July 28, 2007

『風の払暁 満州国演義1』『漱石の夏やすみ』『古代からの伝言 水漬くかばね』『パンプルムース家の犬』「ツイン・ピークス」

Dostoevsky
「本を読む人々。」というSNSで
私が管理人をしております「古今東西の名作を読もう」コミュの中に
「『カラマーゾフの兄弟』を読む!」というトピができました。
読みやすいと話題の光文社古典新訳文庫『カラマーゾフの兄弟』を、
この夏、みんなで読もうという企画です。
「この機会に私も」という方は是非、ご参加ください。
みんなでわいわい楽しみましょう。
カラマーゾフの兄弟1

●今週読んだ本
『風の払暁 満州国演義1』by船戸与一
風の払暁

麻布の名家に生まれながら、それぞれに異なる生き方を選んだ
敷島四兄弟。
奉天日本領事館の参事官を務める長男・太郎。
日本を捨てて満蒙の地で馬賊の長となった次郎。
奉天独立守備隊員として愛国心ゆえに
関東軍の策謀に関わってゆく三郎。
学生という立場に甘んじながら無政府主義に傾倒していく四郎。
未曾有のスケールで描かれる満州クロニクル。

今回は2巻までしか出版されていないが、全8巻になるという噂。
船戸与一の作品は初めて読んだ。
歴史背景の説明も細かいし文章も重厚で、私好みなのだが何か足りない。
登場人物の個性が弱いのではないだろうか。
小説というのは、リアリティを出そうとすると、
登場人物が現実に近づき過ぎてしまい、個性が弱くなるんだと思う。
だからといって、個性を出すために、大袈裟なキャラクター設定にすると
漫画のようになってしまう。
引き続き、2巻を読むかどうか迷うところ。

『漱石の夏やすみ』by高島俊男
漱石の夏やすみ (ちくま文庫 た 37-5)
先月、文庫化されました。
夏目漱石が23歳のときに作った漢文紀行「木屑録」を解説した書。
「木屑録」自体は22ページの短いものだが、
この本には「木屑録」の訳と解説以外に、
“漱石と子規”“「漢文」について”“日本人と文章”の3つのエッセイも
収録されている。
そもそも「木屑録」は正岡子規ひとりに見せるために書いたもので、
一種の手紙である。
漱石と子規は東京大学予備門の同級生であった。
「木屑録」では二人がふざけあう様(それも知的なふざけあい)が
垣間見え興味深い。
また、「漢文」について書かれたエッセイは目からウロコであった。
もともと漢詩は音読されていた。
しかし、9世紀の末に遣唐使が廃止されて以後、
音読できる人がいなくなってしまった。
つまりHere is a dogを「ヒア イズ ア ドッグ」と読めなくなった。
しかし暗誦はしなくてはならない。
そこで「ココニヒトツノイヌアリ」と声に出しながら
Here is a dogという原文を見て、おぼえる。
「ココニヒトツノイヌアリ」は日本語訳でもなければ、本来の発音でもない。
あくまでも漢詩を暗誦するための符牒である。
それが、私たちが授業で習った漢文ってやつなのである。
しかし、現代においては、漢詩を覚えたいなら、
中国語の発音がわかるのだから、中国語で覚えればいいわけで、
漢文で覚えるのは意味がないのである。
また、漢詩には複雑なルールがたくさんあることがわかった
この本で解説しているのは、ほんのさわりだけなので
漢詩について解説した本を買ってみようと思う。

『古代からの伝言 水漬くかばね』by八木荘司
古代からの伝言 水漬くかばね
1999年~2004年まで、産経新聞で連載されていたもので
「日本書紀」の世界をリアルに再現したシリーズ。
全7冊。
この巻では中臣鎌足と中大兄皇子の出会いから始まり、
大化の改新、白村江の戦いを経て、二人の死までを描く。
同じ歴史ものでも、上述の『風の払暁 満州国演義1』の登場人物が
あまり生き生きしてないのに対し
この作品は、中臣鎌足らが目の前にいるかのようである。
特に白村江の戦いでの秦田来津(はたのたくつ)の最期が泣ける。
白村江の戦いについては名前しか知らなかったのだが、
この作品を読んで、詳細がよくわかった。
このシリーズは引き続き、読んでいきます。

『パンプルムース家の犬』byマイケル・ボンド
パンプルムース家の犬
元パリ警視庁刑事で現在はグルメ・ガイドブックの覆面調査員の
パンプルムース氏と元警察犬のポムフリットを主人公にした
ミステリーシリーズ。
正直、そんなにおもしろいわけではないのだが、
なぜか何となく読んでしまう。

●今週見た映画
ツイン・ピークス

ツイン・ピークス  ゴールド・ボックス【10枚組】【初回限定生産】

アメリカ北西部の田舎町ツイン・ピークス。 犯罪とはおよそ無縁なこの町で学園祭の女王で町一番の人気者だった 17歳の少女ローラ・パーマーの遺体が、ビニールに包まれ湖畔で発見される。 同じ頃、州境を越えた線路の上で、別の少女ロネット・ポラスキーが 極度の緊張状態で歩いているところを保護される。 州をまたがる犯罪のおそれがあるためFBIが介入、 特別捜査官デイル・クーパーが町を訪れる。

