『ゲーム的リアリズムの誕生』『カラマーゾフの兄弟』「かもめ食堂」
読書を趣味にしていると、ついつい本ばかり読んでしまう。
あいた時間ができると、ごく自然に本に手がのびる。
が、そういう生活をしていると、日々の暮らしが雑になるような気がする。
私だけかもしれないが…
早く本の続きを読みたいからと、食事を簡単に済ませちゃったり、
とにかく次から次へと本を読むので、ぼーっとする時間がなかったり…
料理とかピアノとか、読書以外の趣味ももっと広げていきたいと思う秋。
実は、以前、洋裁を習っていた。
でも、先生も生徒も年配の女性ばかりで、作ってらっしゃる服がおばさんっぽくて
わくわくしない。
私自身はできるだけ、流行のデザインを選んで作っていたつもりだけど
できあがりはいつも野暮ったかった。
結局、洋裁教室はやめてしまった。
「洋裁の雑誌に作りたいと思う服の型紙が掲載されてない」
「大きい生地店でも既製品で使われているような布が売ってない」
といったことも原因だったかもしれない。
ところが、最近、調べてみたら、今はインターネットで
立体裁断の型紙やかわいい生地を売る店がたくさんある。
ひさしぶりに創作意欲がくすぐられて、またやってみようかという気になってます。
そのうち、完成品をこのブログに掲載するかも!?
●今週、読んだ本
『カラマーゾフの兄弟』byドストエフスキー

やっと読了。
やけに明るい読後感だった。
旧訳で感じた鬱々としたロシアはそこになく、
まるでイタリアが舞台であるかのような明るさだった。
翻訳者である亀山氏による解題をまだ読んでいないので
それを読んだら、また書きます。
『ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2』by東浩紀

『動物化するポストモダン』の続編。
Amazonのベストセラーランキングをながめていると、ライトノベルが多いなあと思う。
私はライトノベルを読んだことがないが、勝手にマンガみたいな小説と位置づけている。
マンガもほとんど読まない。
(「きょうの猫村さん」と「今日の早川さん」は持ってるけど)
ライトノベルやマンガを一般の小説よりやや下に見ているところがあるかもしれない。
しかしこの本を読む限り、ライトノベルやマンガは小説の未来形のようなのだ。
この本にこんなことが書いてある。
大塚(大塚英志のこと)は、純文学からミステリやSFまで含め、
ライトノベル以外の小説をすべて、現実を写生するものだと捉えている。
ミステリやSFは非現実的な事件を描くが、
それはあくまでも現実の写生を前提としたうえで、
そこに違和感をもちこむ手法だというのが、大塚の考えだ。
それに対して、ライトノベルは、アニメやコミックという世界の中に存在する
虚構を写生する点に特徴がある
小説が現実を写生したものであるということは今さらながら考えさせられた。
小説がいくら現実に近づけようとしたって、現実にはなれない。
私が日頃、感じている小説に対しての嘘っぽさというのはそういうことかもしれない。
一方、ライトノベルやアニメは、現実にはありえないデフォルメされた登場人物たちを
動かすことでそこに歪みが生まれおもしろい効果を与えるのかもしれない。
かえってリアリティが生まれる!?
