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July 29, 2007

たらいまわしTB企画 第36回「少女の物語」

Tara36b

たら本です。
どなたでも参加できるTB企画。
テーマに沿った本を紹介する記事を書き、
主催者さんや他の参加者にトラックバックやコメントしてね。
※たら本とは
今回の主催はBOOKS AND DAYSのnineさんです。

少女って特別な存在感を持っていると思います。
透明感、美しさ、可憐さから、コンプレックス、頑なさ、
意地、思いこみなどなど、
プラスもマイナスも少女というカタチに内包されると独特の輝きを増す。
と思います。
謎めいた美少女も素敵ですが、
コンプレックスまみれの普通の(いやそれより劣っていようが!)少女も
素敵なんです。
…とか何とか書きましたが、はっきり言いましょう。
わたしの趣味だっ!!
もう多分主催をすることはないと思うので、
思いっきり自分の読みたいジャンル(?)に走りました。
少女が主人公の物語、印象的な少女が登場する物語を
皆様どしどしトラックバックお願いしまっす!!

少女が主人公の作品ってあまり読まないんです…
でも前回、お休みしちゃったので、ここは頭をふりしぼって考えたいと思います。
そもそも自分が少女の頃、少女でいるのがイヤで
早く大人の女になりたいと思ってました。
それで少女に興味がないのかもしれません。
まわりはどうだったかというと、やっぱり大人びた子ばかりで、
少女らしい透明感のあるような少女は…記憶にない(・∀・;)
勉強ばっかりしてるか、すでに恋愛まみれか、どっちかでしたね。
そんな私のチョイスなので、主催者さんが考える少女像と
ちょっとずれてしまうかもしれませんが…

『グロテスク』by桐野夏生

グロテスク〈上〉グロテスク〈上〉
桐野 夏生

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グロテスク〈下〉グロテスク〈下〉
桐野 夏生

文藝春秋 2006-09
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主人公の「わたし」には、自分と似ても似つかない絶世の美女の妹ユリコがいた。 「わたし」は幼いころからそんな妹を激しく憎み、彼女から離れるために名門校のQ女子高に入学する。 そこは一部のエリートが支配する階級社会だった。 ふとしたことで、「わたし」は佐藤和恵と知り合う。 彼女はエリートたちに認められようと滑稽なまでに孤軍奮闘していた。 やがて、同じ学校にユリコが転校してくる。 エリート社会に何とか食い込もうとする和恵、その美貌とエロスゆえに男性遍歴を重ねるユリコ、 そしてだれからも距離を置き自分だけの世界に引きこもる主人公。 彼らが卒業して20年後、ユリコと和恵は渋谷で、娼婦として殺されるのだった。

「東電OL殺人事件」という実際にあった事件がモデルです。
少女の悪意や残酷さがよく描かれいてる作品。
これを読むと、果たして自分はユリコや和恵になる可能性がゼロだっただろうかと
考えてしまう。

『白夜行』by東野圭吾

白夜行 (集英社文庫)白夜行 (集英社文庫)
東野 圭吾

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1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。
容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。
被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂。
暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、
その後、全く別々の道を歩んで行く。
二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。
だが、何も「証拠」はない。そして19年…

プリーストの作品について
「作者が読者をあざむくためにわざと書かない箇所があるのがイヤ」
と以前、書いたのですが、考えてみたら、
この作品もやはり作者がわざと書かないことで
その部分を読者に想像させるんですよね。
そこがすごくいいんです。
数年前、TBSでドラマ化されましたが、せっかく小説では隠されていた部分を
見せてしまっていて、原作を台無しにしてました。

『テヘランでロリータを読む』byアーザル・ナフィーシー

テヘランでロリータを読むテヘランでロリータを読む
アーザル ナフィーシー Azar Nafisi 市川 恵里

白水社 2006-09
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本書はイラン出身の女性英文学者アーザル・ナフィーシーが、
1979年のイスラーム革命から18年間、激動のイランで暮らした経験を
英語で綴った文学的回想録の全訳である。
テヘランの大学で英文学を講じていたナフィーシーは、
1995年、抑圧的な大学当局に嫌気がさして辞職し、
みずから選んだ優秀な女子学生7人とともに、毎週木曜日、
ひそかに自宅で西洋文学を読む研究会をはじめた。
とりあげた小説は主としてナボコフ、フロベール、ジェイムズ、
オースティン、ベロウなど、イランでは禁じられた西洋文学の数々だった。
イスラーム革命後のイランは、生活の隅々まで当局の看視の目が光る
一種の全体主義社会となり、とりわけ女性は自由を奪われ、
厳しい道徳や規制を強制されて苦しんでいた。
秘密の読書会は、圧制の下に生きる女たちにとって、
ささやかながら、かけがえのない自由の場となり、
ナフィーシーがアメリカに移住する1997年までつづいた。
(あとがきより)