11月にDVD-BOXが発売されるので、キャンペーンの一環なのか、
先週からLaLaTVで再放送が始まった。
私は、日本で初放送された1991年当時は一度も見ていない。
今回、初めて見る。
今週は、序章と1章を見た。
カイル・マクラクラン(SATCのトレイだ!)演じるデイル・クーパーが
ICレコーダーを使って、秘書のダイアンに何でもかんでも報告するのがツボ。
たとえば、クーパーが初めて、ツイン・ピークスにやってきた時の報告がこれ。

ダイアン 2月24日 11時半
カナダ国境から南に8キロ
木が実にたくさんある
かなりの田舎町だ
12度 曇り 予報では雨
6割も外れるのに給料を取るとはな
走行距離12万8千キロ
町で満タンにする
金額は後で報告
昼食はランプライター・インで6ドル31セント
ルイス・フォークの近くだ
ツナサンド チェリーパイ コーヒー
うまかった
特にパイは最高だった
これから会うのは──
トルーマン保安官
覚えやすい名だ
病院で待っている
線路で見つかった娘に会いに行く
保安官にいいモーテルを紹介してもらう
清潔で安いモーテルだ
もう一つ
木の名前を調べよう

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June 30, 2007

『古代からの伝言 日出づる国』『時の娘』「恋愛小説家」「ダロウェイ夫人」「ドラマ・エリザベス1世」「恋に落ちたシェイクスピア」

Lin

脳内メーカー
によると私の頭の中はこうなっているらしい。
ちなみに本名だとこうなる↓
Photo

●今週読んだ本

古代からの伝言 日出づる国古代からの伝言 日出づる国
八木 荘司

角川書店 2006-09-22
売り上げランキング : 91085

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1999年~2004年まで、産経新聞で連載されていたもので
「日本書紀」の世界をリアルに再現したシリーズ。
全7冊。
この巻では、崇峻帝弑逆から推古天皇の死までを描く。
崇峻帝弑逆の実行犯である駒と河上娘との悲恋物語がよかった。
駒は自分のことを「やつがれ」というので、
同じく「やつがれ」という巷説百物語、又一役の渡部篤郎の顔が
浮かんだ。
この時代の朝鮮半島における高句麗、百済、新羅、任那の関係が
とてもよくわかった。

『時の娘』byジョセフィン・ティ

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世――
彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか?
退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに
歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。
歴史ミステリの名作と知られ、
高木彬光の『成吉思汗の秘密』や『邪馬台国の秘密』に影響を与えた。

すばらしい作品だと思うが、
そもそもリチャード三世が悪人扱いされていることを
知らなかったので、それほどラストに衝撃は受けなかった。
しかし、つくづく歴史というのは
勝者によって書き換えられてしまうものなんだと思った。
「歴史=真実」だと簡単に思ってはいけない。

●読書中

悪党芭蕉悪党芭蕉
嵐山 光三郎

新潮社 2006-04-22
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芭蕉は「三百年前の大山師」だった!(by芥川龍之介)
弟子は犯罪者、熾烈な派閥闘争、句作にこめられた危険な秘密……。
神格化され、〈宗教〉となった芭蕉の真実の姿を描く、
今まで誰も書けなかった画期的芭蕉論。

ココで立ち読みできます。
今、半分、読み終わったところだけれど、おもしろい!

『ユリシーズⅡ』byジェイムズ・ジョイス
他の本に浮気しつつも、ちょっとずつ読んでいる。
今は、スティーヴンスが図書館で滔々とシェイクスピア論を
述べているところ。

●新たに購入した本
『古代からの伝言 水漬くかばね』by八木 荘司
今週、読んだ『古代からの伝言 日出づる国』の続き。

『ユリシーズⅢ』byジェイムズ ジョイス

『古都』by川端 康成
「本を読む人々。」というSNSの「古今東西の名作を読もう」トピックの
7月の課題本。

『気になる部分』by岸本 佐知子
名翻訳家によるデビューエッセイ集。

『Self-Reference ENGINE』by円城 塔
書評家、大森望氏が「今年の日本SFベストワンは
これか伊藤計劃『虐殺器官』」と絶賛している。
『虐殺器官』も気になるが、タイトルからして苦手だ。

『芭蕉 おくのほそ道―付・曾良旅日記、奥細道菅菰抄』by松尾 芭蕉
今、嵐山光三郎の『悪人芭蕉』を読んでいるので。

『湘南の暮らしと家―ビーチサイドスタイル』by湘南スタイルマガジン編集部
いつかは海のそばで暮らしたい。
と、思っている。

『夜の来訪者』byプリーストリー
kotaさんのブログ週刊ブックレビューで紹介されたいたので。
ある裕福な実業家の家庭で娘の婚約を祝う一家団欒の夜に
警部を名乗る男が訪れ、ある貧しい若い女性が自殺したことを告げ、
全員がそのことに深く関わっていることを暴いていく。

