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June 02, 2007

『オデュッセイア』『双生児』『夏の夜の夢・あらし』『黒い時計の旅』『ロボット』

●今週読んだ本

ホメロス オデュッセイア〈下〉
ホメロス オデュッセイア〈下〉
先週に引き続き下巻を。
トロイア戦争にまつわる伝説は、
全部で8編の叙事詩で構成されており
順序は
『キュプリア』→『イリアス』→『アイティオピス』→『小イリアス』
→『イリオス落城』→『帰国談(イストイ)』→『オデュッセイア』
→『テレゴニア』となっている。
『イリアス』も読むべきなのだろうけれど、戦闘シーンが多くて退屈そう…
それに有名なトロイの木馬のエピソードは『イリアス』じゃなくて
『イリオス落城』に書いてあるみたいだし。
いうなれば外伝である『アガメムノーン』も読みたい。
今まで気にもしなかったけれど、こういった古典を出版し続ける
岩波文庫の存在は貴重。

双生児
双生児
「プレステージ」の公開間近なプリーストの話題作。
純粋にトリックを楽しめばいいのか。
それとももっと深い何かがひそんでいるのか。
読んでいるうちに、自分の読み方が正しいのかどうか
わからなくなってきて、足元がぐらつく。
これとかカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』とか
文学としてのSFがきてる?

夏の夜の夢・あらし
夏の夜の夢・あらし
再読。
でも10代の頃に読んだきりなので、ほとんど忘れてた。
これを機にシェイクスピアをもっと読んでいきたいのだけれど
慣れていないせいか、どうも戯曲は読みにくい。


黒い時計の旅
黒い時計の旅
たら本第25回「ドイツの文学」で、
ne_sanさん
が紹介してくださった本。
歴史改変SF。
最初は話にのれなかったのだけれど、
途中から俄然、おもしろくなってきて、徹夜しかけた。
今年のベストかもしれない。
島のホテルに暮らす白人の母子。
本土と島の間を渡す船の老船長。
ヒトラー専属の私設ポルノグラファー。
彼らが大きな歴史の渦に巻き込まれていくのか
はたまた彼らが歴史を飲みこむのか。
傑作です。
是非、読んでみて。

ロボット
ロボット
“ロボット”という言葉はこの本から生み出されたもの。
しかし、私たちが頭に思い浮かべる“ロボット”と
この本に登場する“ロボット”は見た目からして
まったく違うものである。
ロボットというよりクローンの考え方に近いのではないか?
しかしソニーの二足歩行ロボットなんか見ている限りでは
のろのろしていてロボットの実用化はまだまだ先ですな。

●新たに注文した本

『ユリシーズ(2)』ジェイムズ・ジョイス
今は1巻をゆるゆる読んでいる。
この本をおもしろく読むコツは、
その都度、訳注をていねいに読むことじゃないかと思う。
多分、さーっと読み流してしまったら、
何が何だかわからないまま終わる可能性がある。

『不思議の国のアリス』ルイス・キャロル
突然、再読したくなったので。

『奇術師』クリストファー・プリースト
プリースト検証プロジェクト第2弾。

『充たされざる者』カズオ・イシグロ
カフカっぽいらしい。

『エムズワース卿の受難録』P.G. ウッドハウス
来月、文春ウッドハウス選集第三巻『マリナー氏の冒険記(仮)』が
発売されるので、その前に第二巻であるこれを読んでおく。

『パンプルムース氏のおすすめ料理』マイケル・ボンド
東京創元社の新刊案内に『パンプルムース氏とホテルの秘密』が
あったので、まずはシリーズ第1作を読んでみることにする。

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Comments

エリクソン「黒い時計の旅」… 凄かったでしょ?
この作品は、わたしの中の別格です。
 
ウッドハウスの国書刊行会の新刊は久し振りなので楽しみ… 実は、ウッドハウスはあんまり好きじゃないんですが。(笑) 「パンプルムース氏」のシリーズも新刊が出るんだ! このシリーズって、ゆる〜い感じですが、意外と面白いですよ。 個人的には出来不出来が多いような気もして、新しいものを読もうか読むまいか一寸悩んでしまうんですが、結局は読んでいます。 

