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March 17, 2007

西行、西行、西行

Saigyo

“西行”関連の本を3冊、読みました。

西行とは、平安時代の歌人である。
が、もともとは武士で、実家もお金持ちで、
時の天皇、鳥羽院にもかわいがられていたエリート。
しかし、23才の時に出家。
出家の理由は、白河院の愛妾にして鳥羽院の中宮であった
待賢門院璋子への恋に苦しんだゆえともいわれているが、
実際のところは謎。

西行が生涯、愛した待賢門院璋子は鳥羽院との間に崇徳院を産むが
実は、鳥羽院の祖父である白河院の子であるといわれていて
鳥羽院は崇徳院を「叔父子」と呼び忌み嫌う。
後に崇徳院は、同じ待賢門院璋子の子である後白河法皇と対立し
保元の乱が起こるのだが、戦いに敗れ、讃岐に流される。

待賢門院璋子は、白河院が崩御すると、華やかな人生が一転。
夫、鳥羽院は、璋子に代わって藤原得子(美福門院)を寵愛し、
得子が産んだ生後三ヶ月の躰仁親王を立太子させ
崇徳天皇から皇位を譲り受けさせる。
その後、得子を標的にした呪詛事件が相次いで発覚し、
それを裏で引いているのが待賢門院璋子と世間で騒がれ、
結局、璋子は法金剛院において落飾(出家)。

すごい、どろどろっぷり(笑)
西行を主役にして大河ドラマができるんじゃないだろうか。

さて、私が読んだ3冊とは…

西行
白洲さんが西行ゆかりの地を旅しながら、西行について解説する紀行文。
地図や写真も満載で、読んでいて楽しいです。
こういう歴史がからんだ紀行文をもっと読みたい。
何かオススメあったら教えてください。

白道
こちらも西行について書かれたノンフィクションですが
時々、筆が走りすぎて、小説タッチになってしまうところがあり
フィクションとノンフィクションの境が、非常に曖昧です。
また、白洲さんと比べると、寂聴さんの文章は、西行への想いが激しすぎて、
やや暑苦しいです(・∀・;)
西行のエピソードは、白洲さんの『西行』とかなり内容が重複するのですが
在原業平、徐福、安部貞任のことなど、西行とは直接かかわりのない人々の
エピソードがおもしろいです。

西行花伝
こちらは西行の生涯を描いた小説です。
21章に分かれていて、章ごとに語り手が変わります。
いやあ、とにかく、長かった。(707頁)
文章自体は読みやすくて、さらさら読めます。
これを読んで、西行の生涯についてはよくわかったのですが、
どうしてもわからないのが西行の考え方です。
果たして、心を無にする仏教と、心を浮き足立たせる歌は
矛盾しなかったのか。
ところどころに、西行の仏教に対する考え方が書いてあるのですが
どうも、それが私の心にカチッとはまらないんですよねえ…
アミニズムに近い考え方なのかなあ。
西行が熱心に語りつづけた「歌による政治(まつりごと)」というのも
よくわからず…
でもこの『西行花伝』は、いいです。
オススメ。

<自分メモ>
P.338
P.516
P.537
P.566

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Comments

JR東日本の新幹線で配布の広報誌「トランヴェール」も西行の特集でした。
佐藤義清(でしたっけ?)=西行なのだということを、その特集で初めて知りました。
そういえば、お読みになっているかも知れませんが、朝日新聞の連載小説にも義清が出てきます。
一週間ほど前には、義清と待賢門院との初めての出会いの場面がありました。
広報誌といい新聞小説といい、西行さんがブームなのでしょうか。それとも、桜の開花が間近だからでしょうか。

Posted by: gyuto | March 18, 2007 at 10:41

 願はくは花のもとにて春死なむ
     その如月の望月のもと

あ、鼻血でそう。
格好よすぎて。

この和歌は、ややガテン系理系男子(愚弟)のハートもつかんでました。

西行と慈円(慈鎮)のやりとりも、そうとう格好いいですよ。

   西行法師

 いとどいかに山をいでじとおもふらん
     心の月をひとりすまして


   返し 前大僧正慈鎮

 うき身こそなほ山かげにしづめども
     心にうかぶ月を見せやば

お勧め本…歴史が絡むってことですか。
じゃあ、定番としてドナルド・キーンの『日本文学の歴史』あたりを。
これの4巻目が古代・中世篇で、
西行の和歌の英訳が、まぁ、かっこいいんだなぁ。


