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September 23, 2006

『文明の衝突』byサミュエル・P・ハンチントン

文明の衝突

冷戦時代、アメリカVSソ連で分けられていた世界の構造が
今は
・イスラム
・東方正教会(ロシア)
・中華(中国)
・ヒンドゥー(インド)
・西欧
・日本
・アフリカ
・ラテンアメリカ
の8つの世界に分けることができると
ハンチントンはいう。
そのうち、アフリカとラテンアメリカをのぞいた
6つの文明同士の対立が増えていくだろうということなのですが…

そもそも、最初から、アメリカとヨーロッパが
西欧とひとくくりにされていることに疑問を感じます。
同じキリスト教ということで、一緒にしているのでしょうが
私はヨーロッパはアメリカと仲間だとは思っていないような気がします。

これを読んでいると、ハンチントン自身もアメリカが一番いいと思っている節があり
アジアやイスラムが台頭してくることに恐れを感じている気がします。
しかし、今、一番、孤立しているのはアメリカではないでしょうか。
と、思っていたら、
先日、国連総会でチャベス大統領が
「悪魔が昨日ここに来た。
まだこの演台は、地獄の臭いがする。
ここで私が悪魔と呼ぶ米国大統領が、世界を所有するかのような演説をした。
精神科医に分析してもらうべきだ」
といったようですね。

とはいっても、宗教のない日本も世界の中でかなり特殊な国。
世界の紛争のほとんどが宗教がからんだ問題であることを考えると
自分たちに信仰がなくても、各宗教について理解しておくことが
大切だと思いました。
特にイスラム教。

私は、宗教を信じるという気持ちを否定はしないけれど
「自分が信仰している宗教以外は認めない」という考えが
紛争をまねくんだと思う。
キリスト教もイスラム教も、異なる宗教を尊重する気持ちが
大事なのではないだろうか。

国際情勢を理解するために、これもオススメ。
宗教世界地図宗教世界地図 最新版世界紛争地図民族世界地図 最新版

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Comments

この本は、いろいろ欠点のある本かもしれませんが、宗教文明から現代世界を見るという、それまで脇に追いやられていたかに見える観点を明確に打ち出した点に存在価値があるように思いました。

私にとって新鮮だったのは、日本が中国文明圏にくくられずひとつの文明圏として位置づけられていることでした。学校教育の延長線上でなんとなくそんな気分でいましたから…。
先に話題にした『法隆寺の謎を解く』でも語られていたことですが、大陸からの圧倒的な影響下にあって、それらをとり入れつつ、列島に固有の感性が育まれ現代のわれわれがあることを、この夏、中国への一人旅を通して実感してきました。意外と日本のひとたちは大陸と列島における精神風土の差に無自覚なのではないかなとも…。

Posted by: 古代人 | September 23, 2006 at 19:39

>古代人さん
なかなか読み応えのある本でした。
>日本が中国文明圏にくくられずひとつの文明圏として位置づけられていること
私もそこは驚きました。
確かに日本は中国の影響を受けていた時代もありますが
途中から鎖国して、そこからは独自の文化を育んだといっていいですものね。
北京オリンピックが近づくにつれ、中国の人のマナーが問題視されてますが
町をパジャマで歩く感覚とか、やっぱり日本人とは感覚がちょっと違うと思います。
日本人は見栄っぱりだから、家ではどんなにひどい格好でも
外ではちゃんとしなくちゃという習慣がありますものね。
日本の浴衣や甚平、もっというとジャージ感覚なのかなとも思うのですが
やっぱりパジャマはちょっとやりすぎ(笑)
おー、古代人さんは中国を旅されてきたのですか。
どうですか?パジャマで歩いている人、いました?
>日本のひとたちは大陸と列島における精神風土の差に無自覚
そもそも、日本人は、世界の一員であることに無自覚だと思いますね。
私自身、この『文明の衝突』を読んで、改めて、世界地図をながめたのですが
「あれ?日本ってこんなに大きかったっけ?」と驚きました。
私にとって日本は世界の片隅の小国に過ぎないという気持ちで、
実際の日本より2まわりほど小さい気持ちなんですよね。
でも、これからは、もっと世界の一員であることを意識しなくちゃなあと
思いました。