Posted by: ユイー | June 02, 2007 at 23:18

…もとい。
国書じゃなく、文春。

Posted by: ユイー | June 03, 2007 at 01:46

こんにちは。
こちらの記事を読んで心動かされ、『ユリシーズ(3)』をついに購入して読む準備だけはできました。あとは1巻からいつ読み始めるか。ちょっと勇気が必要ですね。あっ、その前に『オデュッセイア』だ。『イリアス』から先へなかなか進みません。
岩波はいい出版社ですよ。書店への卸は委託ではなく、買切という業界ではめずらしい返品のできない出版社です。書店泣かせではありますが、良書を出しているという自負があればこそですね。
『黒い時計の旅』は極上のエンターテイメントですよね。娯楽作品でもあそこまでいくとすばらしいと思います。あのループ感に酔いました。
ウッドハウスも続々出ますね。追いつきません。はは。

Posted by: uota | June 03, 2007 at 06:10

>ユイーさん
『黒い時計の旅』すごかったです。
今まで、和物、ホンヤクモノ、半々の割合でしたけれど、
これを機にホンヤクモンスキーになってしまいそう。
最近の和物にはすっかり嫌気がさしてるし。
>ウッドハウスはあんまり好きじゃない
え?そうなんですか?
でも私もちょっとあざといかなあという気はしてます。
やっぱりナンバーワン執事はヘンリーですって。
>ゆる〜い感じですが、意外と面白い
こういうジャンル、なんていうんでしたっけ?
あ、コージーミステリーだ。
シャム猫ココシリーズには、はまれなかったので、
パンプルムース氏には期待してるんです。

Posted by: LIN | June 03, 2007 at 10:09

>uotaさん
『ユリシーズ』は集英社文庫ヘリテージシリーズですか?
一見、厚いですけど、3分の1は訳注です。
柳瀬さんの翻訳がいいらしく、丸谷さんたちの翻訳の間違いを指摘するほどなのですが
まだ途中までしかできてないんですよね(^^;
『オデュッセイア』はそれほど内容に深く関連しているわけでもないのですが
やはり読んでおいた方がいいかも。
>『イリアス』から先へなかなか進みません。
もしこれが『イリアス』をまだ読んでないという意味でしたら、
『オデュッセイア』は『イリアス』を読んでなくても大丈夫ですよん。
岩波はすばらしい出版社ですよね。
最近、古典を読むようになって、ありがたみをひしひしと感じてます。
『黒い時計の旅』よかったです。
uotaさんもお読みになっていらっしゃいましたか。
ブログに感想を掲載されていらっしゃるかしら?
後で拝見に伺いますね。
そうそう、白水社もいい出版社ですよねー。

Posted by: LIN | June 03, 2007 at 10:28

>uotaさん
追加です。
『ユリシーズ』の前に『若い芸術家の肖像』はお読みになっておいた方がいいかも。

Posted by: LIN | June 03, 2007 at 11:51

ウッドハウスに限らず、古き良き時代の英国紳士の活躍する小説が、今一歩好きになれないんです。 例えば、あの名作(?)の誉れ高き、ジェローム・K・ジェロームの「ボートの三人男/犬は勘定に入れません」とか… ユーモアの飛躍に付いて行けないっぽいのです。

Posted by: ユイー | June 03, 2007 at 21:00

>ユイーさん
>古き良き時代の英国紳士の活躍する小説が、今一歩好きになれない
そうでしたか。
『ボートの三人男』は未読です。
>ユーモアの飛躍
んー、私はそんなに英国の小説を読んでいないので、
「ユーモアの飛躍」という感じはまだちょっとわからないかなあ。
これから、数を読めば、そのうちわかってくるかな?

Posted by: LIN | June 03, 2007 at 22:21

『ユリシーズ』は集英社の単行本です。古本ですが。単行本は下段に解説がついていますね。
『イリアス』は神々のパートをカットしてわかりやすくしたものを読みました。なんという中途半端なことでしょう。『若い芸術家の肖像』は読んだほうがよさそうですね。チャレンジしてみます。

Posted by: uota | June 04, 2007 at 00:02

>uotaさん
単行本は解説が下段なのですか!
そちらの方が見やすそう。
文庫は後ろについているものですから、そこにも指をはさんでおくので
指がつりそうになるんです(^^;
>『イリアス』は神々のパートをカットしてわかりやすくしたもの
あ、でも、より『オデュッセイア』が楽しめるんじゃないでしょうか?
>『若い芸術家の肖像』は読んだほうがよさそう
ジョイスの作品は全部、つながっているみたいで
『ダブリンの市民』の登場人物も『ユリシーズ』に登場します。
『ダブリンの市民』読んだはずなのに、覚えてない…(^^;

Posted by: LIN | June 04, 2007 at 09:32

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