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July 21, 2007

『詩を読む人のために』『暗号解読(下)』「日本の面影」

話題のセカンドライフですが、
あの3D空間が私はどうも酔う(・∀・;)
「セカンドライフって?」という方は下の画像の真ん中をクリック。
(注:音が出ます)

●今週読んだ本
『詩を読む人のために』by三好達治
詩を読む人のために (岩波文庫)
「この小さな書物は詩を読む人々、それも初めて現代詩を読もうとする
年少の読者のためにという、書店の依頼によって筆を執りました。」

藤村、泣菫、白秋、朔太郎、中也らの詩が解説とともに紹介されている。
詩の読み方がまったくわからない私には、
一語、一語を丁寧に解説してある最初の2編、
「千曲川旅情の歌」と「ああ大和にしあらましかば」が
よく理解でき、また感動することができた。
中でも「ああ大和にしあらましかば」が幻想的でいい。
それ以降は、紙面の都合もあるのか、さくっと説明してあるため、
今ひとつ理解しきれず…
詩にはまったく興味がなかったのだが、
最近、詩を理解したいと思うようになった。
今、読んでいる『ユリシーズ』など、詩がわからないと本当に読んだことにならない。
ところで英国の詩は韻を踏む。
日本の詩には韻がない。
だからせめて、定型詩であってほしいと思う。
型というのは美しい。
口語自由詩はあまりに何でもありで、戯言のように思えてしまう。

『暗号解読(下)』
暗号解読 上巻 (1) (新潮文庫 シ 37-2)
今週は下巻を読んだ。
第二次世界大戦において、アメリカと日本の戦いは暗号の戦いでもあった。
アメリカは、最も難解な言語といわれるナヴァホ語を採用することによって
日本との暗号戦争に勝った。
当時、ナヴァホ族の人々は、劣等な種族として扱われていたにも関わらず
祖国アメリカのために勇敢に戦った。
感動的である。
暗号の仕組みは戦後になって、ますます複雑になっていく。
量子暗号の仕組みは、わかりやすいサイモン・シンの解説といえども
理解するのがむずかしかった。
“シュレーディンガーの猫”というたとえ話がある。
(猫好きにとってはあまり愉快なたとえ話ではないが…)
一匹の猫を箱の中に入れる。
青酸ガスを封入したガラス瓶も一緒に入れて蓋をする。
ここから先、観察者である私たちは無知の段階に入る。
猫の状態を見ることができないからだ。
古典的な世界であれば
「猫は死んでいるか生きているかのどちらかだが、
そのどちらであるかはわからない」
ということになる。
ところが量子論の世界では
「猫は二つの状態を重ね合わせた状態にある」というのである。
つまり生と死が同時に存在しているようなものだろうか。
量子論には「多世界解釈」という考えもあって、こちらは
対象にいくつかの選択肢があれば、宇宙は必ず分裂するという考え方。
いろいろな人生の選択肢を選んできた私がここにいて、
他の選択肢を選んだ私が別にいるということか?
何だかSFみたいでロマンチックなのである。

『白の民俗学へ』by前田速夫
白の民俗学へ 白山信仰の謎を追って
柳田、折口の著書をはじめ、様々な資料から、白山信仰についての記述を
次々と引用しているだけで、まとまりがないように思う。
こういう類の本は、最初に大きな仮説があり、
それに沿って調査・検証していくと一本、筋が通るのではないだろうか。
プロフィールを拝見すると「新潮」の編集長だったということなので、
それで、短い記事がたくさん集まった雑誌のような形式になっているのかもしれない。
最後の一文が
“「白の民俗学」は、いまようやく端緒についた”
ということなので、今後に期待したい。

●今週見た映画
「日本の面影」
全4回。
1984年放送。
山田太一作。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン):ジョージ・チャキリス
小泉せつ:檀ふみ
松江中学校教頭、西田:小林薫
西田夫人:樋口可南子
文部省高官、服部:津川雅彦
女中:杉田かおる

