極(笑)。
(内田百閒とか、見世物小屋の中で本物の魔術をカマしてるような例外がありますがね)

 名前を挙げると思いっきり罵倒しちゃいそうなので控えますが、LINさん含め上記の方々が挙げる作家さんの中には「えっ! コイツ作家やったん!? エッセイストちゃうん?」って方が数人混じってます(笑)


  追伸:
 おちこんだLINたんはキライだお?
 いつもの辛辣なLINたんにボクは萌え萌え~♪
(↑だからやめれって!!)

Posted by: ろぷ | August 01, 2006 at 06:12

>Mlle.Cさん
>辛辣なLINさん
いわゆるツンデレって奴ですか?(笑)
>本屋大賞にノミネートされるような小説が苦手
あー、それはありますね。
でも、この『陰日向に咲く』も本屋大賞っぽいけど…(;´Д`)
>言葉で世界を捉えること
深いなあ。
確かに言葉に対して無責任な作家が増えているような気がしますね。
>笙野頼子、多和田葉子、津島佑子
最近、笙野頼子については懐疑的なんです、私。
誤読かもしれないけど、怒りの矛先がすごく狭い気がするんです。
津島佑子さん、今、放送中の朝の連ドラの原作者なんですね。
読んでみたいです。
>男性作家のオススメ
Mlle.Cさんって澁澤好きじゃなかったでしたっけ?
『高丘親王航海記』にインスパイアされたという宇月原晴明の『安徳天皇漂海記』
Mlle.Cさんがどんな感想を持たれるのか知りたいです。
あとは、私もRymさんから紹介していただいたんですけど、
小野正嗣の『にぎやかな湾に背負われた船』よかったですよー。

Posted by: LIN | August 01, 2006 at 09:16

>Rymさん
>LINたん萌え萌え~
おかえりなさいませ~♪ご主人様♪
>つくりこみすぎて逆に幼稚になっちゃってる
確かにそれはありますね。
もうちょっと文学的にするとよかったかもしれない。
でも、今後の文学を考えるうえで、その文学的ということも
果たしていいことなのかって疑問はあるのです。
保坂和志の小説は読んだことないです。
冗長というイメージがあるのですが、そうですか、
Rymさんオススメなら読んでみよう。
○上弘美って、賞の選考委員もあれこれやっていて、
文壇の重鎮って感じですよね。
なぜ!?
○田衣良は確かに、いつも疲れてますよね。
TV出すぎ&仕事かかえ過ぎなんだと思います。

Posted by: LIN | August 01, 2006 at 09:36

>ろぷさん
>ホンモノの言葉の魔術を見せてみろよ!!
言葉って何だろうね?
Mlle.CさんやRymさんのコメントを拝見しているうちに
作家のキャラクター重視って本の読み方としてダメなのかしら?
って思い始めたのですが…
たとえば、ろぷさんやMlle.CさんやRymさんの顔も声も私は知らない。
でも、ブログという言葉を通して、私なりのイメージができあがっているわけです。
もしかすると、ブログでのみんなは現実のみんなと別人なのかもしれない。
でも、私は、みんなに惚れているわけですよ。
正直、3人のブログが突出しておもしろいってわけじゃない。
(ごめん 笑)
でも私にとって、3人は愛すべき人たちだから、
「今日、マックでハンバーガー食べた」の一行だけでも
すごく小説的で、ろぷさんが、Rymさん、Mlle.Cさんが
それぞれマックでハンバーガー食べている姿を想像して
「うぉー、そうなのか」なわけです。
私にとって、それはエッセイじゃなくて小説なんだよね。
わけわかんない?(笑)
>いつもの辛辣なLINたん
私ってやっぱツンデレキャラ?(笑) 

Posted by: LIN | August 01, 2006 at 09:52

 ちょっと気になったのでまたもや書かせてね。
(毎回しつこくってゴメンネ。)
 でもこれだけは言っておきたいんだ。

>作家のキャラクター重視って本の読み方としてダメなのかしら?
>って思い始めたのですが…

 「まちがい」ってワケではないと思いますよ。っていうか文学にまちがいは"絶対に"ありません(これは僕の信念なの)。文学は算数じゃないんだからね。答えはいっぱいあるもんだよ。

 世の中にはラノベの読み方のひとつでキャラ萌えってあるじゃない? LINさんのはそれと同じなのかもね。しいて言うなら「作家萌え」って感じ。いや、音楽性よりも歌手のルックスを重視する、ジャニーズ追っかけギャルのほうが近いのかな?(もちろんあんなにヒドくはないよ。あくまでたとえ話と聞き流してね)
 これって僕にはできない読み方なんだけれど、だからこそある意味うらやましい部分もあるんだよ。やっぱりそういう読み方をしないと見えない部分もあるハズだからね。正面から見ている僕には想像もできない世界が広がってると思うんだ。その世界が見えるのは本気でうらやましい。

 だから「私はまちがいだった」とは決めないでね。
 すぐ決めちゃうのはLINさんの悪いクセだよ?

