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April 14, 2007

『陰摩羅鬼の瑕』『邪魅の雫』by京極夏彦

ネタばれしないように書くつもりですが、
未読の方は読まない方がいいと思います。

『陰摩羅鬼の瑕』by京極夏彦
文庫版 陰摩羅鬼の瑕

「おお!そこに人殺しが居る!」
探偵・榎木津礼一郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだ―。
嫁いだ花嫁の命を次々と奪っていく、白樺湖畔に聳える洋館「鳥の城」。
その主「伯爵」こと、由良昂允とはいかなる人物か?
一方、京極堂も、呪われた由良家のことを、元刑事・伊庭から耳にする。
シリーズ第八弾。

洋館大好きなので、洋館が舞台なのは嬉しい。
しかし、いつもの妖しさがまったくない、なぜだろう?
妖怪と洋館が合わないからか?
京極堂の妖怪薀蓄も少なかったように思う。
宗教薀蓄も楽しみなのだが、
今回のテーマは儒教とハイデッガーであまりおもしろくなかった。
登場人物が少ないうえに舞台がほとんど一箇所なので変化がない。
ミステリーとしても途中である程度、話が見えてしまう。

『邪魅の雫』by京極夏彦
邪魅の雫

昭和二十八年夏。
江戸川、大磯と相次いで毒殺事件が発生する。
そして──平塚。
被害者の女性は偽名で生活し、身許不明。
彼女に付き纏っていた不審な男、死体の第一発見者、
香具師の破落戸(ごろつき)、殺意に憑かれた男。
夫々の物語が渦巻くなか、増えていく毒殺死体。
連続事件としての捜査は混乱を極め、ついにあの男が登場する!

MouRa特設サイト(プロモーション映像有り)

いつもより京極堂の登場場面が少なくてつまらん。
今回は妖怪薀蓄も宗教薀蓄もない。
ネタ切れか?
今回の京極堂の薀蓄は書評についてと、
伝説と歴史について。
登場人物が多いうえに複雑に入り組んでいるので
それを追うことに必死になってしまい(初めて相関図を作ったよ!)
小説そのものを楽しめない。
途中からナナメ読みした。
(少なくともオンモラキはナナメ読みはしなかった)
あの人がキーマンなんだろうなあというのは途中でわかってしまう。
ただ、今まで、榎木津はそんなに好きじゃなかったのだが、
今回の榎木津はかっこよかった。

これで、京極堂シリーズはすべて、読み終えた。
私は京極堂の薀蓄ファンなので、『百鬼夜行』や『百鬼徒然袋』は
読まなくてもいいかなあと思っている。
過去の京極堂シリーズを読み返したくなった。
この流れで何だか本格ミステリーが読みたくなって3冊注文。

『赤朽葉家の伝説』by桜庭一樹
赤朽葉家の伝説

「山の民」に置き去られた赤ん坊。
この子は村の若夫婦に引き取られ、
のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、
赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。
これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。
千里眼の祖母、漫画家の母、そしてニートのわたし。
高度経済成長、バブル崩壊を経て平成の世に至る現代史を背景に、
鳥取の旧家に生きる3代の女たち、
そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の血脈を
比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。

『グラン・ギニョール城』by芦辺拓
グラン・ギニョール城

欧州の城グラン・ギニョール城に招かれた名探偵ナイジェルソープ。
客の間には緊張が漂い、嵐の夜を境に惨劇が続く。
一方、弁護士・森江春策は、偶然遭遇した怪死事件の手がかりとなる
探偵小説『グラン・ギニョール城』を探し当てたが、
彼を嘲笑うかのように小説世界は現実を浸食してゆく。
虚実混淆の果てに明らかにされる戦慄の真相とは?

『百万のマルコ』by柳広司
百万のマルコ

囚人たちが退屈に苦しむジェノヴァの牢。
新入り囚人〈百万のマルコ〉ことマルコ・ポーロは、彼らに不思議な物語を語りはじめる。
いつも肝心なところが不可解なまま終わってしまう彼の物語。
囚人たちは知恵を絞って真相を推理するのだが……。

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Comments

 「本を読む人々」からやってきました、ぎんこです。
京極センセも好きなので最新刊まで読んでますが、この2冊はあきらかに失速気味ですよね〜。まだ「おんもらき」の方が私は許せるかな…面白くないけど。おんもらきから、「忌まわしさ」が無くなったと思いませんか?もしかすると小説としては完成度が上がってるのかもしれませんが、忌まわしさのない京極センセなんてつまらんのです…。
「京極シリーズ」以外では「嗤う伊右衛門」は面白かったです。

Posted by: ぎんこ | April 17, 2007 at 12:26

>ぎんこさん
おお、こちらまでおいでいただきありがとうございます。
それからマイフレンド登録もありがとうございました。
>この2冊はあきらかに失速気味
ねー、やっぱりそうですよね。
“宴”がもりあがりましたもんねー。
“宴の始末”っていうくらいだから、やっぱりあそこで一度、終わってるんですよね。
>「おんもらき」の方が私は許せるかな
ああ、私も!オンモラキの方がまだ楽しめました。
そうなんですよ、「忌まわしさ」がないんですよ。
やっぱり怖そうな妖怪が出てこないとねえ。
オンモラキはただの黒い鳥でしょう?
ジャミは何だっけ?
それに比べて“宴の始末”の塗仏の怖かったこと。
目がぼろ~んですよ(笑)
あとはぬっぺっぽう。
また、あのテイストにもどってほしいですね。

Posted by: LIN | April 17, 2007 at 18:46

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