最近、ドラマの原作にマンガがよく使われていて人気だが、
それもこのことに関係しているのだろうか。
この本については『動物化するポストモダン』を読んでから再考察したい。
~この本の作品論で取り上げられている作品~
『All You Nees Is Kill』by桜坂洋
「ONE」(ゲーム)
「Ever17」(ゲーム)
「ひぐらしのなく頃に」(ゲーム)
『九十九十九』by舞城王太郎
群ようこが本作のために書き下ろした小説を
『バーバー吉野』の荻上直子監督が映画化。
サチエ(小林聡美)はヘルシンキで“かもめ食堂”を始めたものの客はゼロ。
ある日彼女は最初の客で日本かぶれの青年トンミ(ヤルッコ・ニエミ)に
ガッチャマンの歌詞を教えてくれと言われるが、出だししか思い出せない。
彼女は偶然本屋でミドリ(片桐はいり)を見かけ……。
全体の雰囲気やキャスティングはとてもよかったと思う。
が、私は原作である小説を読んだ時の方が、もっと感動した。
サチエ、ミドリ、マサコの3人が、それまでどうやって生きてきたのかが
映画ではあまり描かれていない。
サチエがどうして強くなってしまったのか、
天下りの会社で21年間、ぼんやり過ごしてしまった
ミドリの人生は何だったのか、
両親の面倒を見続けたマサコは幸せだったのか、
考えると、何だかとても切なくなった。
トンミ君も小説の方がおもしろかったような…
映画だけで原作を読んでいない方は、
小説の方も是非読んでみて。

●「ザ・シンプソンズMOVIE」のこと
近頃、アニメ映画というと、お笑いやらタレントやらが吹き替えをやり
派手に宣伝しているなあとは思っていた。
でもアニメ映画なんてあまり見ないので、影響はなかった。
しかし!
私の好きなアニメ「ザ・シンプソンズ」が映画化され、
その声優が所ジョージ、和田アキ子、田村淳、ベッキーだという。
すごい違和感…。
ぎりぎり、田村淳のバートはOKだが、
所ジョージのホーマーと、和田アキ子のマージはありえない!
(もともとの声優さんの声は上の画像をクリックすると聞けます)
ネットでも問題となっていて、署名運動も行われています。
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Comments
ほんっと。和田→マージはありえないっ。
署名してこなくっちゃ!
声優は、ちゃんとした声優さんがやってほしいです。
かもめ食堂は、小説のが断然いいですよね。
ちょっと、きをてらいすぎの演出も唐突な感じをうけました。キノコとか・・・
とくに、プールの拍手喝采は、違うんじゃないかと。
もちろん、悪い映画ではないんですけどね。
同監督の映画で、「めがね」が公開されるんですけど、ぶつぶついいつつも、楽しみにしてます。(笑)
カラマーゾフは、1巻でとまってます。
それまでに、緻密でなぞるような日本文学を読んでいたせいか、なかなか馴染めません。mm
早く、LINさんとカラマーゾフのお話ししたいです。
そして、LINさんの洋服!
楽しみにしてますね。
そうそう、以前、LINさんから送っていただいた装苑で、ダッフルコート作ったんですよ。
そのせつは、ありがとうございます。
Posted by: pico | September 22, 2007 at 18:02
LINさん こんにちは
洋裁もなさっていたなんて、かっこいいー。新たに知る一面にグッと来たわたす。(笑)アップ楽しみにしています。私も刺繍をはじめましたよ。楽しくて楽しくて気がつけば手持ちのハンカチはイニシャルだらけです。読書も楽しいけれど頭が疲れたら洋裁とか料理とか、体(または五感)を使ってキューッと集中すると案外気分転換になるような気がします。頭を働かすためにはフィジカルなことも大事なのかもしれませんね。それにしても、おんなってちまちました楽しみが多くて得だなぁと思います。あ、男でもレース編みの広瀬先生がいますけどね♪
かもめ食堂、おにぎりが異様に食べたくなりませんでしたか?(笑)原作を読まねば〜。よい秋の宵を!
Posted by: さなちん | September 22, 2007 at 19:30
こんにちは
洋裁!ぜひ作品を御開帳ください
楽しみにしています
『かもめ食堂』フィンランドのトゥルクにお友達が日本の家庭料理のお店をやってます
そこに今年の冬遊びに行って 彼女のお家で『かもめ食堂』を観ました
フィンランド本当にのんびりとした良いところでした
次回はオーロラを見てきます
本は未読なので是非
そしてハイライトは
>まるでイタリアが舞台であるかのような明るさだった
これです カラマーゾフ!