『暗号解読 上』byサイモン・シン
今月、文庫化されました。
ぎんこさんオススメ。

●今週見た映画

恋愛小説家恋愛小説家
ジャック・ニコルソン

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2007-05-30
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甘く切ない女心を描き、書いた本はすべてベストセラーという恋愛小説家メルビン。
しかし実際の本人は、異常なまでに潔癖性で神経質の嫌われ者。
周囲に毒舌をまき散らし、友人は誰もいない。
そんな彼がある日、ウェイトレスのキャロルに淡い恋心を抱くが・・・。

メルビンを演じるジャック・ニコルソンが優しい雰囲気なので、
嫌われ者という役が似合っていない。
『恋愛適齢期』でも遊び人の実業家という役どころだったが
あれも似合っていなかった。
ジャック・ニコルソンは映画後半のメルビンのような
誠実な役柄が似合う。
メルビンが小説家ゆえ、日常会話はうまく話せないのに、
書き言葉でならうまく話せるところがおもしろかった。
日本における短歌のように、
欧米ではそもそも女性を口説く時は
詩(文語体)を用いていたのではないか。
それを思えば、メルビンの口説き方は本来の形といえる。

ダロウェイ夫人
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ヴァージニア・ウルフの同名小説を映画化。
第一次世界大戦終結から5年後のロンドン。
国会議員夫人のダロウェイは、ある日30年前の輝くような青春の日々を思い返す。
ロマンティックなピーターとの波乱に富んだ人生ではなく、
政治家リチャードとの平穏な生活を選んだ現在の人生。
やがて彼女はその選択が正しかったのか自問してゆく。

原作を読んでから見た方がいいかも。
原作もよかったけれど、この映画を見てますます原作が好きになった。
ちょうど私自身も青春の日々を思い返す時期にあるからかもしれない。
この作品を見て「詩は美しい」と気づいた。
詩はやっぱり英語だと思った。
DVD化(日本語版)されていないのが残念。

ドラマ・エリザベス1世~愛と陰謀の王宮~

16世紀、ヨーロッパの覇権を握り、
大英帝国の基礎を築いたイングランド女王エリザベス1世は、
死ぬまで独身を通して、バージン・クイーンと呼ばれた。
そんな女王に取り入ろうとする男たち。
そして、背後に渦巻く陰謀。
愛と陰謀に揺れたエリザベス1世の半生を、王宮を舞台に描く。
番組紹介はコチラ

先ごろ、NHKで放送されたものは吹き替えだったのが残念だ。
主演は映画「QUEEN」でエリザベス2世を演じたヘレン・ミレン。
エリザベス1世の愛人としてレスター伯とエセックス卿が登場するのだが
私はレスター伯との日々が好き。
愛があったように見えるから。
30才も離れた年下男エセックス卿に夢中になるのは
正直、理解できない。
私は昔も今も年上男好きでそれはこれからも変わらない。
きんさんぎんさんのように100才になっても
「好みの男?年上がいいねえ」といいたい。

恋に落ちたシェイクスピア コレクターズ・エディション恋に落ちたシェイクスピア コレクターズ・エディション
グウィネス・パルトロウ ジョン・マッデン ジョセフ・ファインズ

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2003-11-21
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16世紀末のロンドン。
スランプに陥っていた劇作家シェイクスピアは
オーディションにやって来た一人の若者トマス・ケントを追って
とある屋敷へたどり着く。
そこには以前、芝居の最中に目を留めた
美しい女性ヴァイオラの姿があった。
シェイクスピアと彼を信奉するヴァイオラはたちまち恋におちてしまう。

もっと重厚な映画を想像していたが、軽いタッチのコメディ映画だった。
衣装や舞台が中世風というだけであって、
物語そのものは現代の恋愛映画だといっていい。
シェイクスピアとヴァイオラも、苦悩もなく簡単に寝ちゃうし
そんなところも現代風。
タイトルにだまされた感じ。
コメディ映画として見る分には悪くない。

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June 09, 2007

『エムズワース卿の受難録』『黒猫・黄金虫』『奇術師』『パンプルムース氏のおすすめ料理』「マーズ・アタック」「情婦」

●今週読んだ本
エムズワース卿の受難録―P.G.ウッドハウス選集〈2〉
エムズワース卿の受難録―P.G.ウッドハウス選集〈2〉

ブランディング城城主であるエムズワース伯爵。
大好きな花をながめ豚を愛し、のんびり暮らしたいのに
周囲の人間が、次々と問題を引き起こす。
それに巻き込まれてしまう伯爵。
城主なのだから、一番偉いはずなのに、
妹に怒鳴られては、しゅんとして、
庭師に「やめる」とおどかされてはおろおろする。
何と愛らしい!
私はこういうおっとりした男に弱い。
後半3分の1にあたる「フレディの航海日記」と
「天翔けるフレッド叔父さん」に伯爵が登場しないのが残念。
これは「文藝春秋のP・G・ウッドハウス選集シリーズ2」なのだが
シリーズ3となる『マリナー氏の冒険記(仮)』は来月、刊行予定。

『黒猫・黄金虫』byエドガー・アラン・ポー
黒猫・黄金虫

「黒猫」と「メールストロムの旋渦」は既に読んでいたので
残りの作品を読んだ。
「アッシャー家の崩壊」がすごくよかった。
足元から寒々としてきた。
「黄金虫」もおもしろかった。
世界初の暗号小説らしい。
積んである創元推理文庫のポー全集も読まねば。

〈プラチナファンタジイ〉 奇術師
〈プラチナファンタジイ〉 奇術師

『双生児』に続きプリースト2作品目。
私はこの著者の作品の楽しみ方がわからないかもしれない。
著者がトリックのために、登場人物を好きなように
動かしているようにしか見えず、心に響いてこないのだ。
そして最後にわかる双方のトリックもイマイチ…
のような気がする。
何か読みのがしているのか?