日本の自由な暮らしとの違いにびっくりしてしまう。
そして、少女たちの学問に対する真摯な姿勢。
でも、イランで抑圧されている彼女たちも、
アメリカや日本のような自由な国にやって来たら
変わってしまうのかもしれない。
ノンフィクションですが、小説好きの方すべてにオススメしたいです。

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Comments

こんばんはー。
早速ご参加ありがとうございます!
『グロテスク』って大人のドロドロみたいなのばっかりかと思ってたら、少女時代から始まるんですね。
体力のいる読書になりそうですが読んでみます。
『テヘラン~』は第1章だけ読んで満足してそれ以降未読なんですが、第1章だけでも、彼女たちの真剣な姿と物語の持つ力に感動しました。
・・・実は『白夜行』挫折しているのですが、これを機会に読んでみます。多分、昔とは嗜好が変わってるから読めるはず。だと・・・。

Posted by: nine | July 30, 2007 at 22:20

>nineさん
主催者、おつかれさまで~す。
nineさんが考えていらっしゃるような少女モノがひらめかなくて
こんな記事になってしまってすみません…(^^;
『グロテスク』は子供時代の話が半分くらいを占めると思います。
でもその子供時代もどろどろなんですが…
おお、『テヘラン~』、1章をお読みになってましたか!
彼女たちは少女というには、年が上すぎるような気もしますが、
渋谷あたりでうろうろしている日本の女子高生なんかよりも、
よっぽども少女的というか…
私、現代の日本に、果たして少女というのは存在するのかはなはだ疑問なのですが
どうでしょう?
『白夜行』、挫折しちゃいましたか。
どのあたりでだろう?
もしかすると最初は「ん?何?どういうこと?」って思うかもしれないのですが
少しずつ謎が解けていきますからね。
是非、再度、チャレンジなさってみてください。

Posted by: LIN | July 31, 2007 at 08:13

こんばんは。
次のたら本の主催者さんが決定しましたのでお知らせしますー。
次は「本を読む女。改訂版(http://blog.zare.boo.jp/)」のざれこさんです。
当選(?)番号は4番でした(笑)

少女は二次元の産物ですよ!
と勝手に思ってます(汗)
まあ、なんていうか、少女って自分の理想というか欲望というかそういったものを、若い女性に投影してるって感じ??それで出来上がったものが少女かもしれんなぁと思ったりしてます。(・・・あんまり深くかんがえてないでので、また違うことをいいだすかもしれないですが 汗)

「白夜行」読んでみますよ。
確か当時は雪穂が好きになれなくて挫折した覚えがありますが、今は多分大丈夫。な、はずです。

そいでは、お知らせでしたー。

Posted by: nine | July 31, 2007 at 23:31

>nineさん
わざわざお知らせいただきありがとうございます。
おお、次の主催者は我らが管理人、ざれこさんですか。
>少女って自分の理想というか欲望というかそういったものを、若い女性に投影してるって感じ?
男がそう考えるのはわかるんですけど、女性が少女に憧れる気持ちは
何なのでしょうか?
男が考える少女と、女性が考える少女は全然、違いますよね。
読んだことはないのですが千野帽子さんの『文學少女の友』とか
最近、ちょっとした少女ブームじゃないですか。
少女とはいったい、誰なのか?
考えると興味深いです。
ステキなお題をありがとうございました。
『白夜行』是非。

