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August 04, 2006

『ジーヴズの事件簿』byP.G.ウッドハウス

ジーヴズの事件簿 P・G・ウッドハウス選集1ジーヴズの事件簿 P・G・ウッドハウス選集1
P.G.ウッドハウス 岩永 正勝 小山 太一

文藝春秋 2005-05-27
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~ご主人さま。
どんなトラブルも私が見事解決してさしあげます。
で、この品のない靴下は処分してもよろしいですね~

従僕をクビにしたばかりのバーティーのもとへ
紹介所から紹介されたと、ジーヴズがやってくる。

すると相手は、心を癒す西風のように音もなく
入口を通過してきた。
まず最初にこれで感じ入った。
まえのメドウズは扁平足でドタドタ歩いたのだ。
この男には足がないようだった。
漂うように入ってきたのだ。

そして二日酔いでふらふらしているバーティーを見ると…

「ちょっと失礼いたします」男は静かに行った。
ふいに姿がゆらめいたと思ったら、もうそこにはいなかった。
キッチンで動き回る音が聞こえ、しばらくすると、
グラスを載せた盆を持って、現れた。
「わたくしの考案したものでございます。
色はウースター・ソースでございます
生卵が滋養になります。
赤唐辛子(タバスコ)がピリッとした風味を作ります。
みなさま、遅くなった翌朝にはまことに元気が出ると
おっしゃってくださいます」

そしてバーティーはそれを飲みほすと…
「採用だ!」

ちょっと引用が長くなりましたが、
こうしてジーヴズは、バーティーの執事となります。
そして、おっとりして人にだまされやすいご主人さまのために
様々なトラブルを解決するのです。

私が買った文藝春秋版は、ジーヴズものはこの1冊だけ。
国書刊行会からは
『比類なきジーヴス』『よしきた、ジーヴス』『それゆけ、ジーヴス』
『でかしたジーヴス』の4冊が刊行されてます。
翻訳はどうなのかしら?
文藝春秋のはとてもよかったです。
『黒後家蜘蛛の会』が好きな方、ユーモア小説が好きな方
オススメです。
P.G.ウッドハウスは海外でとても人気があるのに
日本ではあまり翻訳されていないそうです。
これからどんどん翻訳されるといいですね。

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Comments

こんにちは。
読んでいて「これって、『ドラえもん』だなあ」と思いました。
一度そう思ってしまうと、脳内イメージでバーティーの顔が「のび太クン」になってしまって困りました。
しかし、つねに柔軟な発想で窮地を切り抜けるジーヴスも、
服装のセンスだけはきわめてコンサヴァティヴなのがなんだか可笑しいです。

Posted by: 木曽 | August 04, 2006 at 19:35

>木曽さん
確かにバーティーはのび太君かも(笑)
でも、ジーヴズはドラえもんよりずっと洗練されているような気がします。
私はのび太というと佐藤賢一『カルチェ・ラタン』の主人公、ドニを
思い出します。
すぐ、「ひっく、ひっく」って泣くし(ひっく、ひっくですよ!)
何かというと友人のマギステルを頼るのです。
木曽さんは佐藤賢一の作品を何冊か読んでいらっしゃいますよね?
文体に違和感、ないですか?
そうそう、英国でジーヴズのドラマがあったのをご存知ですか?
昨日、YouTubeで、そのドラマの画像を見つけました。
右下の方に、これ以外にもジーヴズのドラマの画像が
たくさんあります。
http://www.youtube.com/watch?v=ks9wl1AXruw&mode=related&search=

Posted by: LIN | August 05, 2006 at 10:29

ヘンリーのモデルでしたよね。
他にもジーヴズ的なキャラクタを見掛けることがあります。名前もなんとなく似ていて「チャイヴズ」とかね。スティーヴン・キングの「荒地」には「ジーヴズみたいなやつ」が登場していました。

Posted by: hasyos | August 05, 2006 at 11:45

>hasyosさん
ジーヴズってヘンリーのモデルだったんですか!
でもジーヴズの方が時代が新しい感じがしますよね。
ご主人様のいいなりでなく、対等の関係というのが驚きました。
あの時代、ご主人様と執事というのはそういう関係もアリだったのですね。
ご主人様のバーティーも、現代の若者に似たものを感じますし。
(今でいうニート?笑)

Posted by: LIN | August 06, 2006 at 09:06

LINさん、こんにちは、
おお、話題のジーヴスシリーズですね、、。
版元違いで、たくさん出ていて、どれから読めば
いいのか、調査中です。
(読む順番に拘る派です)
 「ドラえもん」なるほど、
判りやすい解析ですね。

Posted by: indi-book | August 06, 2006 at 18:39

こんにちは。
な、なんて魅惑的な展開!
海外モノには疎いので、こんな興味深い小説があるとは
そもそもP.G.ウッドハウスという作家すら、
ちーっとも知りませんでした。
早速、積読本リストにメモしました。わくわく。
ありがとうございます。

Posted by: 菊花 | August 06, 2006 at 20:36

>indi-bookさん
ジーヴズは私がご紹介した文春版と国書刊行会版があります。
文春版はベスト集という感じで、ジーヴズ物はこの1冊だけ。
国書刊行会からは4冊、出てます。
どうも国書刊行会は原書が出版された通りの順番のようです。
ただ、私が引用させていただいた、ジーヴズとバーディーが
初めて出会う『ジーヴズの初仕事』は
文春では一番、最初にきているんですけど
国書刊行会では発行順では二番目にあたる『それゆけジーヴス』に
収められているようです。
うーん…どういうことなんだろう?
全作品読みたいということでしたら、国書刊行会がよろしいかと…

Posted by: LIN | August 07, 2006 at 09:33

>菊花さん
ご興味、持っていただけました?
P.G.ウッドハウスは海外でとても人気があるのに
日本では戦後、ほとんど翻訳されずにきたようです。
が、ここ1、2年、各社からこのジーヴズものを初め
様々な作品が出版されるようになりました。
どなたでも楽しめる作品だと思います。
機会がありましたら是非~。

Posted by: LIN | August 07, 2006 at 09:38

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