パンプルムース氏のおすすめ料理
パンプルムース氏のおすすめ料理

パンプルムース氏は元パリ警視庁刑事で
現在はグルメ・ガイドブックの覆面調査員。
お供は、元警察犬のポムフリット。
あるホテル・レストランの味をチェックに来たパンプルムース氏。
なんと出てきた料理の皿の上には首が!
ミステリーとしてはどうってことないんだけど、
パ氏とポムフリットのコンビが魅力的。
シリーズものなので続きも読むつもり。

ユリシーズ〈1〉
ユリシーズ〈1〉

これらの本の合間に、『ユリシーズ』もゆるゆると読み進めている。

●新たに注文した本
ハイペリオン〈上〉
ハイペリオン〈上〉

後述する「長門有希の100冊」に『エンディミオン』があったので
まずはシリーズ1作目から。

さようなら、いままで魚をありがとう
さようなら、いままで魚をありがとう

シリーズ4作目。
3作目である『宇宙クリケット大戦争』をただいま、読書中。

『漱石の夏やすみ』by高島 俊男
漱石の夏やすみ

明治22年、学生だった漱石が23歳の夏やすみに友人4人と房総旅行に出掛け、
その見聞をしるした漢文紀行『木屑録(ぼくせつろく)』について解説した本。
今月、文庫化されました。

パンプルムース家の犬
パンプルムース家の犬

シリーズ2作目の『パンプルムース氏の秘密任務』が到着まで4日かかるみたいなので
とりあえず、即日発送の3作目を注文。

テヘランでロリータを読む
テヘランでロリータを読む

イスラム革命後のイラン。
抑圧的な大学当局に嫌気がさして辞職した著者。
みずから選んだ女子学生7人とともに、
ひそかに自宅で西洋文学を読む読書会をはじめる。
読書会でチョイスされたナボコフもギャツビーもジェイムズもオースティンも未読の私。
果たしてこの本を楽しめるのか?

●今週見た映画
マーズ・アタック!
マーズ・アタック!


監督はティム・バートン。
火星人も宇宙船もマンガに出てくるようなチープさなのだけれど
なぜかはまってしまう。
次々と著名な俳優が登場するのもその魅力のひとつか。
合衆国大統領はジャック・ニコルソン。
007のピアース・ブロスナン、マイケル・J・フォックス、
サラ・ジェシカ・パーカーも登場する。
テーマ曲はトム・ジョーンズの「よくあることさ」で
トム・ジョーンズ本人も出演している。

情婦 [スタジオ・クラシック・シリーズ]
情婦 [スタジオ・クラシック・シリーズ]

弁護士役のチャールズ・ロートンがチャーミングでよかった。
原作である『検察側の証人』を読んでしまっているせいか、
本筋である裁判の動向よりも、病後のロバーツ卿と
彼を心配する周囲の人々とのやりとりの方がおもしろかった。

今日は録画してある『2001年宇宙の旅』を見る予定。

●Amazonの新サービス
Amazonが年会費3900円で
「お急ぎ便」使い放題、
注文金額に関係なく送料無料という新サービスを始めたが、
別に「お急ぎ便」にしなくても通常、3日もあれば届くし、
いつも注文する時は送料無料になる1500円以上は
必ず購入するので、関係ないや。

●長門有希の100冊
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『涼宮ハルヒ』に登場する長門有希が読んでいるという
「長門有希の100冊」というリストが興味深かったのでメモ。