 理想を言えば、ほかの「構え」も覚えていたらいろんなタマを打てるかもしれないね。でもこれがまちがいってわけじゃない。


 あと。
 これはね、近々記事に書こうと思ってんだけれども…… まあいいや。ココで書いちゃお(笑)。

 んとね。
 この作品について。
 たとえみんなが否定しても、LINさんが胸を張って、「この作品は私にとっての名作よ」と思えるのなら。
 それは間違いなく「LINさんにとっての名作」です。
 ココだけは妥協ちゃダメだよ。

 「名作」ってそういうものだから。
 この作品は、LINさんの考え方になにかしらの結論をくれたんでしょ? それは間違いなくLINさんにとっての名作だよ。
 出版社や世間じゃない、LINさんの感性が決めたんだもん。まちがいない。もっと自分の感性に自信をもちなさいね。
 世間が決めた「名作」ばっか追いかけて、「自分にとっての名作」を見つけようともしないエセ読者が多い中、LINさんは巡り逢えたんだ。それはものすごいことだよ。

 僕もね、「これは僕の名作」ってヤツの中には、LINさんが聞いたらオナラが出ちゃうような作品があります(笑)。でもね、「自分にとっての名作」ってそういうものなのよ。自分がビビッとくればそれでいいの。ほかは関係ない。


 つらつらと偉そうに書いてごめんなさい。
 でも、これできっとLINさんの読書は成長すると思うよ。
(言ったそばからまた偉そうでごめんなさい)


  追伸:
 普段はツンケンしてて、二人っきりのときにポロッと弱みを見せれたら、間違いなく貴女はツンデレ。
 そして僕は萌え尽きる。

Posted by: ろぷ | August 01, 2006 at 19:26

「劇団ひとり」さんは、帰国子女です。お父様はパイロット、お母様はスチュワーデス(多分)。裕福な家庭の出身です。これは有名な話ですのでご存知かと思いますが一応。

Posted by: toorisugari | August 01, 2006 at 19:28

>この『陰日向に咲く』も本屋大賞っぽいけど
ま、まさか次回の本屋大賞にはこれが?! ありえそうな話だー。前回はリリー・フランキーだったし。

>怒りの矛先がすごく狭い気が
私も一部エッセイに関してはそう思わないでもないのですが(汗)、「金毘羅」はもう純文学がどうとかジェンダー論がどうとか大塚某氏がどうとかいう次元を突き抜けてると思いました。ラストでは泣きましたよ私ゃ。
それとは別に純文学論争も応援したいですけどね。私は純文学に幻想を抱いている古い人間なので…

>澁澤
うーん、澁澤は小説家ではないですからねえ。小説も書いてるけど決して彼の仕事のメインではない。
澁澤は換骨奪胎の天才であって、完全オリジナルの小説はほとんどないんですよ。そこが魅力でもあり欠点でもあるのですが、「小説家」と呼んでしまうのには躊躇があります。
私にとって彼はあくまで紹介者なので、心情的にはハタチくらいで卒業したつもりでいます。
それにもう亡くなってる人ですし…。
死んだ人からはどうしたって新しいものは出て来ません(^^;)
だから、できれば現存作家で追いかけられる人がいたらいいんですけど。
宇月原晴明さんは、デビュー作のあまりにもど真ん中ベタなタイトルにひいてしまってかえって手が出せなかったのですが、『安徳天皇~』から読んでみようかな。
小野正嗣さんもチェックしてみます。

Posted by: Mlle C | August 01, 2006 at 23:47

>ろぷさん
うーん、何だかよくわからなくなってきました(;´Д`)
小説を、現代と古典にわけると、私、古典はまだまだおもしろい作品があると思ってる。
小説を、日本と海外にわけると、やっぱり海外にはまだまだおもしろい小説があると思う。
問題はね、現代の日本の小説なの。
特に今、20代から40代の作家。
人に薦められて読んでもさっぱりよさがわかんないわけ。
で、その中で、劇団ひとりのこの小説を見ると、
「ああ、素直でいいなあ」と思ったの。
もちろん、古今東西の小説を全部並べてみたら、
この小説はそれほどいいわけじゃない。
だから「この作品は私にとっての名作よ」ってほどは思ってないです。
でも、普段、本を読まないような人が、私に「何かオススメある?」
って聞いたら、これを薦めます。
とにかく、私は、今、文壇で、日本の代表みたいな顔している
○上弘美や○田陸や○田衣良がすごくキライであることはまちがいないです。

Posted by: LIN | August 02, 2006 at 09:54

>toorisugariさん
ご親切にありがとうございます。
恐らく、「彼はそれほど苦労人じゃないですよ」という意味で
教えてくださったのかもしれないのですが
私は、彼が10代にツッパリであったことや、
成人してから多重債務で苦しんだとTVで話していたのを聞いて
いろいろ葛藤があった人なんじゃないかと思っています。

Posted by: LIN | August 02, 2006 at 09:58

>Mlle.Cさん
本屋大賞、もうちょっとひねれやって思いますけど、
考えてみたら、本屋が選ぶってことは商売だもん。
そこそこ売れだしている本を選ぶわけですよね。
本屋大賞のほかに、「これから注目の本賞」みたいな賞をもうければいいのでは?
『金毘羅』はよかったと私も思います。
>純文学論争も応援したい
大塚氏が「文芸誌の売上が少ないから純文学はダメだ」っていったことを
いつまでも引きずっていて進展がないんですよ。
大塚氏はもう違うことをいってるんですが…
もっと中身について、今後の文学はどうなっていくかって話をしてほしいなあと
思うのです。
>澁澤
ごめんなさい(・∀・;)
書き方がよくなかったですね。
Mlle.Cさんのような読書の達人に澁澤を薦めるなんて恐れ多いですって(笑)
『高丘親王航海記』がお好きだったら、『安徳天皇~』も読んでほしいなあと思って。
「ん?」と思う箇所があったものですから、そこをMlle.Cさんが
どう感じるか知りたいのです。
小野正嗣さんは先ごろ、新刊、出ました。
『森のはずれで』というタイトルです。
私もまだ読んでいないのですが…

Posted by: LIN | August 02, 2006 at 10:18

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