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May 31, 2007

たらいまわしTB企画
第34回「行ってみたいあの場所へ~魅惑の舞台」

Tara34

たら本です。
どなたでも参加できるTB企画。
テーマに沿った本を紹介する記事を書き、
主催者さんや他の参加者にトラックバックやコメントしてね。
※たら本とは
今回の主催はCiel Bleuの四季さんです。

今回のお題は、「行ってみたいあの場所へ~魅惑の舞台」です。
本を読んでいる時に、「ああ、この場所に行ってみたい」と思うことって
ありませんか?
それはどこかの街角かもしれないですし、
雄大な自然の中かもしれません。
過去の歴史の中の場所かもしれないし、架空の世界かもしれません。
紀行文を読んでいて、思わず旅に出たくなってしまうこともあるでしょう。
フィクション、ノンフィクション問いません。
本を読んでいて行ってみたくてたまらなくなった場所があれば、
ぜひ教えて下さい。
もちろん、その本がきっかけで思わず本当に行ってしまった…!
というのもアリです。^^
さて、あなたが行ってみたいと思われるのは、どこでしょう?

行ってみたいところ、いっぱいあります。
特に歴史上の場所。
邪馬台国はどこですか?
邪馬台国はどこですか?
邪馬台国へ行き、果たしてそれがどこにあったのか知りたい。




イエスの王朝 一族の秘められた歴史
イエスの王朝 一族の秘められた歴史
キリストの時代のエルサレムへ行って
聖書に書かれていたことは実際に起きた事なのか知りたい。




ラー
ラー
古代エジプトへ行きピラミッドがどんな風に作られたのか知りたい。




文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)
文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)
古代のイースター島へ行き、
モアイ像がどのように作られたのか知りたい。





バートン版 千夜一夜物語 第1巻 シャーラザットの初夜
バートン版 千夜一夜物語 第1巻 シャーラザットの初夜
ファンタジーなら、アラビアンナイトの世界へも行ってみたいし、




不思議の国のアリス
不思議の国のアリス
不思議の国のアリスの世界へ行って、一緒にお茶会に参加したい。




『五月三十五日』(スケートをはいた馬)の世界へ行き、
コンラートたちと一緒に“なまけ天国”や“偉大なるむかし城”も見てみたい。

容疑者の夜行列車
容疑者の夜行列車
現実に行ける場所としては、
『容疑者の夜行列車』や『深夜特急』のコースで旅してみたい。




深夜特急〈1〉香港・マカオ
深夜特急〈1〉香港・マカオ

銀河ヒッチハイク・ガイド
銀河ヒッチハイク・ガイド
SFならばこれかなあ。





何だか最後は行きたい場所ではなく、
小説の世界そのものに入りこみたいという話になってしまいました(・∀・;)
でも、それが本当は理想。

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May 25, 2007

mixiにコミュを作りました

Title1_1最近、遊び場にしている
「本を読む人々。」というSNS
サーバーダウンする時があるので、
避難場所として、mixiにコミュを作りました。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=2207084

「翻訳小説が好き」というコミュの避難所ということになってますが、
たくさんの人と翻訳小説について語れたらいいなあと思ってます。
「本を読む人々。」に参加されていない方でも歓迎です。
(今のところ、承認制になってます)

『オデュッセイア』の上巻読了。
退屈もしくは難解なのではないかと危惧していたが
そのどちらもでなかった。
とても楽しく読めた。
新たに購入したのは…
kotaさんがこちらの記事
「今すぐ書店に走ってください」とおっしゃっていた
クリストファー・プリーストの『双生児』
双生児

文庫化された梨木香歩の『村田エフェンディ滞土録』
村田エフェンディ滞土録

『本を読む人々。』の「励まし合って読書会」コミュの今月の課題本
カレル・チャペック『ロボット』
ロボット

●6月発売で気になる本
『21世紀ドストエフスキーがやってくる』大江健三郎他 集英社
すばる4月号の特集「21世紀ドストエフスキーがやってくる」と内容は一緒?
だとしたら、すでに持っている。

『漱石の夏やすみ』高島俊男 ちくま文庫
学生だった漱石が23歳の夏やすみに友人4人と房総旅行に出掛け、
その見聞をしるした漢文紀行『木屑録(ぼくせつろく)』を解説したもの。
読もう読もうと思っているうちに文庫化された。ラッキー♪

『ぐるりのこと』梨木香歩 新潮文庫
文庫化

『新帝都物語』荒俣宏 角川書店
いよいよ、出るのか!?
『帝都物語』から20年。魔人・加藤VS新撰組の戦い!