1 ギリシア棺の謎 エラリー・クイーン
2 エンディミオン ダン・シモンズ
3 ウロボロスの偽者 竹本健治
4 双頭の悪魔 有栖川有栖
5 魍魎の匣 京極夏彦
6 ぬかるんでから 佐藤哲也
7 クレープを二度食えば 自選短編集 とり・みき
8 誰彼 法月綸太郎
9 夏と冬の奏鳴曲 麻耶雄嵩
10 猶予の月 神林長平
11 世界のSF全集12 R・A・ハインライン
12 バブリング創世記 筒井康隆
13 〔完本〕黒衣伝説 朝松健
14 パスカルの鼻は長かった 小峰元
15 時間衝突 バリントン・J・ベイリー
16 3つの棺 J・D・カー
17 エイリアン妖山記 菊地秀行
18 順列都市 グレッグ・イーガン
19 ターミナル・エクスペリメント ロバート・J・ソウヤー
20 復活祭のためのレクイエム 新井千裕
21 精神現象学 G・W・F・ヘーゲル
22 伯母殺し リチャード・ハル
23 ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論 高橋昌一郎
24 赤い館の秘密 A・A・ミルン
25 十角館の殺人 綾辻行人
26 ヴィーナスの命題 真木武志
27 五百光年 草上 仁
28 暗号解読 ロゼッタストーンから量子学まで サイモン・シン
29 デュマレスト・サーガ E・C・タブ
30 名探偵の掟 東野圭吾
31 有限と微小のパン 森博嗣
32 魔術の歴史 エリファス・レヴィ
33 オイディプス症候群 笹井潔
34 ダンス・ダンス・ダンス 村上春樹
35 ジョーカー 清涼院流水
36 抱朴子 葛洪
37 殺人喜劇の13人 芦辺拓
38 世界魔法大全〔英国篇〕4 心的自己防衛 ダイアン・フォーチュン
39 妄想自然科学入門 菊川涼音
40 鋼鉄都市 アイザック・アシモフ
41 法の書 アレイスター・クロウリー
42 イーリアス ホメーロス
43 真ク・リトル・リトル神話大系 H・P・ラヴクラフト
44 僧正殺人事件 ヴァン・ダイン
45 衣裳戸棚の女 ピーター・アントニイ
46 殺意 フランシス・アイルズ
47 トンデモ本の世界 と学会
48 ガダラの豚 中島らも
49 悪霊の館 二階堂黎人
50 知性化戦争 デイヴィット・ブリン
51 タウ・ゼロ ポール・アンダースン
52 月に呼ばれて海より如来る 夢枕獏
53 イメージシンボル事典 アト・ド・フリース
54 椿姫を見ませんか 森雅裕
55 呪われし者の書 チャールズ・フォート
56 トリフィド時代 食人植物の恐怖 ジョン・ウィンダム
57 盗まれた街 ジャック・フィニィ
58 デッドソルジャーズ・ライヴ 山田正紀
59 暗闇の中で子供 The Childish Darkness 舞城王太郎
60 失われた時を求めて マルセル・プリースト
61 カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー
62 吉里吉里人 井上ひさし
63 サード・コンタクト 小林一夫
64 吸血鬼伝承「生ける死体」の民俗学 平賀英一郎
65 エイアリン刑事 大原まり子
66 落着かぬ赤毛 E・S・ガードナー
67 ブラウン神父の童心 G・K・チェスタトン
68 昭和歌謡大全集 村上龍
69 地球の長い午後 ブライアン・W・オールディス
70 リング・ワールド ラリイ・ニーヴン
71 エンダーのゲーム オースン・スコット・カード
72 たったひとつの冴えたやりかた ジェイムズ・ディプトリー・ジュニア
73 奇想、天を動かす 島田荘司
74 最上階の殺人 アントニイ・バークリー
75 夢の樹が接げたなら 森岡浩之
76 スターダスト・シティ 笹本祐一
77 陸橋殺人事件 ロナルド・A・ノックス
78 金なら返せん! 大川豊
79 海を見る人 小林泰三
80 ホッグ連続殺人 ウィリアム・L・デアンドリア
81 思考する物語 SFの原理・歴史・主題 森下一仁
82 ドグラ・マグラ 夢野久作
83 たそがれに還る 光瀬龍
84 ダーコーヴァ年代記 M・Z・ブラッドリー
85 ―――― ---(未知の媒体に記録されているため探知不能)
86 少年エスパー戦隊 豊田有恒
87 ECCENTRICS 吉野朔実
88 太陽の簒奪者 野尻抱介
89 悪魔の系譜 J・B・ラッセル
90 底抜け超大作 映画秘宝編集部編
91 猫たちの聖夜 アキフ・ピリンチ
92 虎よ、虎よ! アルフレッド・ベスター
93 サード・コンタクト 小林一夫
94 五番目のサリー ダニエル・キイス
95 赤と黒 スタンダール
96 百舌の叫ぶ夜 逢坂剛
97 星を継ぐもの J・P・ホーガン
98 できるかなリターンズ 西原理恵子
99 海がきこえる 氷室冴子
100 ―― -(未知の言語で記述されているため解読不能)

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June 02, 2007

『オデュッセイア』『双生児』『夏の夜の夢・あらし』『黒い時計の旅』『ロボット』

●今週読んだ本

ホメロス オデュッセイア〈下〉
ホメロス オデュッセイア〈下〉
先週に引き続き下巻を。
トロイア戦争にまつわる伝説は、
全部で8編の叙事詩で構成されており
順序は
『キュプリア』→『イリアス』→『アイティオピス』→『小イリアス』
→『イリオス落城』→『帰国談(イストイ)』→『オデュッセイア』
→『テレゴニア』となっている。
『イリアス』も読むべきなのだろうけれど、戦闘シーンが多くて退屈そう…
それに有名なトロイの木馬のエピソードは『イリアス』じゃなくて
『イリオス落城』に書いてあるみたいだし。
いうなれば外伝である『アガメムノーン』も読みたい。
今まで気にもしなかったけれど、こういった古典を出版し続ける
岩波文庫の存在は貴重。

双生児
双生児
「プレステージ」の公開間近なプリーストの話題作。
純粋にトリックを楽しめばいいのか。
それとももっと深い何かがひそんでいるのか。
読んでいるうちに、自分の読み方が正しいのかどうか
わからなくなってきて、足元がぐらつく。
これとかカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』とか
文学としてのSFがきてる?

