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June 30, 2007

『古代からの伝言 日出づる国』『時の娘』「恋愛小説家」「ダロウェイ夫人」「ドラマ・エリザベス1世」「恋に落ちたシェイクスピア」

Lin

脳内メーカー
によると私の頭の中はこうなっているらしい。
ちなみに本名だとこうなる↓
Photo

●今週読んだ本

古代からの伝言 日出づる国古代からの伝言 日出づる国
八木 荘司

角川書店 2006-09-22
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1999年~2004年まで、産経新聞で連載されていたもので
「日本書紀」の世界をリアルに再現したシリーズ。
全7冊。
この巻では、崇峻帝弑逆から推古天皇の死までを描く。
崇峻帝弑逆の実行犯である駒と河上娘との悲恋物語がよかった。
駒は自分のことを「やつがれ」というので、
同じく「やつがれ」という巷説百物語、又一役の渡部篤郎の顔が
浮かんだ。
この時代の朝鮮半島における高句麗、百済、新羅、任那の関係が
とてもよくわかった。

『時の娘』byジョセフィン・ティ

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世――
彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか?
退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに
歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。
歴史ミステリの名作と知られ、
高木彬光の『成吉思汗の秘密』や『邪馬台国の秘密』に影響を与えた。

すばらしい作品だと思うが、
そもそもリチャード三世が悪人扱いされていることを
知らなかったので、それほどラストに衝撃は受けなかった。
しかし、つくづく歴史というのは
勝者によって書き換えられてしまうものなんだと思った。
「歴史=真実」だと簡単に思ってはいけない。

●読書中

悪党芭蕉悪党芭蕉
嵐山 光三郎

新潮社 2006-04-22
売り上げランキング : 57879

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芭蕉は「三百年前の大山師」だった!(by芥川龍之介)
弟子は犯罪者、熾烈な派閥闘争、句作にこめられた危険な秘密……。
神格化され、〈宗教〉となった芭蕉の真実の姿を描く、
今まで誰も書けなかった画期的芭蕉論。

ココで立ち読みできます。
今、半分、読み終わったところだけれど、おもしろい!

『ユリシーズⅡ』byジェイムズ・ジョイス
他の本に浮気しつつも、ちょっとずつ読んでいる。
今は、スティーヴンスが図書館で滔々とシェイクスピア論を
述べているところ。

●新たに購入した本
『古代からの伝言 水漬くかばね』by八木 荘司
今週、読んだ『古代からの伝言 日出づる国』の続き。

『ユリシーズⅢ』byジェイムズ ジョイス

『古都』by川端 康成
「本を読む人々。」というSNSの「古今東西の名作を読もう」トピックの
7月の課題本。

『気になる部分』by岸本 佐知子
名翻訳家によるデビューエッセイ集。

『Self-Reference ENGINE』by円城 塔
書評家、大森望氏が「今年の日本SFベストワンは
これか伊藤計劃『虐殺器官』」と絶賛している。
『虐殺器官』も気になるが、タイトルからして苦手だ。

『芭蕉 おくのほそ道―付・曾良旅日記、奥細道菅菰抄』by松尾 芭蕉
今、嵐山光三郎の『悪人芭蕉』を読んでいるので。

『湘南の暮らしと家―ビーチサイドスタイル』by湘南スタイルマガジン編集部
いつかは海のそばで暮らしたい。
と、思っている。

『夜の来訪者』byプリーストリー
kotaさんのブログ週刊ブックレビューで紹介されたいたので。
ある裕福な実業家の家庭で娘の婚約を祝う一家団欒の夜に
警部を名乗る男が訪れ、ある貧しい若い女性が自殺したことを告げ、
全員がそのことに深く関わっていることを暴いていく。

『暗号解読 上』byサイモン・シン
今月、文庫化されました。
ぎんこさんオススメ。

●今週見た映画

恋愛小説家恋愛小説家
ジャック・ニコルソン

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2007-05-30
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甘く切ない女心を描き、書いた本はすべてベストセラーという恋愛小説家メルビン。
しかし実際の本人は、異常なまでに潔癖性で神経質の嫌われ者。
周囲に毒舌をまき散らし、友人は誰もいない。
そんな彼がある日、ウェイトレスのキャロルに淡い恋心を抱くが・・・。