ニュー・オリンズで新聞記者をしていたラフカディオ・ハーン。
ある時、ニュー・オリンズで開催された万国博覧会で
日本の美術工芸品を見て、心ひかれる。
6年後、日本にやってきたハーンは松江の中学校の教師として赴任する。
そこで、後に妻となる小泉せつと出会う。
また、赴任先の松江中学校教頭の西田とは生涯の友となる。
ドラマではそんなハーンの半生を描く。
日本映画専門チャンネルで、今週、放送されたのだが、
こんなドラマがあったとは!
ああ、この時代のドラマのすばらしかったことよ。
それに比べ、最近の民放のドラマはひどすぎる。
(私は、きちんと演技の勉強をした俳優を使わず、
ジャニーズやら中途半端なタレントやらを使っているのが原因だと思う)
中でも松江中学校教頭、西田役の小林薫さんがすごくよかった。
私はハーンの『神々の国の首都』を読んだので、
内容が重なっているところもあるのだけれど、
ハーンが、どんどん近代化していく日本をどんなに残念がっていたかが
とてもよく伝わってきたドラマだった。
原作本あり。
日本の面影―ラフカディオ・ハーンの世界

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Comments

LINさん、3D酔いするのですね。
僕の友達のゲーム好きが、3Dゲームするときには酔い止めにガムを噛みながらプレイする人がいました。

>『詩を読む人のために』by三好達治
面白そうな本ですね。僕は詩がわからないので興味があります。
ユリシーズは詩のこととか考えないで読んでしまいました(´・ω・`)

Posted by: kyokyom | July 22, 2007 at 18:57

>kyokyomさん
そうなんです、酔うんです~。
kyokyomさんはないですか?3D酔い?
>酔い止めにガムを噛みながら
おお、ガムって効果があるのでしょうか?
3Dって自分の体は動いていないのに、動いているような感覚にするわけだから
脳をだますわけですよね。
3D酔いする人というのは、うまく自分の脳がだませない人なのかもしれません。
>『詩を読む人のために』by三好達治
これはkotaさんオススメの本なんです。
今のブログには記事が見当たらないのですが、以前、記事にされてました。
>僕は詩がわからない
私もまったくわからないんです。
でも、最近、詩がわかると心が豊かになるんじゃないかという気がしてます。
詩がわからないのに詩人に憧れるんですよね~。
ユリシーズ、むずかしいです。
今、9章で、スティーヴンスが滔々とシェークスピア論を語っているところなんですが、
何いってるんだか、さっぱりわからないです。(^^;

Posted by: LIN | July 23, 2007 at 09:52

酔い止め飲んでLINさんもやろうよお笑

僕は今、何だかはまりまくっています… 趣味でやってるエスペラントも(今までもブログやハイクやメールで海外の方とおつきあいはしていたのですが)ここに来て実際に「顔を合わせて」使う機会に恵まれ、非常に喜んでいます。しかし、ある程度の内容を保ちつつ会話として成り立つ速度を維持するのは脇の下に悪い汗をかくような体験ですが笑

Posted by: hasyos | July 24, 2007 at 16:55

>hasyosさん
ふふふ、酔い止め、飲んでですか?(笑)
hasyosさんのセカンドライフ関連記事を拝見していると、
すごくおもしろそうで、うらやましいです。
実は3D酔いをこらえてちょっとうろうろはしてみたのです。
会話は未体験です。
これでもパソコン歴は長いので、チャットなんかには全然、抵抗がないのですが
アバターという体を持って会話するとなると緊張しますね。
それに英語、ダメだし。
hasyosさんはエスペラント語がおできになるからいいですね。
hasyosさんのセカンドライフ日記を拝見しているうちに、
またやりたくなってのぞくかもしれないです。
その時はお声をかけさせてくださいね。

Posted by: LIN | July 24, 2007 at 20:42

だまされたと思ってやりましょう、セカンドライフ。
寄り合うのに手ごろな本やも見つけました(笑)

Posted by: uota | July 29, 2007 at 18:48

>uotaさん
セカンドライフ、uotaさんとhasyosさんが一緒にお話された記事などを
拝見してますと楽しそうなのですが…
3D酔いもさることながら、操作も複雑なんですよねえ…
洋服をどう着替えるかわかるまで時間がかかりました。
この間なんて、突然、画面がぐるぐるまわりだして止まらなくなっちゃって…
ネット系のことは得意な方だと思っていたのですが、
とうとう時代についていけなくなりました(^^;
年ですかねえ…

