『悪党芭蕉』『古都』『伝奇集』『Self-Reference ENGINE』『気になる部分』「銀河ヒッチハイク・ガイド」「8人の女たち」「宋家の三姉妹」
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2年前、書籍として発売された渡辺満里奈の「ピラティス道」。
DVD化されたら買おうと思っていたら、
いつの間にかDVD化されていたので買ってみました。
激しいビリーズ・ブート・キャンプは真夏にはちょっとしんどいですからね。
●今週読んだ本
『悪党芭蕉』by嵐山光三郎
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芭蕉は「三百年前の大山師」だった!(by芥川龍之介)
弟子は犯罪者、熾烈な派閥闘争、句作にこめられた危険な秘密……。
神格化され、〈宗教〉となった芭蕉の真実の姿を描く、
今まで誰も書けなかった画期的芭蕉論。
俳句にはまったく興味がなかったのだが楽しく読めた。
芭蕉の弟子たちが、それぞれ個性豊か。
二大弟子である東の其角、西の去来。
其角は天才肌であり、去来は誠実そのもの。
芭蕉と衆道関係にあったと思われる美男の誉れ高い杜国。
他にも衆道関係にあった弟子がぞろぞろ。
弟子たちが芭蕉を取り合う様子がおかしい。
といっても、芭蕉を思う気持ちからではない。
誰が後継人になるかが関心の対象だった。
当時、俳句はビジネスだったからだ。
俳句が、芸術である前にビジネスであり、
お金になったということは驚きだ。
興行と呼ばれており今でいうライブのようなものか?
芭蕉はこんな風に詠んでいる。
詩商人年を貪る酒債かな(P.151)
<自分用MEMO>
P.10
百五十年忌の天保14年(1843)には、
二条家より「花の本大明神」の神号を下され、
芭蕉は名実ともに神となった。
芭蕉は宗教と化したのである。
P.184
文芸で名を高めるには、作品もさることながら、死に方の工夫が腕の見せどころ
『古都』by川端康成
「本を読む人々。」というSNSの「古今東西の名作を読もう」トピックの
7月の課題本。
まず、会話が全部、京ことばなのに違和感があった。
京ことばは好きなのだけれど、それが小説となるとふざけてるみたいで…(^^;
「ふた子どすもん?」「いややわ」「どうどした?」「そうでんな」ですよ?
ただ、最初は違和感があったものの、
後半はストーリーもぐぐっともりあがり、楽しく読めた。
平安神宮、植物園、祇園祭、時代祭と京都ならではの描写が続き、
京都ガイドブックのような趣もある。
『伝奇集』byJ.L.ボルヘス
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ネットに各作品について一行で紹介してある文章があったので貼っておく。
<八岐の園 1941年>
プロローグ 以下8篇への前書き。
トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス
事典をめぐる奇妙な研究論文。
アル・ムターシムを求めて
寓意詩と探偵小説の融合を指摘した書評。
『ドン・キホーテ』の著者、ピエール・メナール 未完の作品の解説。
円環の廃墟 一人の人間を夢見、生み出す話。
バビロニアのくじ 非在のくじのお話。
ハーバート・クエインの作品の検討 小説家の作品の話。
バベルの図書館 無限であり周期的な図書館の話。
八岐の園 探偵小説的情報戦。<工匠集 1944年>
プロローグ 以下9篇への前書き。
記憶の人、フネス 完全知覚の言語化。
刀の形 独立運動の自意識の結末。
裏切り者と英雄のテーマ 反転する革命劇。
死とコンパス 四角殺人事件。
隠れた奇跡 ゼノンのパラドックス的詩作。
ユダについての三つの解釈 逆説的弁護人。
結末 人格転移の殺人。
フェニックス宗 継続する秘儀。
南部 手術と決闘。
何度か挫折してきたのだが、今回、やっと全部、読めた。
といっても、全部、理解できたわけではない。
「八岐の園」より「工匠集」の方がいくらか理解しやすかった。
主人公と、対峙していた相手とが逆転したり、
一度は死を逃れるものの、その間にひとときの夢を見て結局死ぬ
といった物語が多いように思う。
「死とコンパス」「ユダについての三つの解釈」「南部」がよかった。
『Self-Reference ENGINE』by円城塔
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SF連作短編集