『話して考えると書いて考える』大江健三郎 集英社文庫
文庫化

●5月発売なんだけど購入を悩んでいる本
『廃帝綺譚』宇月原晴明 中央公論新社
『安徳天皇漂海記』の続編?

『いい子は家で』 青木淳悟 新潮社 
『四十日と四十夜のメルヘン 』の著者、2作目。

『溶ける街 透ける路』 多和田葉子 日本経済新聞出版社

『ミノタウロス』佐藤亜紀 講談社

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May 19, 2007

Soup de poisson,『若い芸術家の肖像』

いつもパンケーキには森永のメープル・シロップを使っているのだけれど
今日はカナダ産のピュア・メープル・シロップをかけてみた。
甘くない…
本物のメープル・シロップは甘くないものなのか?
ってことは森永はメープルシロップに加糖しているってことなのか?

スープ・ド・ポワゾンが好きなのだけれど、
メニューにある店がなかなかない。
ここいらのフレンチレストランだったら
スープといえばせいぜいポタージュとコンソメだ。
パスタをメニューに加えているフレンチレストランさえある。
スープ・ド・ポワゾンに話をもどす。
ポワゾンといっても毒ではない。
魚のスープである。
先日、煮魚にでもしようといさきを買ったのだけれど、
たまには目先を変えようとCOOKPADでレシピを探して、
「いさきのアクアパッツァ」というのがあったので作ってみた。

~材料~
いさき 大きめのもの 一尾
あさり ひとパック
トマト 小2個
にんにく 2片
アンチョビ 3キレ
大葉 5枚ほど
塩、こしょう 適宜
オリーブオイル 適宜
水 100cc~150cc
白ワイン 50cc~100cc

1.いさきはうろこ、内臓をとってきれいに洗う。
塩をして、10分ほど置いて生臭さをとり、もう一度水洗いする。
2.いさきの水気をペーパータオルでとり、塩、こしょうをする。
3.トマトはくし型にカット、アンチョビはみじん切りにする。
にんにくはつぶしておく。
4.浅めの鍋かフライパンにオリーブオイルを少々多めにしき、いさきを両面焼く。
途中でにんにくを入れる。。
5.いさきが焼けたら、ペーパーで余分なあぶらをとり、あさり、トマト、アンチョビを入れる。
水と白ワインを加え、ふたをしてあさりが開くのを待つ。
6.あさりが開いたら、塩こしょうで味をととのえ、オリーブオイルをたらす。
火を止め大葉をのせ完成。

食べてびっくり。
なんとこれがスープ・ド・ポワゾンだったのだ。
スープ・ド・ポワゾンとアクアパッツァは同じものなのか?
スープ・ド・ポワゾンのレシピを改めて調べてみると
にんじん、タマネギ、セロリ、生クリーム、海老などを
加える場合もあるようだが…

若い芸術家の肖像ジョイスの『若い芸術家の肖像』を
一応、読み終えたのだけれど
ストーリーを追ったというだけで
細かい箇所はまったく理解できていない。
翻訳者、丸谷才一の解説によると
主人公の名前ディーダラスは、
ギリシア神話に登場するダイダロスの英語名で
作品の中で何度もその相関関係が示されるのらしいのだが、
ギリシア神話をきちんと読んだことがないので、さっぱりわからない。
童話から日記まで、さまざまな文体と形式が収められているというのは
何となくわかった。
著名な詩がたくさん引用されているのだが、
私は詩が大の苦手なので、その味わいがわからない。
そもそもディーダラスが詩人を目指しているので、
全編にわたって詩的表現満載である。
それがまたちょっと大袈裟過ぎる感じがする。
まるで舞台でセリフをいっているような感じ?
ディーダラスがある悩みを抱え、宗教的に追い込まれるシーンがあるが
あの悩みも『カラマーゾフの兄弟』のアリョーシャの悩みに比べると
くだらない気がする。