Posted by: LIN | September 24, 2006 at 09:52

LINさん、さすがにパジャマは見かけませんでしたが、気性が随分と違うと痛感しました。
大同から北京に帰る列車の中で祖母、母、幼児(女児)の三人ずれと同じコンパートメントになりました。若い母親とカタコト英語で少し話をしましたが、初対面の外国人に対し、自分の子が白血病だと告げるのです。親しみを感じてのことではあっても、日本人は病気のこと、それも難病であればなおのこと、口にはしませんよね。自分の内向性に気づく機会でもありました。

日本は小さいと子供のときから聞かされ続けてきましたが、じつはそうでもないんですよね。スイスは九州と同じくらいだし、よく知られたヨーロッパの国々で日本より小さい国はたくさんありますよね。それから世界地図で一般に用いられるメルカトール図法が曲者ですね。
最近思うことは、大陸と島国の違いです。中国の建築や都市に見られる途方もなく厚い壁は日本にはないもので、寧ろヨーロッパに近いという岡倉天心の述懐(これも『法隆寺の謎を解く』に引かれていましたね)は、今度の旅で、その通りと実感しました。こうしたことは人びとの心性に知らずのうちに浸透してくるようです。あるいは心性が建築や都市のありかたに反映している…?

Posted by: 古代人 | September 24, 2006 at 15:16

>古代人さん
確かに初対面の人に、自分の娘が白血病であるなんてことは
日本人はいわないですね。
日本人は表面上はニコニコしてますが、なかなか心を開かない国民性ではありますよね。
>厚い壁は日本にはない
そうなんですよね。
当時は、中国のものをそっくりそのまままねしていたのでしょう?
いくら必要なかったとはいえ、どうして壁だけはまねしなかったのか疑問でした。
>寧ろヨーロッパに近い
でもヨーロッパにも城壁はありますよね。
うーん、なぜ、日本には城壁のようなものが作られなかったのか
気になってきました。
が、ヨーロッパと日本が近いというのは、ヨーロッパ好きの私には
嬉しい話です。
岡倉天心の本を読んでみようかなあ。
>心性が建築や都市のありかたに反映している
それはあると私も思います。
きちんと調べたらおもしろそうな研究テーマですね。

Posted by: LIN | September 25, 2006 at 10:13

>寧ろヨーロッパに近い

言葉が足りませんでした。中国は日本より寧ろヨーロッパに近い、という意味でした。
中国は壁だらけ、曖昧さを残しません。庭園の中も壁でどんどん区切ります。そのあたりは寧ろヨーロッパ以上に壁の文化という感がしました。

>当時は、中国のものをそっくりそのまままねしていたのでしょう?

にもかかわらず、都市を壁で囲うことはなかったようですね。
『法隆寺の謎を解く』P43に、
「藤原京も平城京も城壁に囲われていません。…平城京の南門からは塀が伸びていましたが、それは都市を立派に見せるための演出にすぎず、囲い込まず途中で止まってしまう代物でした。舞台美術のようなものだったのです。…」
とあります。実際、中国の城壁都市をまわってみて、これは全く日本の都市と違うと実感しました。人間の気性、闘争本能の質が全く違うとも…。

>岡倉天心の本を読んでみようかなあ。

ぜひ、おすすめします。世界の中での日本を見直すのに多くのヒントを与えてくれると思います。文明開化の中での苦闘が偲ばれます。漱石も同様の悩みを抱えていたわけですよね。明治の先人の苦闘から学ぶこと、はなはだ多し…。行き過ぎもありましたが。