いやあ~ さすがLINさん
慧は再読する勇気はありませんが
あのロシア文学が・・・
尻切れトンボなコメントで 失礼しました
Posted by: 慧 | September 22, 2007 at 21:05
「かもめ食堂」映画しか観ていませんが、かなり気に入っています。映画より小説のほうがずっとよかったのですか?ということは、かなりよかったのですね。
片桐はいりさんの、「ねえ、トンミ・ヒルトネン・・・」と呼びかける口調が、耳に残っています。
Posted by: くまま | September 23, 2007 at 09:56
>picoさん
その後、具合はいかがですか?
マッチポイントということですが、風邪はなおりかけが大切なので
お大事になさってくださいね。
>和田→マージはありえないっ
でしょ?でしょ?
有名タレントを声優に起用して、マスコミの話題になろうという
こすい考えは日本独特のもののような気がします。
「SEX AND THE CITY」も近いうち、映画化されるようなのですが
あれももともとの声優さんを使わないかもしれないですね。
うえ~。
>プールの拍手喝采は、違うんじゃないかと
あ!私もそう思った。
すごく唐突で何が起きたのかと思いました。
あのシーンは絶対、変。
キノコは原作では、マサコが毒茸を食べちゃって、
ちょっとした騒ぎになるんですよね。
だから、今か、今かと待ってたんですけど、
映画ではきのこを取って、おしまい。
いらないですよね、あのシーン。
新訳のカラマーゾフは評判いいようなんですけど、
私はちょっとおおざっぱな感じがしました。
だから、picoさんの
「緻密でなぞるような日本文学を読んでいたせいか、なかなか馴染めません」
という感じ、わかります。
私は原訳の方をオススメするなあ。
できたら米川訳もいつか読んでみたいと思ってます。
>ダッフルコート作ったんですよ
おお、それは見てみたいです。
picoさんは、手仕事がホント、おじょうずですよね。
手取り足取り、いろいろ教えていただきたいです。
こういう時、近所に住んでいたらなあって思います。
(そしたら、picoさんの看病にも行ってさしあげられるし)
Posted by: LIN | September 23, 2007 at 09:59
>さなちんさん
こんにちは~。
さなちんさんのブログの最新記事に掲載されている、
ベジフェスのお姉さん、セクスィー♪(笑)
>洋裁もなさっていたなんて、かっこいいー
ぜーんぜん、かっこよくないんですよ~。
だってできあがった服はみんな野暮ったくて着れないんですもん。
デザインセンスがないのかなあ…
>私も刺繍をはじめましたよ
おおお、刺繍、ステキじゃないですか~。
私も刺繍、気になっていて、ステッチidees、たまに買ってます。
よく、刺繍機能付きの高級ミシンを欲しがる方がいますが、
私は刺繍はやっぱり手仕事に限ると思ってます。
今度、さなちんさんの刺繍、見せてくださいね~。
>おんなってちまちました楽しみが多くて得だなぁ
ホント、ホント。
男の場合は、プラモデルとかになるんですかね?
でも、私は、やっぱり自然のものに手をふれてないとダメだと思うんです。
現代人の気持ちが荒むのは、パソコンとかフィギュアとか、
一日中、人工物ばかりさわっているからいけないんだと思います。
洋裁でも、化繊はダメで、綿とか麻とか自然のものに触れるのがいいかと。
お料理でも、スーパーできれいにパッケージされた野菜よりも
土付きの野菜を料理している時の方が力がみなぎってきます。
>おにぎりが異様に食べたくなりませんでしたか?
なりました~。
他のおかず類もおいしそうでした。
あんな風にていねいに料理してくれる食堂が近所にあるといいのになあ。
Posted by: LIN | September 23, 2007 at 10:20
>慧さん
>洋裁!ぜひ作品を御開帳ください
あはは…(^^;
そんなに上手じゃないんですよ。
期待しないで待っててくださいね。
えー!慧さん、フィンランドに行ってらしたのですか。
そこで「かもめ食堂」を見ただなんて、最高の贅沢じゃないですか。
冬に行かれたということは、白夜は体験なさらなかったのでしょうか?