夏の夜の夢・あらし
夏の夜の夢・あらし
再読。
でも10代の頃に読んだきりなので、ほとんど忘れてた。
これを機にシェイクスピアをもっと読んでいきたいのだけれど
慣れていないせいか、どうも戯曲は読みにくい。


黒い時計の旅
黒い時計の旅
たら本第25回「ドイツの文学」で、
ne_sanさん
が紹介してくださった本。
歴史改変SF。
最初は話にのれなかったのだけれど、
途中から俄然、おもしろくなってきて、徹夜しかけた。
今年のベストかもしれない。
島のホテルに暮らす白人の母子。
本土と島の間を渡す船の老船長。
ヒトラー専属の私設ポルノグラファー。
彼らが大きな歴史の渦に巻き込まれていくのか
はたまた彼らが歴史を飲みこむのか。
傑作です。
是非、読んでみて。

ロボット
ロボット
“ロボット”という言葉はこの本から生み出されたもの。
しかし、私たちが頭に思い浮かべる“ロボット”と
この本に登場する“ロボット”は見た目からして
まったく違うものである。
ロボットというよりクローンの考え方に近いのではないか?
しかしソニーの二足歩行ロボットなんか見ている限りでは
のろのろしていてロボットの実用化はまだまだ先ですな。

●新たに注文した本

『ユリシーズ(2)』ジェイムズ・ジョイス
今は1巻をゆるゆる読んでいる。
この本をおもしろく読むコツは、
その都度、訳注をていねいに読むことじゃないかと思う。
多分、さーっと読み流してしまったら、
何が何だかわからないまま終わる可能性がある。

『不思議の国のアリス』ルイス・キャロル
突然、再読したくなったので。

『奇術師』クリストファー・プリースト
プリースト検証プロジェクト第2弾。

『充たされざる者』カズオ・イシグロ
カフカっぽいらしい。

『エムズワース卿の受難録』P.G. ウッドハウス
来月、文春ウッドハウス選集第三巻『マリナー氏の冒険記(仮)』が
発売されるので、その前に第二巻であるこれを読んでおく。

『パンプルムース氏のおすすめ料理』マイケル・ボンド
東京創元社の新刊案内に『パンプルムース氏とホテルの秘密』が
あったので、まずはシリーズ第1作を読んでみることにする。

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May 11, 2007

『リヴァイアサン号殺人事件』『新釈走れメロス』『夢十夜他二編』

リヴァイアサン号殺人事件『リヴァイアサン号殺人事件』はロシアの作家ボリス・アクーニンが書いた
“ファンドーリンの捜査ファイル”シリーズ第3作である。
(ちなみにアクーニンは日本語の“悪人”にちなんでいる)
豪華客船、消えた秘宝の謎、いわくありげな乗客たち…
と、ポワロものが好きな方たちにはたまらない設定。
また探偵ファンドーリンが最新ファッションに身を包んだ美青年で
さらに紳士的とチャーミングなキャラクターなのである。
日本の文学に造詣が深い著者はアオノ・ギンタローという日本人を登場させ、
作品の中で日本人論を展開している。
翻訳をした沼野恭子さんは沼野充義さんの奥様。

Subaru0127_t_1そのボリス・アクーニンのインタビューが掲載されている
すばる4月号の特集は「21世紀ドストエフスキーがやってくる」。
ドストエフスキーといえば、
昨年9月に創刊された光文社「古典新訳文庫」の
『カラマーゾフの兄弟』が全3巻あわせて7万8千部、売れたらしい。
私は未読だが、この新訳がかなり読みやすいとのこと。

この秋、18年ぶりに河出書房新車から世界文学全集が発売されるという
ニュース
もある。
古典の新訳ブームがきてる感じ。

新釈 走れメロス 他四篇『新釈走れメロス』は『夜は短し歩けよ乙女』が評判の
森見登美彦の最新作。
「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」といった
日本の古典の名作のパロディ。
(パロディっていっちゃっていいのか?)
舞台はすべて京都、登場人物のほとんどが大学生。
何というか森見さんの作品に限らないのだけれど、
1冊2時間で読めちゃう最近の日本文学の傾向はいかがなものか。
私は古い人間ですので、小説に文学的表現なんかを期待するわけで
そんな友達に話すような文体で書かれても…と思うわけです。
「山月記」はまあまあ、よかったかな。
著者の日記はおもしろいです。

夢十夜 他二篇夏目漱石『夢十夜他二編』も読んだ。
これを映画化しちゃいかんでしょう→ユメ十夜公式サイト
映画、見てないけれど、公式サイトを見る限り、
画面が明るすぎるように思います。
夢ってもっと薄暗くてぼんやりとしたものじゃない?