メルビンを演じるジャック・ニコルソンが優しい雰囲気なので、
嫌われ者という役が似合っていない。
『恋愛適齢期』でも遊び人の実業家という役どころだったが
あれも似合っていなかった。
ジャック・ニコルソンは映画後半のメルビンのような
誠実な役柄が似合う。
メルビンが小説家ゆえ、日常会話はうまく話せないのに、
書き言葉でならうまく話せるところがおもしろかった。
日本における短歌のように、
欧米ではそもそも女性を口説く時は
詩(文語体)を用いていたのではないか。
それを思えば、メルビンの口説き方は本来の形といえる。

ダロウェイ夫人
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ヴァージニア・ウルフの同名小説を映画化。
第一次世界大戦終結から5年後のロンドン。
国会議員夫人のダロウェイは、ある日30年前の輝くような青春の日々を思い返す。
ロマンティックなピーターとの波乱に富んだ人生ではなく、
政治家リチャードとの平穏な生活を選んだ現在の人生。
やがて彼女はその選択が正しかったのか自問してゆく。

原作を読んでから見た方がいいかも。
原作もよかったけれど、この映画を見てますます原作が好きになった。
ちょうど私自身も青春の日々を思い返す時期にあるからかもしれない。
この作品を見て「詩は美しい」と気づいた。
詩はやっぱり英語だと思った。
DVD化(日本語版)されていないのが残念。

ドラマ・エリザベス1世~愛と陰謀の王宮~

16世紀、ヨーロッパの覇権を握り、
大英帝国の基礎を築いたイングランド女王エリザベス1世は、
死ぬまで独身を通して、バージン・クイーンと呼ばれた。
そんな女王に取り入ろうとする男たち。
そして、背後に渦巻く陰謀。
愛と陰謀に揺れたエリザベス1世の半生を、王宮を舞台に描く。
番組紹介はコチラ

先ごろ、NHKで放送されたものは吹き替えだったのが残念だ。
主演は映画「QUEEN」でエリザベス2世を演じたヘレン・ミレン。
エリザベス1世の愛人としてレスター伯とエセックス卿が登場するのだが
私はレスター伯との日々が好き。
愛があったように見えるから。
30才も離れた年下男エセックス卿に夢中になるのは
正直、理解できない。
私は昔も今も年上男好きでそれはこれからも変わらない。
きんさんぎんさんのように100才になっても
「好みの男?年上がいいねえ」といいたい。

恋に落ちたシェイクスピア コレクターズ・エディション恋に落ちたシェイクスピア コレクターズ・エディション
グウィネス・パルトロウ ジョン・マッデン ジョセフ・ファインズ

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2003-11-21
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16世紀末のロンドン。
スランプに陥っていた劇作家シェイクスピアは
オーディションにやって来た一人の若者トマス・ケントを追って
とある屋敷へたどり着く。
そこには以前、芝居の最中に目を留めた
美しい女性ヴァイオラの姿があった。
シェイクスピアと彼を信奉するヴァイオラはたちまち恋におちてしまう。

もっと重厚な映画を想像していたが、軽いタッチのコメディ映画だった。
衣装や舞台が中世風というだけであって、
物語そのものは現代の恋愛映画だといっていい。
シェイクスピアとヴァイオラも、苦悩もなく簡単に寝ちゃうし
そんなところも現代風。
タイトルにだまされた感じ。
コメディ映画として見る分には悪くない。

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Comments

わ~LINさんが映画をたくさんみてますね。嬉しいっ!
ジャックニコルソンは、悪役が一番すごいですよ。
誰も手がつけられないという状態になります。(笑)
もちろん、誠実な役回りもよいですが。

「ダロウェイ夫人」
これは、みたことないです。レンタル探してみます!
「めぐり逢う時間たち」もおすすめです。暗いけど。
役者もいいし、すごく詩的です。

エリザベス~私もちらっとみて、字幕でなかったのでやめました。
エリザベス役のヘレンミレンが、「クィーン」でエリザベス2世を演じてらしてこれも秀逸でした。

芭蕉、、、私も、やっと芭蕉のよさがわかりかけてきた年になってきたなぁとこのごろ思っています。
生きるリズムが近くなったってことかしら。

Posted by: pico | June 30, 2007 at 11:50

あ、映像作品たくさん見ていらっしゃいますね^^
ジャックニコルソン。
この人、ちょっとキ印入った演技が物凄いインパクトあって、僕はどっちかというと今は落ち着いちゃったかなあってイメージがあります。でも誠実な役もどこか可笑しな彼らしさがあって、そこが誠実な役にも厚みを与えているような気がします。