「かもめ食堂」でも、夜になっても外が明るかったですよね。
私も体験してみたいです。
あ~、オーロラもいいですよね。
ご覧になったら是非、レポ、お願いします。
>慧は再読する勇気はありませんが
慧さんは、誰の訳で読まれました?
旧訳で読んでいらっしゃるのなら、わざわざ新訳で読む必要はないと
私は思いましたよ。
Posted by: LIN | September 23, 2007 at 10:30
>くままさん
>「かもめ食堂」
私の場合、小説を先に読んじゃったのが失敗だったかもしれません。
最初から映画を見たら、それなりに感動したのかも。
でも街や店の雰囲気やキャストはすごくよかったと思います。
原作の方が、3人の過去がよくわかるんです。
みんな、それぞれ事情があって独身なんです。
私も3人と同じ世代で、一人身なものですから、余計に身につまされたのかもしれません。
>「ねえ、トンミ・ヒルトネン・・・」
片桐さんは存在感のある役者さんですよね~。
でも原作では、そんな風には呼んでないんですよ。
私は「やっぱり猫が好き」のファンなので、小林聡美、もたいまさこが出演するなら
ミドリは室井滋じゃないの?と思ってたのですが、室井滋は毒が強すぎて
ああいう映画にはちょっと向かないですよね。
今度の「めがね」にも出演しないみたいだし…
メインの役じゃなくても、ちょっとした脇役で登場するとおもしろいのにと思いますが
村上直子監督と仲が悪いんですかね?(笑)
Posted by: LIN | September 23, 2007 at 10:45
わたしは、ピアノが弾きたいですよ!
保育園の頃から、東京に引っ越すまでの30年間、身近にピアノがなかった事がなかったのに、ここ3年くらいピアノに触っていませんもん. あーストレスが溜まる。 いつか、電子ピアノを購入するのが最近の夢です。
Posted by: ユイー | September 25, 2007 at 22:32
>ユイーさん
風邪の具合はいかがですか?
お大事にしてね。
ユイーさんもピアノをお弾きになるのですね。
でしたら、手元にピアノを置いておきたいでしょう。
とりあえずということなら、こんな商品もありますよー。
http://www.yamano-music.co.jp/docs/hard/handroll_piano61k2.html
ただ、弾いた時、鍵盤がさがらないので、違和感はあるかも。
Posted by: LIN | September 26, 2007 at 08:35
大塚さん風に言うと、小説は現実を写生して、そして消費されてゆくものなのでしょうね。
ところで久坂部羊さんという医師の作家をご存知ですよね。彼の『廃用身』はまさに現実を写生し、デフォルメした作品ですが、読む側に「えっ、こんな事件あったっけ」と思わせるほどのリアリティを持っていますね。彼は、いっぽうで医療現場の問題を告発するようなノンフィクションも書いていて、いろいろ勉強になりました。
Posted by: zen | September 26, 2007 at 20:14
>zenさん
今回、『ゲーム的リアリズムの誕生』を読んで、
小説が現実の写生であるという記述は目からウロコでした。
日本の近代文学はいかに小説を現実に近づけるかが課題だったのですね。
でもその手法には限界があってそのあたりが昨今の文学の行き詰まりに
関係があるのかなあなんて思いました。
>久坂部羊さんという医師
存知あげませんでした。
限りなくノンフィクションに近いフィクションということでは
山崎豊子さんもそうですよね。
Posted by: LIN | September 27, 2007 at 09:07
…そんなまきものやだ。
…ぐらんどぴあのじゃなきゃやだ。
ピアノを弾けないとすげえ、ストレスが溜まります。
「わたしにとっての音楽」http://unyue.blog63.fc2.com/index.php?q=%A5%D4%A5%A2%A5%CE#128
Posted by: ユイー | October 01, 2007 at 23:43
>ユイーさん
もしかして、ユイーさんはご実家ではグランドピアノを
弾いていらしたのですか?
それじゃ、電子ピアノの音じゃ、物足りないですよねえ。
うーん…グランドピアノがある貸しスタジオで弾くとか?
Posted by: LIN | October 02, 2007 at 09:39