Posted by: 古代人 | September 25, 2006 at 11:25

>古代人さん
>中国は日本より寧ろヨーロッパに近い
それはそうだと思います。
何しろ中国とヨーロッパは地続きですから。
>庭園の中も壁でどんどん区切ります
庭園といえば、以前、『カスティリオーネの庭』という本を読んだことがあります。
西洋人宣教師カスティリオーネが清の乾隆帝に仕えていた時に作った
西洋庭園をめぐる物語です。
小説ですが、庭は本当にあったものだし、カスティリオーネも実際にいた人物です。
中国人を知るという意味でも興味深い小説だったので、ご紹介しました。
>人間の気性、闘争本能の質が全く違うとも…。
『文明の衝突』を読んで、常に外敵を意識しなければいけなかった大陸は
大変だったろうなあと感じました。
日本は、長い歴史でも、そういう危機は元寇くらいなものですから
やはりどこかおっとりしていますよね。
Amazonで岡倉天心の本を検索すると『茶の本』が売れているようなのですが
あまり、“お茶”には興味がないんですよねえ…(・∀・;)
読むなら『東洋の理想』あたりかなと思っています。

Posted by: LIN | September 26, 2006 at 10:12

やはり『茶の本』からでしょう。
茶に関心のない私でも面白く読めました。それに茶はひとつの例であり、これに限定された話ではありませんから。
(『東洋の理想』は冒頭の一句で有名になりましたが、あまり合わないかもしれません…)

Posted by: 古代人 | September 26, 2006 at 15:26

こんにちは。
この本は、弟が大学のレポートの課題で買わされた本です。
なぜか私が読みました・・・。

良書か悪書か、冷静な判断が下せないまま完全に著者に翻弄されてしまいました。
やたら危機感ばかり覚えました。(笑
今のままじゃダメじゃん!!なんときゃしなきゃ!と思いながら読み続け、最後に出た結論は

「頑張れ外務省」

・・・・私のオツムでは精一杯のコメントです。


Posted by: moji茶 | September 26, 2006 at 15:33

>古代人さん
アドバイスありがとうございます。
うーん…『茶の本』ですか。
いまいち、そそられないかも…(・∀・;)

Posted by: LIN | September 27, 2006 at 10:48

>moji茶さん
うわあ、大学のレポートでこんな本を読まされるのですか。
でも、レポート書くの、楽しそ~♪
そうですね、この本は危機感をあおってますよね。
日本人であるmoji茶さんですらそうなのですから
アメリカ人はいわずもがなです。
でも、それは、ただ、反イスラムの感情をあおるだけじゃないかと
私なぞは思ってしまいます。
ノーベル文学賞作家のナギブ・マフフーズ氏がこんなことをいってます。
「イスラムと西側との『衝突』は不可避ではない。文明は『対話』できる」
私もそう思います。

Posted by: LIN | September 27, 2006 at 10:56

(・0・*) ホ,(゚0゚*)ホ--ッッ!!!

>文明は『対話』できる
おおお、冷静な批判。
そうですよね!なんでも勝ち負けで決めるのはおかしいです。
イスラムがあんなキレ方したのにはアメリカにも原因があるし・・・ノo-`)ボソッ
対話中心で、頑張れ外務省。

踊らされないよう、ちょこっとくらい勉強しようかなと思いました。

Posted by: moji茶 | September 27, 2006 at 13:08

岡倉天心については、原著ではありませんが、大久保喬樹『岡倉天心』がおススメです。小沢書店です。
賞の名前は忘れましたが受賞している作品で、全体像を把握するのにいいと思います。原文も適切に引かれていたと思います。

Posted by: 古代人 | September 27, 2006 at 18:36

>moji茶さん
この『文明の衝突』を読むと、ニュースで放送されない(or放送されても興味を持たない)から
知らなかっただけで、今も世界中で紛争が起きているんだなあと思い知らされますね。
私なぞは、もう戦争を知らない世代ですので、どうして戦争が起きるのだろうかと
知りたくて、こういう本をつい手に取ってしまいます。
何となくTVを見ていると、イスラム原理主義が悪いようなイメージがありますが
この本では、原理主義だけの問題ではないと書いてありますよね。
イスラムは、アラビアン・ナイトを生んだ世界でもあるので
文学的にも興味ありです。

Posted by: LIN | September 28, 2006 at 09:39

>古代人さん
本のご紹介ありがとうございます。
ただ、岡倉天心自身に興味があるというよりは
岡倉天心が法隆寺を訪ねた時の様子のみ、知りたかったものですから。
もしかしたら、何かのきっかけで読むかもしれませんが
今のところは、ちょっと手がまわりそうにないです。

Posted by: LIN | September 28, 2006 at 10:01

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