とりあえず『ジョイスを読む』という本を買って理解を深めることにする。
『ユリシーズ』と『オデュッセイア』も注文。
ジョイスを読むユリシーズ〈1〉ホメロス オデュッセイア〈上〉

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May 16, 2007

『文学全集を立ち上げる』『ガリヴァー旅行記』

恩田陸と森見登美彦が山本周五郎賞を受賞したというニュースに
「ジーザス、お前もか」とうなってしまったわけだが、
当該作品こそ読んでいないが、
二人の作品を多少とも読んだことがある私が抱いたのは
「今後、日本の文学はこういった口当たりのいい作品を書く作家が
主流を占めていくのか?」
という危惧、いやすでにあきらめに近い感情である。
二人に限らず、ここ10年で人気の出てきた作家の作品は、
そこにSTORYはあるけれど、STORYしかないと感じるのである。
何かが足りない…
(それが何なのか、文学評論的ことばでかっこよく表現したいのだが
そんな力があれば、とっくに評論家になっているのである)
ことばがうわすべりしているとでもいうのだろうか。
しかし、今の日本人にはそういう作品こそが求められているというってことなのか?
簡単にことばをカット&ペーストできる
パソコンという入力装置も原因のひとつだろうか?

文学全集を立ちあげる丸谷才一・鹿島茂・三浦雅士の3人が
まったく新しい文学観、そして「いま読んで面白いもの」という大原則で、
世界・日本文学全集(古典・現代)を編み直そうと対談したのが
この『文学全集を立ち上げる』なのだが、
この中で鹿島氏が次のように述べている。
「僕は1年間文藝時評をやったことがあって、その時、痛感したのは、
新人作家がいっぱい出てくるんだけれど、
彼らがほとんど昔の文学作品を読んだことがないまま
小説を書いているということでした。
小説というものの本質、技術もなにも知らないで、
いきなり新人賞でデビューする。
そして、とりあえず自分のまわりのことを2、3作書くと、
もう書くこともなくなって消えていってしまう。」
最近の作家に私が感じる違和感はこういうことも関係するのかもしれない。

そんなわけで「もっと古典を読もう」と思いたち、
「本を読む人々。」というSNSに
「古今東西の名作を読もう」というコミュニティを作ってみた。
今のところ
・『文学全集を立ちあげる』に掲載された本を読もう
・光文社 古典新訳文庫を読む
・池澤夏樹=個人編集 世界文学全集を読む
・日本名作を読む
・世界名作文学 新訳・旧訳を読む
・『完訳 赤毛のアン』を読む
・シェイクスピア
といったトピックがある。
簡単な登録さえすれば誰でも参加OKなので古典に興味のある方は是非。

ガリヴァー旅行記「もっと古典を読もう」プロジェクトの一環として
スウィフトの『ガリヴァー旅行記』を読んだ。
「ガリヴァー旅行記?子供の頃に読んだ、読んだ」という方。
あれは、原作とはまったく違うものです。
子供向け『ガリヴァー旅行記』は夢にあふれたメルヘンのお話だが、
原作の『ガリヴァー旅行記』は人間への風刺や嫌味がいっぱい。
「リリパット国渡航記」はご存知、小人国の話。
「ブロブディンナグ国渡航記」は大人国の話。
子供向けの本に書かれているのはここまで。
しかしこの後の「ラピュータ、バルニバービ、ラグナダ、
グラブダブドリッブおよび日本への渡航記」と
「フウイヌム国渡航記」がこの小説の真髄なのだ。
前半ではなりをひそめていたスウィフトの毒舌が冴え渡り
人間がいかに愚かか、英国の政治がいかにダメであるか
延々と語り続ける。
「フウイヌム国渡航記」にはヤフーと呼ばれる邪悪で汚らしい毛深い生物が
登場するが、これは人類を否定的に歪曲した野蛮種族のこと。
極端に書かれているとはいえ、この章を読むと、
人間とはこんなに醜い生き物かと愕然とする。
子供向けしか読んでいない方は原作で是非、再読を。