しばらくごぶさたしていた本好きのSNS「本を読む人々。」にはまってます。
現在の参加人数は700人。
作家別コミュ、ジャンル別コミュいろいろあります。
楽しいですよん。

家守綺譚読書中はその「本を読む人々。」で薦めていただいた
梨木香歩『家守綺譚』
名前のイメージで勝手に若い女性作家だと思ってた。
内容もイマドキのペラペラした話なんだろうと。
が、今、半分くらい読んだところだけどすばらしくいい!
感想はまた後日。
今月、文庫化される『村田エフェンディ滞土録』も楽しみ。

しかし、もうちょっとうまく感想を書けないものか、自分。
作家のことをとやかくいうまえに、自分の文章力をもっと磨けっつうの。

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April 21, 2007

『親指のうずき』『グラン・ギニョール城』

※この記事は、ネタばれになりそうな箇所は、
ドラッグして反転で読むようになってます。

本格ミステリを2冊、読んだ。

親指のうずき

おしどり探偵トミー&タペンスシリーズ。
昨年、「奥さまは名探偵」というタイトルで映画化されました。

トミーとタペンスはおしどり夫婦。
ある時、二人は養老院にいるトミーの叔母さんを見舞いに行く。
タペンスはそこの入居者である老女に
「あの暖炉の奥に埋まっているのはあなたのお子さんなの?」
と聞かれる。
その後、トミーの叔母さんが老人ホームで亡くなる。
遺品を整理していたタペンスは、
その中の一枚の風景画に胸騒ぎを覚えた。
描かれている運河のそばの一軒家に見覚えがあったのだ。
しかもその絵のもとの持ち主はくだんの老女であり、
老女は失踪してしまっていた。
タペンスは絵に描かれた家と老婦人を探す旅に出るが…

読み終わって、ぽか~んとしてしまった。
絵に描かれていた家には思わせぶりのエピソードがたくさんあり、
これがどうつながっていくのかしら?とワクワクしながら読んだのだが…
ミステリーの落ちとして、アリなの?これは?
だって、結局、犯人である(ランカスター夫人)は(惚けている)ってことでしょう?
これはミステリーでよくいう“フェアプレイ”ではあるの?
何だか腑に落ちない作品でした。

グラン・ギニョール城

欧州の古城《グラン・ギニョール城》に招かれた名探偵ナイジェルソープ。
しかし、その閉ざされた城では次々と惨劇が起きる。
一方、帰阪の中途で怪死事件に遭遇した森江春策は、
調査を進めるうちに探偵小説『グラン・ギニョール城』の存在に
行き当たる。
やがて被害者宅に掛かってきた謎の電話の主が、森江にこう囁いた。
「グラン・ギニョール城へ……来たれ」。

途中、森江が(現実の世界から小説の世界に入りこんでしまう)のですが
それは(和歌山の山奥にあるホテルで日本人である劇団員たちが
探偵小説『グラン・ギニョール城』を演じている
)という設定なんですね。
それが何だかチープでねえ…。
私はむしろ(そのまま、本当に森江が小説の中に入りこんでしまった
という設定の方がよかったなあ。
たとえ、それによって、ミステリーとしては破綻してしまったとしても。
ラストでわかる犯人と動機もイマイチかなあ。
日下邦彦)がそこまでして(4人を殺したかった)理由がよくわからない。
ノイローゼ)だから?
犯人が(惚けいている)とか(ノイローゼ)だからってのは
やっぱりフェアじゃないと、私は思うんですよ。

私は、本格ミステリが大好きなのですけど、
本格ミステリって、時代に取り残された感がありますよね。
この2作品を読み
本格ミステリが生き残るための道って何だろう?
と、ふと考えてしまいました。

※本格ミステリ=推理小説のうち、謎解き、トリック、頭脳派名探偵の活躍を
主として書かれているもの

新たに6冊、購入。
『占星術殺人事件』島田 荘司 講談社
『論理の蜘蛛の巣の中で』巽 昌章 講談社
『チムニーズ館の秘密』アガサ・クリスティー 早川書房
『邪馬台国はどこですか』鯨 統一郎 東京創元社
『明智小五郎対金田一耕助』芦辺 拓 東京創元社
『アラビアの夜の種族』古川 日出男 角川書店

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March 22, 2007

『猫は殺しをかぎつける』byリリアン・J・ブラウン

Photo
猫は殺しをかぎつける
猫は殺しをかぎつける

グルメ記事の担当になった新聞記者クィラランは、
パーティーで昔の恋人と再会した。
彼女は陶芸家と結婚し、自分も女流陶芸家として活躍していた。
ところが、まもなく行方知れずになってしまう。
夫婦げんかが原因の家出と思えたが…

新聞記者クィラランが、飼い猫のシャム猫ココと協力して
事件を解決するというシリーズ。
現在、30作、発売されています。
この『猫は殺しをかぎつける』が第1作目だと思って買ったのに、
どうも早川書房がこのシリーズの中で初めて翻訳したのがこれで、
実際は第4作目だったようだ。
表紙には「新シリーズ第一弾」と書いてある。
まぎらわしいのう…

アガサ・クリスティファンとしては、
ミステリーとしての質は、やや落ちるといわざるをえない。
もたついているというか、キレがないというか。
犯人も動機も殺人方法も何だかなあという感じ。
アガサ・クリスティを読み終えた後のようなスッキリ感はない。
じゃあ、何がおもしろくて読むのかというと、
もう、ひたすら、シャム猫のココの賢さ&愛らしさにつきる。
ただ、私も相当、猫は賢いと思っている方だけれど、
「ここまで猫がするか!?」という気はする。