Posted by: LIN | August 01, 2007 at 08:17

「テヘラン」、人気ありますね!
現代のイラン女性が書いたものというと、
「ペルセポリス」もオススメです。

これは、なんとマンガ。
「テヘラン」よりも、もうちょっとくだけた感じの、
よりリアルな少女と思います。
アニメ化されて、こないだカンヌで賞もとりました。

イランの現在を描いたものは、
どうしても政治的な読まれ方をされがちのようで、
アマゾンの書評なんか読んでも、
「そうくるか」と驚きますが(笑)、
私はふつうにまず女の子の人生のリアリティを感じました。

「テヘラン」はちょっと優等生すぎて、
文学のお話が教科書みたいで「痛い」感じもしたんですが、
「ペルセポリス」のほうはだいぶはじけていますw
10代の才気あふれる少女期の前半、
後半はフランス留学し、ボーイフレンドができ、
結婚・離婚して…とだんだん人生が重くなる様子が、
ほろ苦く描かれています。

Posted by: overQ | August 04, 2007 at 13:14

>overQさん
いつもなら、まっさきに、みなさんのところにコメントに行くのですが、
今回は苦手テーマということで行きそびれてます(^^;
そんなわけでoverQさんとこにもコメントしてなくてごめんなさい。
『ペルセポリス』、以前、ネットで調べたことがあります。
絵がかわいいですよねー。
アニメを見たいなあと思い、今、you tubeで検索したらありました。
日本でもDVD化されるといいのですが…
フランス語というのもよいですね。
>「テヘラン」はちょっと優等生すぎて
確かに!
私は、女性教師が苦手だったものですから、『テヘラン~』を読んでいると
主人公とかつての女性教師たちが重なって「うへーっ」となります(笑)

Posted by: LIN | August 04, 2007 at 16:31

こんばんは!
LIN さんの苦手テーマでしたか・・・
なんとなく微笑ましく思っちゃいました ごめんなさい^^

『グロテスク』この作品は本当に読んでてしんどかったです
でも女性作家じゃなきゃ書けないだろうなあ~っても
思いながら どうににか最後までいきましたが・・・

歳とともにどんどん難しいものについて行けなくなってきています
だから この「たら本」の時LIN さん始めみなさんのラインナップ作品から聞きかじり 見かじりさせていただいてます

Posted by: 慧 | August 04, 2007 at 20:59

>慧さん
少女もの、ホント、読まないんです。
というか主人公が10代の作品をほとんど読まないですね。
なぜなんでしょう?
10代にトラウマがあるのか?自分σ(^^;
『グロテスク』はしんどい作品ですよね。
でも私は彼女たちが特別だとは思えなくて、
誰もが彼女たちになりうるという考えにとらわれてしまいました。
>どんどん難しいものについて行けなくなってきて
わかりますー。
私も立て続けにそういう本を読むと、頭を休めたくなって、
思いっきり笑える本とか軽い本を読みます。
「たら本」は自分がまったく知らないジャンルの本も紹介されるのが
楽しいですよね♪

Posted by: LIN | August 05, 2007 at 08:32

コメントは、お久しぶりです。
こんばんは。

「グロテスク」は、あの分厚いハードカバーを読みました。
残酷だけど悲しいなあと、何故か読みながら泣いていたのですが(汗)
桐生さんは、筆力のある作家さんですよね。

白夜行も大好きです。

テヘロンでロリータを読む、
前からロリータ関連で気になっていたのですが、
なかなか本屋などでも見かけないのであとまわしになってました。
今度図書館で探してみます。
イランやその辺の国の少女のことはあんまり知らないのですが最近梨木さんのエッセイを読んでから興味があるので、楽しみです。

Posted by: 椿子 | August 12, 2007 at 20:14

>椿子さん
おひさしぶりです♪
椿子さんは『グロテスク』も『白夜行』もお読みでしたか~。
どうも私の少女のイメージは“悪”のようでして…(^^;
そもそも、今の日本に清純を絵に描いたような少女はいるのかと思うのですが
だからこそ、みんな、小説に少女を求めるのかもしれませんね。
『テヘランでロリータを読む』はオススメです。
ノンフィクションなのですが、小説のような味わいです。
でも、理想の少女のような彼女たちも、日本で暮らしたら、
その少女性は失われるのだろうなあとちょっと悲しくなりました。
梨木さんは、つい最近、『家守綺譚』と『村田エフェンディ滞土録』を読み
感動したところです。
エッセイも読んでみたいです。

Posted by: LIN | August 13, 2007 at 09:52

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