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May 11, 2007

『リヴァイアサン号殺人事件』『新釈走れメロス』『夢十夜他二編』

リヴァイアサン号殺人事件『リヴァイアサン号殺人事件』はロシアの作家ボリス・アクーニンが書いた
“ファンドーリンの捜査ファイル”シリーズ第3作である。
(ちなみにアクーニンは日本語の“悪人”にちなんでいる)
豪華客船、消えた秘宝の謎、いわくありげな乗客たち…
と、ポワロものが好きな方たちにはたまらない設定。
また探偵ファンドーリンが最新ファッションに身を包んだ美青年で
さらに紳士的とチャーミングなキャラクターなのである。
日本の文学に造詣が深い著者はアオノ・ギンタローという日本人を登場させ、
作品の中で日本人論を展開している。
翻訳をした沼野恭子さんは沼野充義さんの奥様。

Subaru0127_t_1そのボリス・アクーニンのインタビューが掲載されている
すばる4月号の特集は「21世紀ドストエフスキーがやってくる」。
ドストエフスキーといえば、
昨年9月に創刊された光文社「古典新訳文庫」の
『カラマーゾフの兄弟』が全3巻あわせて7万8千部、売れたらしい。
私は未読だが、この新訳がかなり読みやすいとのこと。

この秋、18年ぶりに河出書房新車から世界文学全集が発売されるという
ニュース
もある。
古典の新訳ブームがきてる感じ。

新釈 走れメロス 他四篇『新釈走れメロス』は『夜は短し歩けよ乙女』が評判の
森見登美彦の最新作。
「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」といった
日本の古典の名作のパロディ。
(パロディっていっちゃっていいのか?)
舞台はすべて京都、登場人物のほとんどが大学生。
何というか森見さんの作品に限らないのだけれど、
1冊2時間で読めちゃう最近の日本文学の傾向はいかがなものか。
私は古い人間ですので、小説に文学的表現なんかを期待するわけで
そんな友達に話すような文体で書かれても…と思うわけです。
「山月記」はまあまあ、よかったかな。
著者の日記はおもしろいです。

夢十夜 他二篇夏目漱石『夢十夜他二編』も読んだ。
これを映画化しちゃいかんでしょう→ユメ十夜公式サイト
映画、見てないけれど、公式サイトを見る限り、
画面が明るすぎるように思います。
夢ってもっと薄暗くてぼんやりとしたものじゃない?

しばらくごぶさたしていた本好きのSNS「本を読む人々。」にはまってます。
現在の参加人数は700人。
作家別コミュ、ジャンル別コミュいろいろあります。
楽しいですよん。

家守綺譚読書中はその「本を読む人々。」で薦めていただいた
梨木香歩『家守綺譚』
名前のイメージで勝手に若い女性作家だと思ってた。
内容もイマドキのペラペラした話なんだろうと。
が、今、半分くらい読んだところだけどすばらしくいい!
感想はまた後日。
今月、文庫化される『村田エフェンディ滞土録』も楽しみ。

しかし、もうちょっとうまく感想を書けないものか、自分。
作家のことをとやかくいうまえに、自分の文章力をもっと磨けっつうの。

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May 07, 2007

『百万のマルコ』『邪馬台国はどこですか?』『占星術殺人事件』『明智小五郎対金田一耕助』『猫のゆりかご』

●『百万のマルコ』by柳広司
百万のマルコ

囚人たちが退屈に苦しむジェノヴァの牢。
新入り囚人、マルコ・ポーロは、彼らに不思議な物語を語りはじめる。
いつも肝心なところが不可解なまま終わってしまう彼の物語。
囚人たちは知恵を絞って真相を推理するのだが……。

物語の形式としてはアシモフの『黒後家蜘蛛の会』を
思い浮かべてもらえればいいです。
ただ、謎かけ自体は一休さんの頓知みたいな感じ(笑)

●『邪馬台国はどこですか?』by鯨統一郎
邪馬台国はどこですか?