はまる人ははまるらしいけど、
もう2、3冊、読んだら、はまるのかなあ…

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September 26, 2006

『純粋理性批判殺人事件』byマイケル・グレゴリオ

Junsuiriseihihan

19世紀、霧の立ちこめる街ケーニヒスベルクを
恐怖のどん底に陥れた連続殺人事件を追う若き判事に
助けの手を差し伸べたのは世紀の哲学者カントだった!
折りしもナポレオンはプロイセン侵攻を準備。
スパイ疑惑が政情を揺さぶる中、
跪いた死体に残された唯一の手掛かり「悪魔のかぎ爪」を追うカントは、
目撃者アルビノの助産婦に辿り着くが…。

「哲学者カントが連続殺人事件の謎に挑む!」と
書いてあったので、てっきりカントが主人公かと思ったのですが
メインはカントの弟子である予審判事ハノ・シュティフェニースでした。
カント自身は、晩年という設定なので、よれよれしてます(笑)
ケーニヒスベルクで起きている殺人事件の犯人は誰かという謎もあるのですが
主人公ハノにも、謎めいた過去があるという設定です。

駄作のような、そうじゃないような、ビミョーな作品。
「これ、カントが出てこなくてもいいじゃん」と思っていたのですが
最後の20ページくらいで「ああ、なるほど」と納得。
私はカント哲学を知りませんが、
カントの「人間とは道徳的良心の主体である」という考えに
もしも、晩年、カント自身が疑問を感じていたら…
という話なんじゃないかと思いました。

以下、ややネタばれ

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January 27, 2006

『僧正殺人事件』と『Yの悲劇』

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今年は本格ミステリーの古典をたくさん読もうと思い
『僧正殺人事件』『Yの悲劇』と
本格ミステリーの名作といわれる作品を
立て続けに読んでみた。
ところが、あれっ、意外とつまらない…

<僧正殺人事件 あらすじ>
コック・ロビンという弓術選手が胸に矢を射られて死んだ。
捜査協力を頼まれたファイロ・ヴァンスは
「コック・ロビンを殺したの、だあれ?
“わたしだわ”って雀が言った」
というマザー・グース童謡を思い浮かべる。
つづいて起きた第二、第三の殺人もみな、この童謡をなぞっていた。
不敵にも、犯人とみられる人物は、事件を告げる手紙を新聞社に送ってきた。
その署名は「僧正」となっていた。

<Yの悲劇 あらすじ>
行方不明を伝えられた富豪ヨーク・ハッターの死体が
ニューヨークの湾口に揚がった。
死因は毒物死。
そのハッターの一族は世間では「きちがいのハッター家」として
有名であった。
そしてハッター家で第二の事件が起き
元シェークスピア俳優、ドルリー・レーンが捜査に乗りだす

まず、ヴァンスもレーンも、
ポワロやホームズのようなカリスマ性がない。
二人とも「最初から、全て、僕はわかっていましたよ」
というような顔をするのだが、
だったら、なんで次々と人がムダに死ぬのだ!
まあ、そもそも、本格ミステリーというジャンルそのものが
トリックのために人がムダ死にするわけだけど…
しかしシャーロック・ホームズやアガサ・クリスティ作品は
トリック優先ではなく、もっと人間らしさを感じる。
2作品の最後の犯人への対処もどうもいただけない。
そして、長い!
ムダに長い!
探偵が仲間とともに、あっちへうろうろ、こっちへうろうろしすぎ。

とりあえず「今年は本格ミステリーの古典をたくさん読む」という目標は
「アガサ・クリスティ作品を読みなおす」に変更しようっと。

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December 11, 2004

『薔薇の名前』byウンベルト・エーコ

薔薇の名前〈上〉
ウンベルト エーコ 河島 英昭

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2週間かけてやっと読了。

<ストーリー>
中世イタリア。
キリスト教は皇帝派と教皇派に分裂していた。
その仲介をするため、とある僧院にやってきたパスカヴィルのウイリアム(シャーロック=ホームズ役らしい)。
そして弟子のアドソ(ワトソン役らしい)。
この本はアドソの視点によって書かれている。
そんな中、僧院では次々と修道僧たちが殺されていく・・・

大筋は何となくわかるのだが、キリスト教の宗派やら聖書の話が多く、
そのあたりがさっぱりわからない。
最後に、なぜ、修道僧たちが殺されたかが明らかにされるのだが、
「え?それがそんなに重要な事なの?」と教養不足の私にはやっぱりわからない。

松岡正剛さんの『千夜千冊』における解説を読むと、まったく私がわかっていない事に
愕然とする。
しかたがないので、ウンベルト・エーコ自身が書いた解説論を買おうと思うのだが、
これもまた、たくさんあってどれを買っていいのかわからない。

中世美学史―『バラの名前』の歴史的・思想的背景
ウンベルト・エコ



『バラの名前』後日譚
ロリアーノ マッキアヴェッリ 谷口 勇 ジョヴァンニ ピアッザ



『バラの名前』探求
ウンベルト エコ 谷口 勇



ウンベルト・エコ インタヴュー集―記号論、「バラの名前」そして「フーコーの振り子」
ルイス パンコルボ セース ノーテボーム トマス シュタウダー 谷口 勇



「バラの名前」覚書
ウンベルト エコ Umberto Eco 谷口 勇



今の気分はパズルが解けなかった時のあのもやもやした感じに近い。
絶対、解いてやるっ!

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