著者は今回、「オブ・ザ・ベースボール」で芥川賞候補になった人。
恋愛小説風の話があるかと思えば、巨大人工知能が登場したり、
落語調の話もあれば、SFには不似合いな“トメ”なんて名前も出てくる。
ネットを見ると、この作品について言及する際、
ヴォネガット、ボルヘス、カルヴィーノ、グレッグ・イーガン、舞城王太郎などが
引き合いに出されている。
私の大好きな『銀河ヒッチハイクガイド』における
「生命と宇宙と万物に関する究極の答え」である“42”もちらっと出てくる。
私がこの作品を紹介するとしたら、
「恩田陸の『光の帝国』をもっと理屈っぽくした感じ」だろうか。
帯に推薦文を書いている飛浩隆の『グラン・ヴァカンス』ともちょっと重なるような。
まあ、あらゆるSF作品のごった煮ってことかもしれない。
でも結局、私はこの作品が何がいいたいかよくわからなかったけどね。
『気になる部分』 by岸本佐知子
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スティーヴン・ミルハウザー、ニコルソン・ベイカーなどの翻訳家によるエッセイ。
最初はおもしろくてげらげら笑っていたのだけれど、
そのうち、著者の妄想ぶりがだんだん怖くなってくる。
石鹸で手を洗い続けたら手が消えるんじゃないかと思い執拗に洗い続ける著者。
祖母の家の枕の中には日本兵がいるという著者。
前半に書いてあった、壁一面にきのこグッズがずらっと飾ってあり
食事や浴衣、大浴場にいたるまで、すべてきのこづくしという「国際きのこ会館」も
彼女の妄想なんじゃないかという気がして調べてみたがこれはちゃんと実在していて、
今は「ホテルきのこの森」という名前だった。
この妄想っぷりなら、小説を書いてもいいものが書けるんじゃないかなあ。
●読書中
『銃・病原菌・鉄』byジャレド・ダイアモンド
●新たに購入した本
『ちょっと本気な千夜千冊虎の巻』by松岡正剛
『白の民俗学へ』by前田速夫
『読書の腕前』by岡崎 武志
『贅沢な読書』by福田 和也
●今週見た映画
銀河ヒッチハイク・ガイド
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予想通り。期待通り。
原作がそのまま映像化されていた。
ただ、ゼイフォードの頭の処理がちょっとずるいような…
(ゼイフォードの頭は双頭なのに、
映画版だともうひとつの頭は首にあり、普段は隠れている)
BBCのTVシリーズのゼイフォードの方が正しい。
BBCの方のDVDも買っておくべきか。
8人の女たち
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1950年代のフランス。
クリスマス・イブの朝、雪に閉ざされた大邸宅で一家の主が殺された。
集まっていた家族は一転、全員が容疑者に…
お互いが疑心暗鬼に陥るなか、
怪しくも美しき8人の女たちの秘密がつぎつぎと明かされる。
犯人は、誰…?
本格ミステリー風。
オゾン監督はパロディで作ったのだろうか?
というかパロディにしか見えない。
何度も登場するミュージカルシーンは、私はいらなかったな。
ラストはちょっとびっくりのような、強引のような…
宋家の三姉妹
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今世紀初頭の中国。
古い因習にとらわれずに育てられてきた宋家の三姉妹。
アメリカ留学から帰国した彼女たちは、
それぞれに全く異なる結婚相手を選ぶ。
長女の靄齢は財閥の御曹司と結婚し、
中国経済を左右する大財閥を築く。
次女の慶齢は革命家・孫文と恋をし、
彼とともに情熱のすべてを革命に捧げる。
そして、三女の美齢は野心あふれる若き軍司令官、蒋介石と結婚する。
「かつて中国に三人の姉妹がいた。
一人は富を愛し、一人は権力を愛し、一人は国を愛した。」
映画のオープニングにこんなテロップが流れるが、
この順番でいくと、次女の慶齢が権力を愛したことになるが、
権力を愛したのは三女の美齢であり、
慶齢は国を愛したのではないのだろうか?
この映画を見るまで、孫文なんて名前くらいしか知らなかった。
このあたりの中国の歴史って
学校であまり詳しく習わなかったような気がする…。
中国の歴史を扱った小説をもっと読みたい。





