歴史ミステリ連作集。
カウンター席だけのバーに客が三人。
某私立大学文学部教授、専攻は日本史の三谷敦彦。
同じ大学の文学部助手、専攻は世界史の早乙女静香。
(ちょっと気が強い)
そして歴史研究家、宮田六郎。
宮田の爆弾発言に、静香が食ってかかって始まった歴史検証バトル。
回を追うごとに熱を帯びて……。
テーマは、ブッダの悟り、邪馬台国の比定地、聖徳太子の正体、
光秀謀叛の動機、明治維新の黒幕、イエスの復活。

多分、本物の歴史学者が読んだら噴飯物なんだろうけれど、
こんな歴史の見方もあるってことで。
そもそも2千年前のことなんて、正解を出しようがないのだから
ロマンがあった方がいいよね。

●『占星術殺人事件』by島田荘司
占星術殺人事件

怪事件はひとりの画家の遺書から始まった。
その内容は、六人の処女から肉体各部をとり、星座に合わせて
新しい人体を合成するというもの。
画家は密室で殺された。
そして六人の若い女性の死体が次々と見つかる。

これ、すぐ、トリックがわかっちゃった。
ミステリーの名作といわれているけれど
御手洗が、ホームズやポワロのように天才肌じゃないのがつまんない。
(私は天才肌の探偵が好き)
京都で石岡と別れて、さんざん思わせぶりな行動を取って、
結局、何もつかめてなくて、
最後、石岡のヒントで「あっ!!!」でしょ?
この御手洗シリーズってもしかして石岡が主人公で
御手洗はサブキャラ?

●『明智小五郎対金田一耕助』by芦辺拓
明智小五郎対金田一耕助

古今東西の名探偵、パスティーシュ短編集。
登場するのは、明智小五郎、金田一耕助、フレンチ警部、
ブラウン神父、エラリー・クイーン…
ポワロは登場しないけれど、
「そしてオリエント急行から誰もいなくなった」なんていう作品もある。
『グラン・ギニョール城』もそうだったけれど、
芦辺さんってミステリーの雰囲気作りがとても上手。
昭和12年の大阪駅に明智小五郎が降り立ったシーンなんて
目に浮かぶようでしたよ。
「少年は怪人を夢見る」は両親に捨てられてしまった少年が
危険な目にあって、読者ははらはらさせられるのだけれど、
実はその少年は…
あっ!と驚かされます。
芦辺拓は今後も読んでいきたい作家さんです。

●『猫のゆりかご』byカート・ヴォネガット・ジュニア
猫のゆりかご

主人公のジョーナはライター。
原爆を発明したノーベル賞物理学者のハニカー博士に興味を持ち、
博士の息子に手紙を書く。
博士には娘が一人、息子が二人いたが、
一番目の息子は行方不明だった。
ある日、ジョーナはニューヨーク・サンデイ・タイムズの特別付録に
博士の一番目の息子、フランク・ハニカーの名前を見つける。
なんと、彼はサン・ロレンゾ共和国科学大臣になっていた。

「本を読む人々」というSNSで「励まし合って読書会。」という
みんなで毎月1冊、課題本を読んで語り合うというコミュニティがあり
今月の課題本がこの『猫のゆりかご』なのでした。
同じ著者の『タイタンの妖女』も好きだけど、これもすごくいい。
カート・ヴォネガットとは相性がいいのかも♪
『猫のゆりかご』ってタイトルがよくないなあ。
もっとのんびりしたストーリーを想像しちゃうもの。
英語では、“猫のゆりかご”って“あやとり”という意味なんです。
それにしたって、この物語にはもっとドラマチックなタイトルが似合うと思うな。

読書中はボリス・アクーニンの『リヴァイアサン号殺人事件』
リヴァイアサン号殺人事件
帯を高村薫が書いてますー、きゃー。

貴族の館での大量殺人。謎の財宝。
そして、豪華客船に怪しげな人々と名探偵が揃った。
さて、犯人は誰か─
とくれば、もう欠けているものは何もない。
優雅なグランド・ミステリーが現代ロシアで甦ったことを悦ぼう。
スリルもどんでん返しも、精巧な銀細工のような贅沢さである。

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May 01, 2007

たらいまわしTB企画第33回「悪いやつ」

Tara33

たら本第33回が始まりました。
どなたでも参加できるTB企画。
テーマに沿った本を紹介する記事を書き、
主催者さんや他の参加者にトラックバックやコメントしてね。
※たら本とは