Posted by: LIN | July 29, 2007 at 20:49

ははは、だいじょうぶですよ。
私はWINDOWSが出たときに初めてパソコンをさわり、右クリックというものがあるのを知るまでに1年かかりましたから(笑)
今、2週間ぐらいたってやっとグルグル回りから開放されつつあります。余計なことはできるだけしないと腹をくくれば道は開けます。
もう一度チャレンジされるときにはエスコートしますのでお声かけください。

Posted by: uota | July 30, 2007 at 08:40

>uotaさん
セカンドライフ、多分、みんな、最初に考えることは、
アバターを自分好みにしたいということだと思うんです。
でも、洋服は購入するか無料で配られる場所を探さなくちゃいけなかったり、
オリジナルの服を作るとか顔の造形を変えるとなると、
hasyosさんみたいにデザインセンスがあって、画像ソフトを使いなれてないとダメだったりで…
あとはやっぱり日本人の特性として、いきなり英語で話しかけられたらどうしよう
という気持ちもあるのではないでしょうか?
ブログやつぶやき系ブログもそうですが、最初に外資系から火がついて、
それから日本の会社がやりだしますよね。
セカンドライフも似たようなサービスでもっと使いやすいものを、
日本の会社がやりだすような気も…
>エスコートしますのでお声かけください。
ありがとうございます。
その際はよろしくお願いします。

Posted by: LIN | July 30, 2007 at 10:42

ぐるぐる 笑 ありますねえ。とにかくいろいろやったらようやく止まりましたが、どうやったかは覚えていません。服は既にあるものを調整するだけで結構オリジナリティを出すことができますよね… 色をちょっと変えたり。

日本版セカンドライフっぽいものも出るっぽいですね。しかし、僕は日本にいるよりも海外にいることの方が多いので、それじゃちょっとつまんないかな… 英語で話しかけられることも多いですが、全然怖くありません。何しろ、本体は自分の部屋にいるわけですから 笑 それに単語の羅列で結構通じるもんです。

Posted by: hasyos | July 31, 2007 at 00:48

>hasyosさん
セカンドライフって、前回、ログオフした場所からスタートでしょう?
ってことは、またぐるぐるから始まるのかと思うと、もう一度、やる気にならなくて…(^^;
hasyosさんが作ったTシャツ、かっこいいですよね。
セカンドライフで売れるんじゃないですか?
>日本版セカンドライフ
確かに海外の人と交流できるというのが醍醐味ですものね。
翻訳機があるんでしたっけ?
機能はどうなのでしょう?
hasyosさんは、どんどん、海外の人とも交流してらしてすごいですね。
エスペラントでなれてらっしゃるから?
エスペラントも気になるのですが、やっぱり英語の方が便利なのかなあとも思ったり。
昨年はフランス語に手を出したのに中途半端に終わってしまって
語学の勉強は強い目的意識がないとなかなかむずかしいですね。

Posted by: LIN | July 31, 2007 at 08:23

再ログインすればぐるぐる地獄からは脱出していますよ 笑。翻訳機は持っていますが、あまり役に立ちません。むしろ、中学生レベルでも、自分を信じた方が良さげです。それに、こっちの言葉を翻訳してくれるわけじゃないし。

英語やフランス語だから挫折するのです 笑 英語がこれだけ普及しているのは、それが優れた言語だからではありません。ただ単に、話者が多く、金になるからです 笑 ヨーロッパの言語をベースにしてはいますが、エスペラントには日本語と同じ膠着語的な性質もあり、日本人にとっては数倍、いや、数十倍優しい言語だと思います。習得に要する時間もそのくらいの差があるんじゃないのかな? レルヌがいいですよ。

http://ja.lernu.net/

Posted by: hasyos | July 31, 2007 at 11:55

>hasyosさん
やっぱり翻訳機は役に立たないのですね。
レルヌ、ちょっと見てきました。
活用とか、すごいシンプルなんですね。
目的語をどこにおいてもいいあたりなんか、日本語に似てますよね。
発音も似てるような…
語学は最近、中国語もおもしろそうだなって思うんですが、
目移りばかりしてなかなか身につかないです(^^;

Posted by: LIN | July 31, 2007 at 22:32

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