あはは、「恋に落ちたシェイクスピア」はダメでしたか^^
なるほど!
LINさんが仰るとおり、恋愛の部分は現代ですよねぇ。いやあ、僕何も考えずに見ていました。そこらへん確かに軽い。
ただ劇が出来上がっていく様子はわくわくさせられてとても好きでした。

ダロウェイ夫人、結局この人は凡人と捉えていいのでしょうか?
恋より安定?
いえ、別にそれでも全然かまわないし、そこらへんがかえって色々興味をひきます。
夫人の娘を引き連れまわすナントカって女性は小説ではもっとインパクトがありましたが、映画ではなんだかなあって感じでした。

Posted by: kyokyom | June 30, 2007 at 12:51

>picoさん
こんにちは~。
すっかり映画づいてます。
ジャンルは偏っていますが…
来週は『宋家の三姉妹』と『アンナ・カレーニナ』を録画・鑑賞予定。
ジャック・ニコルソンの悪役?
おお、「ディパーテッド」でマフィアのボス、やってますね。
似合ってるかも(笑)
『ダロウェイ夫人』は原作がお好きならば、気に入っていただけると
思います。
『めぐりあう時間たち』録画したのに、忙しくて見る暇なくて、
結局、消しちゃったんですよねー(汗)
こういう時、ビデオデッキじゃなくDVDレコーダーなら
永久保存しておけるのにって思います。
結構、DVD化されていない映画を衛星放送でやったりするので、
そろそろDVDレコーダーを買おうかなあ。
「エリザベス1世」なかなかよかったですよー。
吹き替えじゃなかったらもっとよかったのに。
これもDVD、出てないんですよねー。
ヘレン・ミレンは劇団出身だけあってうまいですよね。
私、映画に出演する人は劇団である程度の基礎を
勉強すべきだと思います。
特に最近の若い日本の俳優・女優陣の演技力はひどすぎます。
河瀬直美監督が長谷川京子の演技を「全然、ダメ」といってて
すっきりしましたもん(笑)
>芭蕉のよさがわかりかけてきた年
『悪党芭蕉』を読みながらpicoさんのことを思ってました。
私は俳句についてはまったく無知なんですが、
芭蕉は作意を嫌い、見たままを歌ったそうですが、
そこから作意ではない人生の哀しみやわびさびが伝わってくるのが
いいなあと思います。
人生の哀しみって若い頃にはなかなかわからないもの。
年を取ったからこそわかることっていっぱいありますね。
俳句が作れるpicoさんはそういう気持ちを歌に託せて
うらやましいです。
私にも教えてください(笑)

Posted by: LIN | June 30, 2007 at 12:54

>kyokyomさん
私、「ハンニバル」のレクター博士ってジャック・ニコルソンがやってると
思ってました(笑)
アンソニー・ホプキンスなんですよね。
ジャック・ニコルソンでイっちゃっている役というと「シャイニング」とか?
(ホラー、ダメだから見てないけど)
「恋におちたシェイクスピア」は楽しめましたよー。
ただ、歴史上の人物を描いた映画にはつい重厚なものを期待してしまうんです。
コメディ映画として見る分には全然、OKな作品です。
>恋愛の部分は現代ですよねぇ。
でしょう?
商人の家とはいえあれだけのお嬢様が街をうろうろしたり、
男をひきいれいたりできたというのも信じがたい。
>ダロウェイ夫人、結局この人は凡人
んー、凡人なのかしら?
サリーはクラリッサのことを「俗物なのよ」といってますね。
クラリッサがピーター・ウォルシュを選ばなかったのは
彼の中にある山師的なものを見抜いていたのでは?
だからといってリチャード・ダロウェイを選んだのは
安定を望んだというわけではなくて、結婚当時は彼に夢を感じたんだと思います。
女って、多少、退屈な男でも、社会的に大きな仕事をしている男を支えることに
生きがいを感じたりしますから。
>夫人の娘を引き連れまわすナントカって女性
あのシーンは短かったですよね。
それから、エリザベスの独白がなかったのでは?
小説ではあのシーンはエリザベスの独白で語られますよね。
独白がないと、シーン全体の印象が淡白になるのかも。
私が映画を見て感じたのは、
リチャードが初めて、クラリッサと会った時に
「僕の名はダロウェイです」と自分を紹介するわけですが
その後、サリーとピーターが「僕の名はダロウェイさん」といって
クラリッサをからかうのです。
が、日本語訳の「僕の名はダロウェイさん」ではそのおもしろさがわからないのだけれど、
英語で「My name is Dalloway」だとおもしろいんですよね。
映画では、サリーとピーターがそのセリフをまねするシーンもあるし。
詩にしても英語でないと伝わらない表現ってあるのだなあと
思いました。