Posted by: ne_san | March 19, 2007 at 09:17

>gyutoさん
「トランヴェール」が西行特集なのは、春だからかもしれませんね(*^^*)
>朝日新聞の連載小説
「宿神」ですよね。
読みたいなあと思ってました。
ただ、夢枕先生がお書きになっているので、西行が陰陽師とかになってないか
心配です(笑)
>西行さんがブーム
白洲さんが歩いた頃は、さびれていた西行ゆかりの地が、
寂聴さんが歩いた時には、すっかり観光地化していたようですので
その間に一度、ブームがあったのではないかと思います。
今はどうなんでしょう…
これから、団塊の世代がどどっと定年をむかえますので、
ある意味、楽隠居のような(実際は、全然、楽隠居ではなかったのですが)
西行の生き方に憧れる人がたくさん出てくるかもしれないですね。

Posted by: LIN | March 19, 2007 at 10:00

>ne_sanさん
おー、ne_sanさんの弟さんはガテン系なのですね(変なとこに反応)
>いとどいかに山をいでじとおもふらん
二人がこのやり取りをしたいきさつを今、調べました。
辻邦生の『西行花伝』には、慈円が西行に教えを乞いにきたシーンと
無動寺で西行が慈円と再会し
「にほてるやなぎたるあさに見わたせば…」と歌ったシーンだけで
この歌は、のってませんでした。
教えてくださってありがとー。
ドナルド・キーンの本もありがとー。
彼の本、何か読みたいなあと思ってたんです。
これ、全17巻、読みたくなりますね。

Posted by: LIN | March 19, 2007 at 10:24

変なとこへの反応、さすがです(笑)
筋肉だるまの愚弟、最近はガテン系といっても、
クライアントさんとのやりとりとか、書類作成が主なので、
汗臭さと日焼け感に欠けているのが残念。

Posted by: ne_san | March 21, 2007 at 01:26

>ne_sanさん
>汗臭さと日焼け感に欠けている
ガテンといったら汗ですよね♪
よくTVでタレントが議論していて2つに意見が分かれるのですけど
「好きな人でも汗臭いのはイヤ」派と「いや、むしろ汗臭い方が好き」派が
いるじゃないですか。
私は後者なんですが、ne_sanさんはどちらですか?
何か男であまりにも清潔っていうのもねえ…
(だからといって不潔がいいという話ではないです)
この私がいいたいニュアンス、伝わりますでしょうか?(笑)

Posted by: LIN | March 21, 2007 at 10:22

すでに西行の話ではなくなっていますが…(笑)
私も後者です。
好きな人の匂い、ってのは、好きですねー。
しかし、苦手な人のにおいは、「臭い」もしくは「スメル」ですな。
完全に別物。
これは、何なんでしょうか。

あと、好きな男の無精ひげ。
萌え、ですね。
風邪とか引いちゃってる、休日の男の無精ひげ。
ああ(うっとり。)

Posted by: ne_san | March 22, 2007 at 01:05

>ne_sanさん
おお、無精ひげ、いいっすねー。
日本の女子は胸毛が苦手な子が多いですけど、
実は私、胸毛もOK派だったりします。
匂いはねえ、「世界一受けたい授業」でやってたんですけど、
女性は、本能的に、自分と遺伝子が遠い男性を選ぶんですって。
で、女性が臭いと感じない男性が、遺伝子的に遠い男性なんだそうです。
男性にはこの能力はないので、だから基本、男は女なら何でもいいみたいよ~。
我々に比べたら、構造が単純よね~(笑)

Posted by: LIN | March 22, 2007 at 10:26

匂いの話、なんかで読んだことがありました。
すごいよね、匂いで遺伝子的なものまで判断してる♀って。

胸毛具合にもよりますが、胸毛はオッケーですね。
というか、いかにも胸毛なさそうな人が胸毛あると、
ポイントUPしますね。
あらやだ。

Posted by: ne_san | March 23, 2007 at 00:03

>ne_sanさん
ねー。女子ってすごいよね。
男は、顔と胸しか見てないからね(笑)
やつらの好みの女子になるなんてか~んたん。
でも、女子の場合、まったく見た目が同じでも(たとえば双子)
「好きなのは何となくこっち」っていうのがありますからね。
おー、ne_sanさんも胸毛オッケーっすか。
そんな気がしてた(笑)
考えてみたら、西行の記事で、男と女の話ってのは正しいんですよ。
西行も愛に生きた人ですから。
でも、私、どうして西行があそこまで璋子にひかれたのかは
イマイチ、わからないんですよねー。
美人で高貴で優雅だからでしょうか?
でも、璋子は歌はまったくダメだったんですよね?
結局、西行といえども、男は、バカでキレイな女が好きってことか~。

Posted by: LIN | March 23, 2007 at 09:21

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