今回の主催は読書記録の檀さんです。

古今東西、文学にかかせない存在、それが「悪いやつ」です。
こんな人に(ものに)惚れたらとんでもないことになる、
とわかっていても、どうにも止められない。
「悪いやつ」には、いつも幻惑されます。
それは、自分が暗黒面に踏み込むことがないと
信じている故の憧れなのか、
自分の中に悪の芽があることを知っているからの恐れなのでしょうか。
ともあれ「悪いやつ」が魅力的であればあるほど、
物語は鮮やかになるのです。
ということで、あなたの「悪いやつ」を教えて下さいm(__)m

このテーマ、よくよく考えるとむずかしい。
たとえば、ミステリーの犯人は、みんな「悪いやつ」かというと
そうとは限らない。
悪いことをする正当な理由があったりする。
その理由が小説の“キモ”なわけで、動機なき殺人の場合は、
犯人及びトリックをあてるただのパズル型ミステリーになってしまう。
またミステリーはその性質上、犯人をわからないように書くため
犯人の“悪”の部分を徹底的に書けないということもある。
小説の世界の「悪人の中の悪人」はどこにいるのか?
ノワールか?

●『冷血』のペリー・スミス
冷血

カンザス州の片田舎で起きた一家4人惨殺事件。
被害者は皆ロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。
カポーティが5年余りの歳月を費やして綿密な取材を遂行した
ノンフィクション・ノヴェル

今でこそ、この事件の犯人のような人間は珍しくなくなったが
作品が発表された当時は、かなり衝撃的だったのではないだろうか。
先日、アメリカのバージニア州で32人が殺された銃乱射事件があったけれど
アメリカという国は、誰もが憧れる国という華やかさの裏に
そういう暗い一面があり、
それはアメリカ国民にうまく隠されいてるんだと思う。

●『血と骨』の金俊平
血と骨〈上〉血と骨〈下〉

昭和初期に済州道から大阪に出稼ぎにきた金俊平。
その巨漢と凶暴さで極道からも恐れられていた。
女郎の八重を身請けした金俊平は彼女に逃げられ、
自棄になり、職場もかわる。
さらに飲み屋を営む子連れの英姫を陵辱し、強引に結婚し…

作者の父親がモデルといわれている。
映画ではビートたけしが演じてました。
妻や子供に暴力はふるうし、自己中心的だし、愛人は作るし
滅茶苦茶な人ではあるのですが、
昔の女を助けたり、優しいところもある。
「悪いやつ」とはちょっとニュアンスが違うかなあ…

●『幻夜』の美冬
幻夜

1995年冬、阪神淡路地方を襲った未曾有の大震災。
その混乱の中で叔父を手にかけた水原雅也は
一人の女性・新海美冬と出会い、
運命に導かれるように東京へ向かう。
美冬がビジネスで次々に成功をおさめる一方、
美冬に魅入られた雅也は彼女の影として動く存在となる。
そこに、美冬の過去に疑念を抱く刑事・加藤が現れ…。

私は『幻夜』の関連作品といわれている『白夜行』の方が好きなんだけど
「悪いやつ」といえば断然、こちらの主人公の美冬。
『白夜行』の主人公である雪穂はまだ同情の余地があった。
しかし美冬はひたすら金だけの女。
本当に「悪いやつ」というのは男より女なのかも。

●『罪と罰』のラスコーリニコフ
罪と罰 (上巻)罪と罰 (下巻)

鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、
一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、
強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、
その財産を有効に転用しようと企てるが
偶然その場に来合わせたその妹まで殺してしまう。
この予期しなかった第二の殺人が、
ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、
彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。

本当は『カラマーゾフの兄弟』を紹介したかったんだけど、
「悪いやつ」といったら、やっぱりこちらかなあと。
でもよくよく考えたら、ラスコーリニコフは罪の意識におびえるわけだから
「悪いやつ」とはまた違うかなあ…。
「悪いやつ」ってもっと、しれーっとした感じだもの。
「悪いやつ」の定義がわからなくなってきた…(・∀・;)
「古今東西の小説の中で誰が一番“悪いやつ”か」ランキングをやってほしいです。

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