Posted by: LIN | June 30, 2007 at 14:31

こんにちは。
「暗号解読」文庫化ですか!
この本はホント面白かったです。

Posted by: 木曽のあばら屋 | June 30, 2007 at 23:55

>木曽のあばら屋さん
おお、『暗号解読』おもしろいですか。
これは読むのが楽しみです。
「暗号」って何だかワクワクしますよね。
子供の頃、スパイごっこセットで遊んだし、スパイゲームも好きでした。
数年前、M16がスパイを一般公募した時、応募しようと思ったくらい(笑)
同じ著者の『フェルマーの最終定理』も気になります。

Posted by: LIN | July 01, 2007 at 09:41

こんばんは、
『時の娘』、リチャード3世=悪人像を前提として話が始まっていますからねぇ。イギリス人にとっては常識ということなのでしょうね。
ラストも目新しいことが書かれているわけではないのですが、批判的に見る、ことをミステリ仕立てで再確認させてくれる点では面白い作品でした。

映画はあまり見ていないのですが、ジャック・ニコルソンは「イージー・ライダー」に出ている若い頃の姿がイメージされます。気の毒な役どころですけど。
アンソニー・ホプキンスは最近の「世界最速のインディアン 」がとても面白かったです。
やっぱり噛み付いたりしないアンソニー・ホプキンスの方が素敵です。

Posted by: nyu | July 01, 2007 at 23:36

>nyuさん
>イギリス人にとっては常識
織田信長が残虐なのが、日本人にとって常識みたいなものなんでしょうね。
織田信長が実は虫も殺せないような人だったっていわれたら
びっくりしますもの。
>批判的に見る、ことをミステリ仕立てで再確認させてくれる
確かに!
これを読んで、歴史をまるまる信じちゃいけないなあって思いました。
>アンソニー・ホプキンス
私もそんなに映画を見る方ではないので、彼の作品は『日の名残り』しか
見てないのです(^^;
>「世界最速のインディアン 」
公式HPを見ると、レクター博士を演じた同一人物とは思えないほど
かわいいおじいちゃんって感じですね(笑)

Posted by: LIN | July 02, 2007 at 08:39

脳内メーカー笑えますね。やってみましたが、とても世間様には公表できない結果となり・・・本名だとHのみですもん。いくらエロいと言ってもそれはひどい(笑)LINさんの本名版はとても平和な感じで良いすね。いやはや面白かった。ありがとうございます。
私の実家は奥の細道ルート沿いでして、芭蕉が田んぼ(しかない)を見渡し詠んだという句碑が立ってます。間違いなく芭蕉信仰の片棒を担いでいるようです(笑)この本、面白そう!

Posted by: さなちん | July 05, 2007 at 14:15

>さなちんさん
>とても世間様には公表できない
えええ、公表してくださらないのですか?
>本名だとHのみですもん。
それでも見たいです(笑)
ハンドル名の方は、やってみましたよん。
“友”がいっぱいでステキじゃないですかー。
私のはハンドルネームも本名も何だか“休”ばかりで…(^^;
まあ、実際、その通りなのですけどね。
>私の実家は奥の細道ルート沿い
それはうらやましい!
ああ、どのあたりなんでしょう。
妄想がふくらみます。
近いうちに「奥の細道」を読む予定なので、
田んぼを歌った歌を目を皿のようにして探してみますね。
この本、おもしろかったですよー。
俳句ってそんなに好きじゃないからどうかなあと思ったけれど
楽しく読めました。
さなちんさんも機会があったら是非。

Posted by: LIN | July 06, 2007 at 10:34

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